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山梨伝説講座 雨畑の仙翁
『裏見寒話』「追加」(野田成方編)より、一部加筆
府下より西南にあたり十二里余、身延山に綾いて深山のよし伝云。先国主の時、山奉行の士一両輩、主用にて彼山中に入り、折節霖雨(ながあめ)巖上を濕(しめ)して嶺に登ること能はす、半腹の小寺に止宿す。折から雨中の徒然圍を戴く。何処よりか一法師来たりて、席上に立て碁の勝負を、身に木の葉をまとひ眼中碧玉の姑く、自髪雪を戴く。
彼の士驚いて僧に問う。答て云、信玄の時三次の入道とかいへるが、跡部・長坂の佞媚を厭ひ此山中に入り仙人となれり。斯の如くの奇異をなす。しかし人に害ある事なしと。棊果て叉飛行し跡を失ふ。
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