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借金と大博打が原発の実像!
(瀬尾健氏著『地球・環境読本』別冊宝島101 1989年)(数字変換)
ERDAでは、投入エネルギーの総量は三六となっているから、この追加分一174を加えると一挙に210となる。投入エネルギー量は、事故を考慮するだけで生産したエネルギー量の137をはるかに上回ってしまった。つまり、原発をつくって運転すればするほど、得られるエネルギー以上の石油エネルギーを注ぎ込まなければならないというまことに情けないことになってしまったのである。そのうえ、この修正計算には、廃炉など、その他の多くのエネルギー出費が含まれていないし、たとえ含まれていても多くの場合、かなり過少評価されているのである。特に高レベル放射能の保管管理には、わずか0・06のエネルギー出費しか計上されていないが、こんなわずかなエネルギーで何万年もの半減期をもつ強力な放射能を安全に保管できると本気で考えているのだろうか。この原発一基の残す使用済燃料は40万本を超え、重さは1000トンもある。その上、再処理などをすれば、余計に保管は困難になるし、ガラス固化技術など何万年も試したわけでもないから、この先どんなトラブルが起こるかわからない。つまり、この先どれだけのエネルギーを出費しなければならないのか見当もつかないのである。
それでは、なぜこんなわけのわからない原発が現実に存在し得ているのか。その秘密は、右にあげた巨大なエネルギー出費が、目下のところ顕在化していないというところにある。高レベル放射能の長期保管管理は私たちの子孫がやることだし、大事故はまだ起こっていない。つまり、言ってみれば無断で子孫から莫大な借金をし、大事故の起こらない方に賭ける大博打をやっているのが、原発の実像なのだ。
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