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儲けを独り占めにする電力会社
(瀬尾健氏著『地球・環境読本』別冊宝島101 1989年)(数字変換)
我々の生活そのものも、エネルギーの浪費を強いられている。人口が都市に集中し、それが土地の高騰を招き、人々はせまい家に押し込められ、通勤地獄に苦しめられている。人口が密集して風通しの悪い家に住めば、暑い夏にはクーラーが必需品となる。快適な家への夢を断たれた人々は、せめてもの憂さ晴らしにマイカーを買いこみ、用もないのにドライブに出かけていく。趣味を聞かれてドライブと答える人が多いというのは、何とも情けない話ではないか。
必要だから消費するのではなく、企業の儲けのために消費する、むしろ消費をさせられるといった構図は、資本主義一般に認められる特徴であって、エネルギーについても例外ではない。とくに問題なのは、エネルギー産業の最大手である電力会社が独占企業であり、無競争で儲けを独り占めできることである。電力会社は国策として、絶対に損をしない,ように保護されているため、無駄な投資でもすればするほどそれを電気代として消費者に転嫁し、儲けが増える仕組みになっている。原子力が大量の石油を浪費するだけのものであろうとなかろうと、とにかく原子力発電所をつくれば儲かるのだ。
電力会社が日本ほど保護されていないアメリカで、原子力発電が壊滅状態なのを見れば、原子力の虚構は一目瞭然である。発電設備をつくり過ぎた日本の電力会社は、省エネルギーのかけ声もどこ吹く風、最近ではなりふり構わずエネルギーの浪費をあおって恥入る風もない。
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