

どの識者の講演を聞いても、首長や行政関係者も「山梨の自然は豊か」・「水と森林の山梨」の言葉が口から踊りでる。
ではいったい「自然」とはどんな意味を持っているのあろうか。
<大辞林>
1 山や川、草、木など、人間と人間の手の加わったものを除いた、この世のあらゆるもの。「―に親しむ」「郊外には―がまだ残っている」
2 人間を含めての天地間の万物。宇宙。「―の営み」
3 人間の手の加わらない、そのもの本来のありのままの状態。天然。「野菜には―の甘みがある」
4 そのものに本来備わっている性質。天性。本性。「人間の―の欲求」
5 哲学で、
他の力に依存せず、自らの内に生成・変化・消滅の原理を育するもの。
精神とは区別された物質的世界。もしくは自由を原理とする本体の世界に対し、因果的必然的法則の下にある現象的世界。経験の対象となる一切の現象。
[形動][ナリ]
1 言動にわざとらしさや無理のないさま。「気どらない―な態度」「―に振る舞う」
2 物事が本来あるとおりであるさま。当然。「こうなるのも―な成り行きだ」
3 ひとりでにそうなるさま。「―にドアが閉まる」
●しぜん‐さいがい【自然災害】
台風・地震・火山噴火など、異常な自然現象が原因となって起こる社会的、経済的な被害。人為災害。
<参考資料サイト>
●http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E7%8F%BE%E8%B1%A1
最初の「自然が豊か」にはこうした地震やさまざまな災害の意味も包含されている。現在の人間社会では人間にとって都合のよい「自然が豊か」「豊かな自然」なのである。
しかし私たちの周囲は本来の自然界は無く人口のものが多数存在する。開発・それに林道・植林・植生変更などがそれである。
また山梨県では多くの河川災害に見舞われていることは記憶から去らない。これも自然災害と人口災害が重なって起きたものであり、人々の自然への警告を新たにしたものであるが、最近ではそれも忘れ、土砂崩れや林道損失の現場に覆いをかぶせて「豊かな自然」などの言葉が観光パンフレットに踊る。
山梨県のどこに「豊かな自然」があるのか教えてほしい。「富士樹海」などの未開発の地のみに適用できる言葉ではなかろうか。いやその樹海さえ、さまざまな人の手により自然と決別した地もある。
自然とは厳しく恐ろしく人々に襲いかかる存在であり、だからこそ言葉でなく自然に感謝の気持ちと活動を再確認する時期に来ている。
多くの人は「自然」という言葉をかみ締めていただきたい。私たちは自然界の中で小さな存在であり、愚かな言葉や行動は自然界の流れの中に埋もれていく。
多くの人が口にする「自然は豊か」は「自然を豊かにする人々が居て成り立つ」ことと同意語であることも再確認が必要で、そうした地域や人々の取り組みはあまり見当たらない。
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