サブやんの気まぐれ調査研究

日本の里山は崩壊します。守るのは私たちです。行政主導の時代は終わり新たな取り組みが求められています。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全5ページ

[1] [2] [3] [4] [5]

[ 前のページ | 次のページ ]

日本の森林資源 木材需給と森林資源との関係(『林業概論』 島田錦蔵氏著 昭和32年)

 林産物の需給と森林資源の分布との関係を分析してみると,用材では,生産地帯は東北区と四国区,消費地帯は関東区,中部区,近畿区となり,中国区は僅かに生産超過、九州区は僅かに消費超過区である。木炭では,関東区と近畿区だけが消費地帯で,他は生産地帯に属し,なかんずく東北区が顕著である。しかし概していうと,生産地と消費地との疎隔は、ソ連やアメリカにおけるほど顕著ではない。
 資源の分布が条件に高まれているのは、思うにこれは日本の気候が温暖多雨であって,各地とも林木の生育が良好であり,寡雨乾燥による砂漠地帯や草原地帯のごときを欠くからであろう。しかし林木蓄積量は乏しくて,1町歩あたり平均280石に過ぎないのである。
 これは一方に蓄積量に富む原始林の減少を意味し,他方に一般森林の過伐濫伐を示すものであって,将来の林産物の供給量の低減が憂えられるとともに,治水上に及ぼす悪影響が近年明白に観取されるに至っているのである。現在の林業の課題は、
従来の林野面積率の名目そのものの実質的な改善向上,すなわち樹種の改良,林椙の改善に指向するのである。ここにこそ
日本の国民文化の繁栄に寄与する林業の使命が存する。

○日本の森林資源 木炭の需給(『林業概論』 島田錦蔵氏著 昭和32年)

 木炭の生産量は永らく年額5億貫内外を示し,生産量の増加は著しくなかった。これは都市の膨脹,人口の増加にも拘ら
ず,ガス,煉炭などの普及によって木炭需要量の一部がおき換えられていたからである。それが支那事変以降は,工業用木
炭の需要増加とガス用木炭の新用途の発展にともなって需要が激増し,8億賃を超えるにいたった(昭和15年)。需要はさらにその後も増加したのであるが,労力不足、原木不足,
統制価格の不引合などによって,生産は昭和15年を頂点として爾後下降し,そのために需要は充足されず,全国一般に木炭飢饉を現出した。

○日本の森林資源 薪の需給(『林業概論』 島田錦蔵氏著 昭和32年)

 薪は農家の自家消費のために生産されるものが多量であることと,造材末木,枝葉,製材屑などが利用されるものあるために,需給の把握は用材ならびに木炭に比して不正確をまぬがれない。下表で戦後が断層的に減少を示しているのもその一端を物語るものであろう。

日本の森林資源 木材の需給(『林業概論』 島田錦蔵氏著 昭和32年)

 木材の需給を用材と薪炭材とにわかつて観察すると,薪炭材はその交易の範囲が用材に比してはるかに狭く,地域的の需給均衡が成立する。これに反して,用材は海運を利用して遠隔地との交易がおこなわれ、国際商品的の性格をもっている。
 わが国は,用材の外国貿易は,第1次世界大戦後の大正9年ごろより増大し,関東大震災(大正12年)を契機として大正13年より昭和4年までは,米材輸入の最盛期を現出した。その後、ひきつづいて南洋材の輸入も増加を示した。米材の輸入と時を同じくして,樺太材の移入も増加し,昭和初年のわが国用材需給は,輸移入材に依存するところ大きかつたのである。

○日本の森林資源 用材の需給(『林業概論』 島田錦蔵氏著 昭和32年)

 第1次世界大戦までのわが国の用材需給は海外との交渉少なく,ほとんど国内で自給自足していたので,この時代には,用材生産量がすなわち用材消費量でもあつたのである。すでに森林伐採の項で長期統計を示したように明治30年から大正4年までは生産量は年額3,000万石,第1次世界大戦中は商工業の殷賑を反映して1,000万石を増加し,4,000万石を超えた。この時代までは,これが同時にわが国の用材消費量でもあったのである。しかるに大戦後は,米材の輸入と樺太材の移入がこれに加わり,消費量年額は6,000万石になった(樺太・朝鮮・台湾などの外地の消費を除く)。
 次掲には昭和6年より20年までの15年間につき毎5年の平均の生産量と消費量を掲げた。これは宛(あた)かも,戦前,支那事変、太平洋戦争中の3つの相異る状態下の需給関係を知ることになる。
 戦前は6,550万石の消費量の8割を国内生産が供給し、2割を輸移入材に依存していた(3割の輸移入と1割の輸移出との差額)。
 支郵事変中は7,700万石の消費量を若干超過する国内生産をしてきた。これは輸移入が戦前に比して半減したに反して,輸移出が増加したからである(輸移出は支那・満州・朝鮮への軍需関係の輸移出の増加であつた)。
 太平洋戦争中は消費量は、9,000万石に増加し,輸移入は殆んど不可能の状態に陥り,消費は全部国内生産によって自給する封鎖経済になった。したがって国内生産量は戦前の8割増となり,森林資源の消耗に拍車をかける結果となったわけであ
る。終戦後は一時需給規模が縮少したが,26年より戦時中の規模を超えている。

日本の森林資源 造林

日本の森林資源 造林(『林業概論』 島田錦蔵氏著 昭和32年)

 造林はその方法を大別して,人工造林と天然造林とする。人工造林は,
(1)苗木を養成してこれを林地に植付ける人工植林
(2)種子を人手で林地に播種して森林を仕立てる播種造林
(3)挿穂を林地に直挿する挿木造林
の3種がある。そのうち,わが国では人工植栽が最も普通の方法である。
 天然造林は主として自然の森林更新能力を利用し,これに補助作業を加えるものである。森林内の母樹から種子が落ちて自ら発芽する場合もあれば,伐採された根株から萌芽して成立することもある。これに人力を加えて生育の環境音改良し,稚樹および粛芽を迅速に且つ確実に生育せしめるように助成するのが天然造林である。天然造林は周密な技術的計画と補助作業によるものと,天然造林とはいうものの自然放置と相選ばない程度の粗放なものとがある。結局、造林事業の趨勢は人工造林の消長に反映されている。わが国の人工造林は地域的にはすでに徳川時代初期からおこなわれているが、汎くおこなわれるようになったのは,日露戦争の時からである。その頃に,国が国有無立木地に大規模の人工造林に着手したことが動機となって民間造林も発展した。
 人工造林の樹種別をみると,針葉樹が大部分を占め、広葉樹は僅少である。針葉樹のうちではスギが最も多くて約半分を占め,これについでヒノキ・マツの順であり,遥かに下ってカラマツとなる。広葉樹ではクヌギが2/3であって、これに次ぐクリ・ケヤキ・クスなどは極めて少ない。
 人工造林面積は大正から昭和を通じて10万町歩を上下していたが、太平洋戦争中は増加して20万町歩を超えた。しかしこの期間は伐採が非常に多かつたことを思うと,植伐の均衡は造林が著しく不足している。
 支那事変から太平洋戦争終戦までの戦争期間中の伐採跡で,造林未済の面積の累計は130万町歩と推定され、戦争中の森林荒廃の一面を示すのである。戦後,昭和25年から人工造林が増加して、造林未済地の解消の曙光の見えてきたのは喜ばしい。

開く トラックバック(3)

日本の森林資源 森林伐採(『林業概論』 島田錦蔵氏著 昭和32年)

 内地府県および北海道の森林伐採は,面積において大正年代の後半より昭和の初年にかけて30万町あそれより漸増して昭和7年に40万町歩、13年に50万町歩となり,16年より70万町歩を超えている。
 これを伐採量について観察すれば,大正後半から昭和10年ごろまでは年々約2億石の伐採であつたが、支那事変の前後から著増を示し,昭和15年に3億石を超え,爾後も戦時増伐がつづいた。終戦の混乱期に伐採が減少して昭和20年には2億石を下つたが、その後は2億石を超えている。
 戦争期間を除いた戦前と戦後とを比較すると,戦後の伐採量は戦前の伐採量に似ている。ただ見逃すことのできないのは,用材と薪材との伐採量の構成変化である。戦前は用材が三分の一、薪炭材が三分の二構成であったのに、戦後はむしろ用材が半ばを超えている。これは用材の輸移入がなくなって,用材もまた薪炭材と同様に国内自給しなければならなくなっているからである。戦時中の過伐によって材力が著しく減退しているのに,戦後の伐採量が減少していないことは,森林資源に重荷を負わしていることを意味する。
 伐採材の内容椿成は、前述したように永らく薪炭材が三分の二を占め、用材は三分の一であつた。薪炭材が三分の二も占めたことは諸外国に比してわが国の木材生産の特徴をなしてきたのである。これは用材は輸移入材による需要充足がされてきたためでもある。
 伐採材を樹種別にみると,薪炭材は雑多の樹種がこれに充てられており,潤葉樹が殆んどである。薪炭材の生産は樹種別の調査がなく,またその価値においても顕著な差異はない。
 しかるに用材は樹種によって用途に特質をもち,したがつて価値も相違する。数量的にみて伐採量の多いのは,スギ4割、マツ3割、残りの3割をヒノキ、ヒバ・ツガ・モミ.・ブナが占める。

全5ページ

[1] [2] [3] [4] [5]

[ 前のページ | 次のページ ]


.

過去の記事一覧

標準グループ

私は言いたい
私は言いたい
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事