サブやんの気まぐれ調査研究

日本の里山は崩壊します。守るのは私たちです。行政主導の時代は終わり新たな取り組みが求められています。

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改正廃棄物処理法

〔要約〕

香川県豊島(てしま)の産業廃棄物の不法投棄に端を発し,不法投棄の後始末をどうするかなど産業廃棄物を巡る紛争は,厚生省の調べでは,昭和62(1987)年〜平成8(1996)年までで,合計235件に上っている。これらの産業廃棄物の最終処分場の逼迫,不適正処理,不法投棄等の問題が紛争の原因であることを踏まえ,産業廃棄物の適正処理を確保するため,さらに廃棄物の減量化・リサイクルを推進するとともに施設の信頼性・安全性の向上・不法投棄対策等を講ずる。



〔解説〕

この改正は,第114回の通常国会に提案され,平成9(1997)年6月10日可決,16日に公布された。施行は,三段階に分かれている。

1)公布の日から6月を超えたい範囲内において政令で定める日

改正内容の1,4,6,8

2)公布の日から1年を超えない範囲内において政令で定める日

2.3.5の2)の(2),7の1)の(2),7の2),7の3)

3)公布の日から1年6月を超えたい範囲内において政令で定める日

5(5の2)の(2〕を除く),7の1)の(1〕



〔改正の内容〕

1.廃棄物の減量および再生利用に関する事項

1)都道府県知事ぼ,その事業活動に伴い多量の産業廃棄物を生ずる事業者に対し,産業廃棄物の減量および再生利用に関する計画を作成するよう指示することができる。

2)廃棄物の再生利用にかかわる規制緩和

(1)厚生省令で定める廃棄物の再生利用を行い,または行おうとする者は,生活環境の保全上の支障のない場合は,省令で定める基準に適合しているなど厚生大臣の認定を受けることができる。

(2)(1)の認定を受けた老については,都道府県知事の許可を受けないで,当該認定にかかわる廃棄物処理施設を設置することができる。ただし,廃棄物処理基準等の規定については,これを適用するものとする。



2.廃棄物処理施設の設置に関する事項

1)廃棄物処理施設の設置許可中請者は,設置に関する計画,維持管理に関する計画のほか,当該施設の設置が周辺地域の生活環境に及ぼす影響について調査した結果を記載した書類を添付する。

2)都道府県知事は,政令で定める廃棄物処理施設の設置許可申請があった場合,設置場所等の告示と申請書等を1月間公衆の縦覧に供する。

3)都道府県知事は,2)の告示をしたとき生活環境の保全上から関係市町村長の意見を聞かなければならない。当該施設の設置に関して利害関係を有する者は,縦覧期間満了後2週間以内に生活環境上の見地から意見書を提出できる。

4)生活環境上設置,維持管理に関する計画に許可要件を追加できる。

5)都道府県知事は,2)の設置を許可する場合において,あらかじめ設置,維持管理の計画が周辺地域の生活環境の保全に適正な配慮の有無について,省令で定める事項について専門的知識を有する者の意見を聞かなければならない。

6)都道府県知事は,許可に付した条件に違反しているときは取消できる。

7)市町村の設置にかかわる一般廃棄物の処理施設の届出については,その設置に利害関係を有する者に生活環境の保全上の見地からの意見書を提出する機会を付与するとともに,周辺環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付する。3.廃棄物処理施設の維持管理に関する事項

1)'廃棄物処理施設の設置老は,技術上の基準と申請書の維持管理F関する計画に従い,当該施設の維持管理をしなければならない。

2)2の2)廃棄物処理施設の設置者は,当該施設の維持管理に関し省令で定める事項について記録し,当該維持管理に関し生活環境の保全上利害関係を有する者の求めに応じ閲覧させる。

3)維持管理積立金

(1)特定最終処分場(省令で定める最終処分場をいう)の設置者は,その埋立処分の終了後の維持管理を適正に行うため,埋立処分の終了まで省令で定める基準に従って算定し通知する額を環境事業団に積み立てる。

(2)特定最終処分場の設置者は,埋立処分の終了後維持管理を行う場合等は,維持管理積立金を取り戻すことができる。

(3)都道府県知事は,特定最終処分場の設置者が維持管理積立をしたい場合許可の取消などができる。

4)最終処分場の設置老は,あらかじめ当該最終処分場の状況が技術上の基準に適合していることに都道府県知事の確認を受けたときに限り・最終処分場を廃止できる。



4.廃棄物処理業者に関する事項

1)処理業の許可要件とLて,暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反した者等を追加し,法人の役員の範囲をいかなる名称にもかかわらず取締役等と同等以上の支配力を有していると認められる者を含むこととした。

2)廃棄物処理業者は,自己の名義をもって,他人に廃棄物処理の業を行わせてはならない。



5.産業廃棄物管理票制度に関する事項

1)産業廃棄物管理票制度の適用拡大

(1〕特別管理産業廃棄物管理票制度の適用範囲をすべての産業廃棄物に拡大。

(2〕産業廃棄物管理票の交付者は,委託した産業廃棄物の処理が終了したことを管理票の写しより確認し,省令で定める期間保存する。

2)電子情報処理組織の使用

(1)事業者は,産業廃棄物の委託処理を産業廃棄物管理票に代えて,電子情報処理組織を使用して,委託業務が終了した旨の報告を求めることができる。

12)厚生大臣は,(1)の業務が適正かつ確実に行うことができると認められる民法第34条の法人を全国1個に限り,情報処理セソターとして指定できる。



6.罰則の強化

7.生活環境の保全上の支障の除去等に関する事項

1)措置命令の対象の拡大

(1〕廃棄物処理基準に適合しない処分により生活環境の保全上の支障が生ずる場合において,都道府県知事および市町村長がその支障の除去等のため必要な措置を命ずることができる者として,当該処分を行った者に管理票の交付をしなかった者等を追加した。

(2)措置命令を行う際には,省令で定める事項を記載した命令書とする。

2)生活環境の保全上の支障の除去等の措置

(1)都道府県知事および市町村長は,次のいずれかに該当すると認められるときは,自らその支障の除去等の措置の全部または,一部を講ずることができる。イに該当するときは,期限を定めて当該除去等の措置を講ずべき旨等を公告する。

ア (1)の命令をうけた処分老者が,期限までにその命令にかかわる措置を講じないとき,講じても十分でないときまたは講ずる見込みがたいとき。

イ 過失がなくて支障の除去等の措置を命ずるべき処分者等を確知することができないとき。

(2)都道府県知事および市町村長は,(1)の措置を講じたときは,当該措置に要する費用について,当該処分者等に負担させることができるものとする。



3)産業廃棄物適正処理セソター

(1)厚生大臣は,事業者による産業廃棄物の適正処理の確保を図るための自主的な活動を推進することを目的として設立された民法第34条の法人を,全国を通じて1個に限り,産業廃棄物適正処理セソター(以下「適正処理セソター」という。)として指定できる。

(2)適正処理セソターは,2)の支障の除去等の措置を講ずる都道府県等に対する産業廃棄物の撤去等の実施,資金の出捐その他の協力等の業務を行うこと。

(3)適正処理セソターに(2)の業務に関する基金を設けることとし,厚生大臣は基金への出捐について,事業者に対し,必要な協力を求めるように努める。

(4〕都道府県知事は,2)の支障の除去等の措置を講じようとするときは,適正処理セソターに対し,当該措置の実施に協力を求めることができる。

8.情報交換の促進等に関する事項

国は,都道府県知事が行う産業廃棄物にかかわる事務が円滑に実施されるように,国と都道府県および都道府県相互間の情報交換を促進するとともに,当該事務の実施の状況に応じて必要な措置を講ずることに努める。



最終処分場について 参考資料〔フリー百科事典「ウィキペデイア」〕

廃棄物の最終処分とは、廃棄物の減容化、安定化、無機化、無害化を行うことであり、最終処分場では安定化の達成を主要な目的とする。これを助けるために行われるのが焼却を主体とする中間処理である。

安定化とは「環境中にあってそれ以上変化せず、影響を与えなくなった状態」等と定義される。しかし、これを人間社会の尺度内で実現することは往々にして困難または不可能である。そこで「掘り返すなどの人為的な行為を行わない限り、見かけ上安定している」状態を技術的に達成し、最終的な安定を待つことが考えられた。

実際の最終処分場は、大きく3種に分かれる。

1)安定化に長期間を要す有害廃棄物を封ずるための遮断型処分場

2)既に安定しているか、または埋立後すぐ安定する無害な廃棄物を片づけるための安定型処分場

3)どちらにも該当せず埋立終了後も維持管理を要する管理型処分場

ただし、実際にはこの区分が曖昧なまま運営されているケースが少なくないため、安定型処分場であっても水質汚濁の原因となる場合が見られる。




●封じ込め型埋立地 (Containment landfill)

欧米で主流だった方式で、改良型衛生埋立に加えて雨水を遮断し、内部を乾燥気味に保つことで浸出水の発生を抑制し、その処理コストを削減できる。しかし、水分不足により生物分解が進まず、安定化に数百年を要す欠点がある。



設置から廃止 [編集]

処分場は基本的に、廃棄物処理計画の中で埋立処分計画を策定し、必要な条件を備えた用地の選定を行う。選定作業では埋立処分する予定の廃棄物の種類に応じた水文地質調査と、自然環境・生活環境に与える影響(被害)を量るアセスメントを実施する。

住民の同意が得られ候補地が決まったら、設計・建設に入る。完成後は運営を開始し、モニタリングと残余容量の測定を毎年実施する。やがて満杯になったら最終覆土により埋立終了・閉鎖となる。



最終覆土の施工例

安定型以外の処分場では、閉鎖後も浸出水の処理や埋立ガスの測定、モニタリングを続行する。浸出水や埋立ガスと自然環境の差が無視できる様になったら、記録を整備して処分場は廃止され、管理も終了する。

廃止後は(廃止前でも可能な場合は管理しながら)跡地利用を行う。ただし、埋立地内部が完全に安定化しているわけではなく、最終覆土の施工は慎重に行わなければならない。または、計画・設計の段階から再利用に備える事が望ましいとされる。安定型処分場は廃止後まもなく、管理型では10年程度で跡地利用が開始または検討されるが、遮断型では跡地利用は行われない。これは、将来無害化技術が開発されるまでの一時保管所としての位置づけによる。

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的確に日本森林状況を伝える本 わが国林業のゆくえ〔(「新国有林論 森林環境問題を問う」黒木三郎氏・野口俊邦氏他著)〕



《外材輸入》

日本が世界的規模での森林破壊、なかんずく、東南アジアのそれに大きな責任を負っていることは以上みてきたことから明らかであるが、それでは、こうした外国での略奪的木材採取および輸入とのかかわりで、国内森林・林業はどのような状況におかれているのであろうか。

わが国が外材輸入に大きく遣を開くのは、日本経済が日米安保条約と「国際分業論」を錦の御旗に開放体制に突入する一九六〇年代以降のことである。

それ以前は、戦後復興資材としての木材を国内森林から調達し、他方で、戦時強制伐採下で広大に伐採跡地として放置されていた森林の緑化、薪炭林から人工造林地への積極的転換=拡大造林の推進がはかられ、日本林業ならびに森林の明るい展望が切り拓かれるかのごとき時代を迎えていた。木材自給率も九割近くを保持していたのである。

しかし、六〇年代以降の状況は一変した。外材の大量輸入と国内林業の縮小再生産=「構造改善」である。(図略)が、六〇年代以降今日までの日本林業の推移を端的に示している。

《国産材》

すなわち、高度成長下の増大する木材需要はもっぱら外材によってまかなわれ、国産材(用材)供給量は、一九六七年の五三〇〇万立方メートルをピークに、以降は減少の一途をたどっていった。この結果、用材自給率は六九年に五割を切り、九〇年には二六・四%にまで低下した。

人工造林も六一年の四二万ヘクタールをピーク(最大のピークは五四年の四三万ヘクタール)に、以後減少しつづけ、九〇年には六万六〇〇〇ヘクタールにまで落ちこんだ。

《木材輸入》

増大する木材輸入の担い手となったのは、高度成長期に「ラーメンからミサイル」までを取り扱うまでに成長した総合商社である。木材輸入量がピークにたっした一九七三年の実績でみれば、安宅産業、日商岩井、丸紅、三井物産、三菱商事、住友商事など十大商社の総木材輸入量に占める割合は六六・四%、南洋材だけをとっても六五・六%と圧倒的なシェアを占めた。

総合商社が短期間に外材輸入を独占し、国産材時代を終焉に導いたのは、港湾整備緊急措置法、港湾整備促進法の制定と、一九六一年からの第一次港湾整備五カ年計画などによって、防波堤、航路、泊地、停留ブイ、水面整一理場の拡充、工業(木工)団地の造成等を大規模な国家投資によって実現する一方、「商社金融」によって木材流通機構を国産材中心から外材中心へと従属・再編しえたからである。(詳しくは、村嶌由直『木材産業の経済学』、日本林業調査全、一九八七年、参照)。

《外材体制の構築に呼応》

また、一九六四年に成立した林業基本法は、日本林業の総生産の増大と生産性の向上を二大目標とし、そのために国内林業の「構造改善」を推進することを政策課題としたが、実態的にみれば、総生産の増大は外材輸入に置換され、「安い外材」に見合ったかたちでの国内林業の「構造改善」、すなわち、中小零細の林家、素材生産業者などの切り捨てと森林組合を中心とした中核的林業事業体の育成とそこへの施業の集中、「合理化」がめざされ、外材体制の構築に呼応していったのである。

《生態系破壊・森林破壊》

これらの結果、民有林における零細農林家造林の後退、保育・問伐の遅れに基因する森林の劣弱化、松くい虫、すぎたまばえなど、森林病害虫被害の増大、国有林における大面積皆伐とスギ、ヒノキなどの単純一斉人工造林による生態系破壊・森林破壊が広汎に顕在化した。

《乱開発、森林破壊》

さらに、一九六九年の新全総、七二年の日本列島改造計画は、「過剰」資本を農山村の観光開発、土地投機等に向かわせ、農林業的利用が不採算化し後退しつつあった林野、なかんずく共有林野(部落有林野、財産区有林野など)は不動産、観光資本などに囲い込まれ、乱開発、森林破壊の犠牲となっていった。

この農民的、地元的利用から資本の手に移った林野面積は、六〇年代後半から七〇年代初頭までに全国で約一五〇万ヘクタール(全四国に匹敵)にもおよんだのである一橋本玲子「山村進出資本の動向」林業構造研究全編『日本経済と林業.山村問題』東京大学出版会、一九七八年、所収参照)。

当然のことながら、国有林を中心とする大面積皆伐や観光資本などによる大規模林野開発に対しては、自然保護団体をはじめ国民諸階層から広範な批判、反対運動がわきおこり、林野行政の転換が強く求められた。

《森林の乱開発》

七〇年代前半は、高度成長から低成長への日本経済の転換期でもあり、木材需要の急減(一九七三年一億一九〇〇万立方メートルから七五年には九八OO万立方メートルヘ一八%減)、開発投資の減退も重なって、こうした森林の乱開発はいちおう終息することになったのである。

しかし、低成長期、なかんずく一九八○年代に入ると、あらたな森林の劣弱化、破壊がいちだんと加速され、大規模化してきている。

それは、

第一に、国家財政の赤字をタテにした農林業予算の縮減、外国農林産物依存体制のいっそうの強化、さらには地域における教育、医療、福祉あるいは文化の切り崩しのなかで、農山村の過疎化はいちだんとすすみ(人口の社会減から自然減への移行にともなう「第二の過疎化」)、森林の守り手の不在化と手入れ不足が顕著になっていること、

第二に、一九八五年のG5(先進五カ国蔵相・中央銀行総裁会議)による円高・ドル安への誘導、八六年四月の「前川レポート」にそった経済構造調整政策と内需拡大、民間活力の活用、そして、八七年の四全総と総合保養地域整備法(リゾート法)の策定、成立にともなう国策としてのリゾート開発などが強行され、林野が格好の開発対象とされていること、

第三に、林野行政もこれに呼応しつつ、「天然林施業」と称する手抜き施業の推進、保安林制度の骨抜き(九〇年五月「森林の保健機能の増進に関する特別措置法」の施行)、国有林における林野の切り売り、ヒューマン・グリーン・プラン(森林空問総合利用事業)によるリゾート開発への奉仕などが推進されていること、に起因するものである。

これらの結果、日本林業の現状は、以下のような局面にたたされている。

(1)

戦後、鴬々と造林されてきた人工林約一〇〇〇万ヘクタールは、今日多くが間伐期を迎えている。緊急に間伐されなければ健全な森林の育成が困難とされる人工林面積は、年間四〇〜五〇万ヘクタールにたっする。しかし、実際間伐されたのは三〇万ヘクタール前後(九〇年は二八万ヘクタール)で、間伐された木材の四七%は未利用のまま林内に放置されている。手入れ不足と資源の無駄使いとが同時的に進行しているのである。

(2)

林業の担い手に関しては、林業就業者数の減少、老齢化、後継者不足がいちじるしい。林業就業者数は、この一〇年間で八万人減少してわずかに一一万人にすぎず、うち五〇歳以上が七万人(六四%)で三五歳未満は皆無である。林家についても、九〇年時点で林産物の販売があった一ヘクタール以上山林所有の林家はわずかに四〜五%で、一戸平均の自己山林への労働投下量(五〜五〇〇ヘクタール所有林家)は八一〜九〇年に五三・一人日から三一・八人日に四〇%も減少している。

(3)

国有林にあっても、経営悪化が進行し、累積債務は一九七八年〜九一年度の間に二二〇〇億円から二兆四〇〇〇億円に膨れあがり、自己収入に占める林産物収入の割合は同期間に八八%から六三%に低下している。

雇用人員も七八年度の六万五〇〇〇人から九二年度の二万八000人へ、さらに九三年度末には二万人へ削減する計画が強行されている。

(4)

他方で、リゾート法にもとづく大規模開発二地域(六万ヘクタール以上)の基本構想が承認された地域だけでも全国二〇道府県、総面積四五〇万ヘクタール、これに認可をまっている基礎調査提出済み地域までふくめると六三〇万ヘクタールにもたっし、その多くを林野が占めている。農林業の不採算化と将来展望の喪失のなかで、林野の農民的農林業的利用から「民活」(大資本)による環境破壊的リゾート開発への転換が進行しているのである。



このように、日本林業の衰退と森林破壊が進むなか、わが国林政は、旧未の政策転換をはかリ林業振興をはかる方向にではなく、ますます旧来路線に固執し、むしろその再編強化を急いでいる。

九〇年代林政を決定的に方向づけしている林政審答申(一九九〇年一二月)と、その具体化である森林法改正(九一年四月)および国有林野事業改善特別措置法の改正(九一年七月)などにその特徴をみることができる。

森林法改正の最大の目玉は、「流域管理システム」をめざした森林計画制度の改正である。すなわち、旧来の国有林・民有林別々の森林計画樹立を、流域を単位として官・民一体となった計画樹立へと転換させている点である。ここでのねらいは明らかであって、国有林野事業の直営直用路線に幕を引き、民間林業事業体(森林組合等)に安上リに下請けさせるとともに、財政「赤字」のツケを民有林予算にまで負わせようとする「官民一体」でしかないということである。



以上のように、六〇年代からはじまったわが国の外材依存体制は、熱帯雨林をはじめ海外の森林資源を食い潰す一方で、国内林業をも衰退へと導き、森林資源の破壊を強めてきている。したがって、地球的な環境問題に貢献する意味からも、国内林業の振興と健全な森林の育成は、緊急な国民的課題だといわなければならない。

富士北麓の開発とスバルラインについて
『富士山麓史』富士山麓のあゆみ・富士山北麓開発史より引用(1976年)

観光と自然破壊道路が整備され,ホテルや遊園地をはじめさまざまな観光施設が設けられ、レジャーブームの波にのって観光客がふえればふえるほど、山が汚れ,五湖が汚濁するという心配が出てくる。

<富士山の美化>

明治の末頃、一夏に2万人の道者たちが登って、山には紙くず一つもなかったといわれた富士山は,やがて昭和38年頃には、空き缶の間に山はだが見える、と椰楡されるほどの汚れを露呈していた。
新宿から直通の電車が山麓に乗入れ、バスが土ふまずに観光客を五合目まで運んでくれるとなれば、これから先き、富士山が空缶や紙くずの散乱に汚れをひどくすることを誰しも案じないわけにいかなかった。
山梨県・県教委・県観光連盟.山梨日日新聞・山梨放送などの提唱になる「富士山をきれいにする運動」が展開されるようになったのは昭和37年からで、毎年6月1目から8月31目までを実施期間とし、富士山の美化・清掃・植樹運動をおこなっている。運動は静岡・神奈川両県から他の都県にも及び,自衛隊・各学校・婦人会・青年団や諾団体が参加、46年までの10年間に1200団体16万人が清掃に参加して、800トンのごみを処理したという。

<富士山有料道路(富士スバルライン)沿線樹木の枯れ死>

ところで、北麓地域の開発拠点として観光の振興をはかる目的で建設され、まさに観光開発に基本的役割を果している富士山有料道路(富士スバルライン)が、交通量の増加にともなって、沿道の富士山原生林の公害間題でとり沙汰されるようになったのが40年代中頃になってからのことであった。観光道路としてドル箱と宣伝されたこの道路は、一方では富士山の自然である原生林の一部を枯れ死させるという問題を起こすのである。
もともとこの富士スバルライン開通直後に、沿線のツガ・シラベ・オオシラビソなどの樹木数千本が枯れはじめたが、それは道路建設の際、山はだを開削した土砂をそのまま沿線に捨てたため、木の幹がかなり上部まで埋ったのが原因といわれた。
しかし、その後の沿線の樹木の枯死は、年々交通量を増加させていた自動車の排気ガスに起因するものであった。

<レンゲツツジの盗難>

中にはまた次のような例さえある。旧吉田口登山道の大石茶屋附近にあるレンゲツツジの群落は天然記念物に指定され、30年頃までは数万本ともいわれて観光客の目を楽しませていたが、ハイカーのいたずらや、植木ブームにのって根ごと盗んでいく悪質な業者によって、群落は荒らされる一方となり,このままでは指定解除のおそれさえあるといわれたのが46年頃のことであった。

<富士山周辺の観光公害>

間題はもちろん富士山のみではなかった。かつて五湖観光地といっても河口・山中両湖などごく一部に限られていたのが、道路や観光諸施設の新設によって、岳麓一帯に観光地が拡大されたことが、いわゆる'観光公害"のまきちらしをクローズアップさせることになった。

<富士五湖水質汚濁>

富士五湖の水質について,本格的な測定がはじめられたのは昭和45年からである。観光ブrムにのって観光客の来訪が急速に増加し,また生活の近代化や宿泊施設の増加、あるいはその規模?拡大に起因して、五湖への汚水の流入が目立つようになるとともに、湖水の汚染が進んで、清浄次昔目の姿は失われつつあった。
そしてこのまま放置すれば,汚濁はさらに進行して魚類の生育に支障をきたすのみならず、水資源としての確保も困難になり、やがて観光資源としての価値の低下も必至であった。
この年、県は公害防止の見地から水質汚濁の科学的究明にとりくみ、調査の結果、湖水の汚濁は生活排水の流入が主要原因であることが明らかにされた。
すなわち,人為的汚濁原因がほとんど生活排水に限られ、そのかなりの部分が観光客によって発生する汚濁負荷とされていた。
翌46年6月施行の水質汚濁防止法にもとづいて、県は五湖の水算の現状を把握し今後の対策のための資料とするため採取分析をおこなった。山中・河口両湖は,その湖畔が五湖中で最も定住人口・観光客数ともに多いために汚濁が進み、悪化した水質となっているので、湖畔に存在する旅館・ホテル・寮その他民家の排水に対しては、きびしい扇制を必要とする段階にきているとされた。これに次ぐ精進湖も同様な対策が望まれ、本栖湖と西湖は軽度な汚濁にとどまってはいるが、これ以上の汚濁の進行を防止する予防策が必要である。云々

(略)
富士山北麓地域は中央・東名両高速道路に囲まれ,この高速道路が該地域の開発と深い関係にあることはいうまでもない。また域内交通手段のほとんどが自動車輸送に依存することと、近年のモータリゼーションの発達によって、中央道を基軸とした道路網や平通施設の整備がこの地域の基盤整備のうち最も重要なこととされている。観光と自然破壊道路が整備され,ホテルや遊園地をはじめさまざまな観光施設が設けられ,レジャーブームの波にのって観光客がふえればふえるほど,山が汚れ,五湖が汚濁するという心配が出てくる。

明治の末頃,一夏に2万人の道者たちが登っても,山には紙くず一つもなかったといわやゆれた當士山は,やがて昭和38年頃には「空き缶の間に山はだが見える」と揶揄されるほどの汚れを露呈していた。云々

<富士スバルライン利用状況>
昭和39年 317、563台
昭和40年 293、115台
昭和41年 298、937台
昭和42年 386、708台
昭和43年 433、945台

<スバルライン建設の概要>

(略)40年代のいちじるしい経済成長にともなう国民所得の向年車靹台数上と余暇の増大によって,本格的在大衆観光化の時代を迎え、観光事業も点から線へといっルートつくりの必要性が叫ばれるとともに、観光施設の整備も一層進められることになった。(『富士北麓開発基本計画』34頁)
北麓において,民間資本によるスポーツやレクリエーションを加味した観光施設がつくられたのもこの時期に集中する。観光の大衆化が一方で各観光地をつなぐ「立体観光」をおしすすめるとともに,一般観光客の趣中に対応して,四季を間わず彼らを誘致するための施設の強化が必要になっていたのである。

山梨県の直営事業としで本格的な観光遣路の建設は、36年9月着工した富士山有料遣路(富士スバルライン)であった。これは、「富士山頂へ下駄ばきで」という夢を実現しようとする富士山モグラケーブル計画に結ばれる県営第1号の有料道路で、東京オリンピックに間に合わせるため工費17億円と3年の歳月を費やして、昭和39年4月1目開通したものであった。
河口湖町船津を起点として五合目に至る全長2万9,520メートルのこの道路は、当時県営有料道路としては全国にも例をみないスケールであった。
この年、富士山と五湖は前年比146パーセントの552万5,000人の観光客を数えているが、人気をよんだ富士山スバルラインは、富士山に129方8,100人(うち富土山頂へ12万人)と前年の3.3倍の客を集めた。これから後、吉田口登山遣に登山者はほとんど見られなくなった。云々

 <御坂トンネル>

地方はもちろん山梨県の産業経済に画期的な影響をあたえるものといわれた。この間、中央自動車道の開通を控え、岳麓地方の開発計画に関連して国道137号線富士吉田・甲府線の御坂薩道開襲計画が進められていた。
元来この国道は御坂峠を中心に急勾配・屈曲が多かったので、御坂峠に隆遣を新設して中央白動車道に直結させ、甲府盆地と岳麓地帯とを結ぶ一大動脈路線として、産業振興と観光開発に寄与させようというものであった。全長3,875メートル,うちトンネル部分2,778メートノレ,県営二番目の有料道路で,40年2月着工し、工費23億7,900万円を投じて中央自動車道に先んじて42年4月7目開通した。御坂トンネル有料道路とよんでいる。

<河口湖大橋(現在は無料)>

次いで翌43年11月着工した河口湖大橋は、県営三番目の有料道路で、46年4月19目開通式をあげた。工費18億5,000万円を要し、河口湖町河口の産屋ケ崎から対岸の船津まで全長1,620メートル、うち橋の部分は500メートルである。五湖観光の中心地である河口湖周辺の自動車交通は増加の一途をたどり、加えて中央白動車道の開通によってさらに激増することが予想されていた。
停滞交通の効果的な処理ルートとして計画されたのが,この河口湖の横断架橋であり、中央自動車道・富士スバルラインそして主要国道の相互間を円滑に連絡し、周辺交通網を強化することをねらいとし、さらに河口湖に白然美と人工美とを調和させた新たな景観をそえるものといわれていた。
スバルラインの入口に県立富士ビジターセンターが開設されたのも同じ4月であった。これは富士北麓を訪れる観光客に'自然や景観についての科学的知識を普及するとともに、観光地の利用方法などの利便を提供しようとするための施設であった。云々

林野関係事業は全て見直しを 内容の詳細検討を
 
仕分け作業も進んでいるが、林野庁関係の予算は本来ならゼロ査定でもよい。事業が必要なところへいかず、事業を進めれば進めるほど山地林地を破壊し、しかも厳命の二酸化炭素削減は間伐事業も、皆伐採事業もその事業の荒さや残材木材の放置量の拡大で、逆に増加している。山林資源は商売で有効な部分のみが流通し、そのほかは山地に積み上げられる。林道工事や護壁工事なども切り取った土砂や岩樹木は全て山地に放置され惨めな姿を晒している。山地のダム工事なども河床工事のみが多く、護岸工事は立ち遅れ、土砂流失が進みすでに飽和状態となってダムの機能は失われて、災害時には被害拡大が心配される。また大型機械作業で切り刻まれた山地はすでに土砂流失が拡大している。
 また植え過ぎたヒノキ。スギ。唐松などは流通の道は険しい中で、いまだに植林を続ける行為はすでに国家林政の態を成していない。流通は木材の循環であり回転である。伐採時や間伐時にはそこから出るすべてを資源化することが求められ、それができないうち事業を進める現状は、将来への見通しを持たない行き当たりばったりの施策の連続で、今度の仕分け作業などまったく生温い。
 林野庁は一回解体して出直さないと、日本森林や山地は立ち直れない。今回政府は「森林・林業再生本部」を設置することになった。まことに結構なことである。林野庁の一線引いた第三者機関により日本森林の実態・林野庁事業を徹底調査すれば、如何に行政による森林が崩壊・荒廃が進んでいるか理解できる。期待したい。
 
参考資料

事業仕分け後半戦開始 森林整備5事業の内訳 (「日刊木材新聞」2009・11・26記事)
〔森林整備5事業を廃止〕

事業名称金額(単位:1O00万円)
集約化等困難森林緊急整備專業 240
間伐作業道公的整備モデル事業 450
低コスト造林促進特別対策事業 100
集約化等経営支援対策事業   145
持続的林業経営確立対策事業   64
合計 999

政府の行政刷新会議
議長(鳩山由紀夫首相)は24日、事業仕分けを再開し、後半の4日間で計約200事業を判定する作業に入った。同日午後からは、農林水産省の林野庁関連である森林整備を支援する5事業(99億円)について廃止、森林境界明確化の森林整備地域活動支援交付金(54億円)も予算計上見送り、と判定された。
森林整備を支援する5事業(別表参照、99億9000万円)について、なぜモデル事業なのか(公共事業で実施できないのか)、09年度補正予算に森林整備加速化・林業再生事業として3年計画で計上されており重複するのではないか、森林所有者が事業を実行するためのインセンティブが不明等の理由から、縮減3、見送り4、廃止5で、廃止と判定された。
続いて、森林の境堺を明確化して間伐を促進する森林整備地域活動支援交付金(54億3700万円)は、基金残高が地方自治体に98億円(08年度末)もあることから、予算要求をしなくとも事業を実行できるのではないかという理由で、縮減5、見送り4、廃止3で、見送りと判定された。
また森林整備事業判定中に鳩山首相が見学に訪れるなどした。

〔森林・林業再生本部の設置を検討〕菅副総理

菅直人副総理兼国家戦略担当相は24日、閣議後の記者会見で、鳩山由紀夫首相を本部長とする「森林・林業再生本部」の設置を検討していることを明らかにした。

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