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参考資料
地下水 ㈱循環資源研究所 寄本勝美氏編集 村田徳治氏著 ぎょうせい(一部加筆)
地下水汲み上げと地盤沈下
地下水の過剰な揚水が続くと、地下水の涵養が問に合わず、帯水層である砂層は収縮するがこの収縮は短時間で終わる。しかし、粘土層は水の移動が非常に遅いため、徐々に収縮して行く。粘土層には多量の水が含まれているので、砂層に比べて粘土層の収縮量の方がずっと大きい。地層全体の収縮は粘土層によって決まる。地層の収縮は長期間にわたって進行する。地層の収縮、これが地盤沈下である。地盤沈下区域の分布は、沖積低地とその周辺の洪積台地が中心になっている。これらの地層は、地下水の利用上有効な帯水層(砂疎層)と、収縮しやすい粘土層が存在していることに加えて、これらの地域が水陸の交通の使に恵まれて、昔から各種の産業や人目が集中し、地下水の利用が盛んであったことが原因になっている。
日本における地盤沈下の歴史は古く、1910年代から注目され始めていた。代表的な地域における地盤沈下の経年変化を図4(略)に示す。1988年までに、地盤沈下が認められた主な地域は図5(略)に示すとおり、47都道府県のうち36都道府県61地区に及んでいる。ここ数年の全国的な地盤沈下の状況は、一応鎮静化の傾向がみられたが、一部の地域では依然として激しい地盤沈下が続いている。
1988年度において最も激しい地盤沈下量が観測された地域は、佐賀県筑後・佐賀平野等で、5・6cmである。
次いで埼玉県関東平野北部地域の5・4cmで、地盤沈下地域の拡大がみられた。このほかに年間4m以上の著しい地盤沈下が認められた地域は、茨城県関東平野、千葉県九十九里平野および青森県八戸市である。
かつて激しい地盤沈下を示した東京都区部、大阪市、名古屋市等の地下水揚水規制を実施した都市部は、地盤沈下の進行は鈍化あるいはほとんど停止している。
長年継続した地盤沈下により、多くの地域で建造物・治水施設・港湾施設・農地および農業用施設等に被害が生じており、ゼロメートル地域では洪水・高潮・津波等による甚大な災害の危険性のある地域も少なくない。
高田平野等の積雪地域の地盤沈下は、消雪用に地下水を汲み上げることに原因がある。このように地盤沈下は地下水の過剰な揚水が主な原因である。
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2011年03月26日
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被圧地下水
地下水 ㈱循環資源研究所 寄本勝美氏編集 村田徳治氏著 ぎょうせい(一部加筆)
自由地下水層の下部に存在する難透水層のさらにその下にある洪積層中には、透水性のよい妙理からなる帯水層が
何層も存在している場合が多い。第二層以下の帯水層や第三紀層中の帯水層は、上部も下部も透水性の悪い粘土質の
難透水層で遮断されている。河川上流の川床や地層に、この帯水層が地表にあらわれている妙理からなる露頭がある。この露頭から浸透した水が低いところまで流下してくるため、この地下水には圧力がかかり、また、難透水層と難透水層とに挟まれている帯水層は、真上に重なっている水を含んだ重い地層に押し付けられているので、圧力がかかっている。そのため地上から孔を掘り抜くと、その孔を通って地下水が地下10〜20mぐらいのところまで上昇してくるので、それをポンプで揚水して利用している。圧力が高い場合には、地上にまで自噴することがあり、これを掘り抜き井戸という。このような地下水を自由地下水に対して、被圧地下水という。当然、第五層・第六層など深いところの帯水層ほど圧力は高い。日本の洪積層では、ほぼ300〜400mの厚さで七〜八層まで、彼圧地下水を含んでいることが判明している。
透水性の良好な連続性のある帯水層の水質は一般に良質であるが、透水性が悪く連続していない帯水層の水質は鉄
分などが多く、水質が悪い場合が多い。海に近い地域では、塩水の地下水が存在する場合がある。
一番浅い堀り抜き井戸でも、その深さは30m以上あるのが普通で、近年、井戸側管には塩化ビニール管が使われているが、古いものは竹箆が使われていた。狭い地域に多数の掘り抜き井戸が掘られると、自噴量が次第に減少し、ついには自噴しなくなってしまう。また、水量が豊富ということで大量に水を使う工場が進出し、動力削井により、大規模な井戸を掘り、ポンプを用いて大量の水を揚水するため、水圧が低下し自噴しなくなってしまった掘り抜き井戸が各地にみられる。このようなことを放置しておけば、日水中の現在自噴している掘り抜き井戸も、消失することになろう。
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自由地下水とその利用
地下水 ㈱循環資源研究所 寄本勝美氏編集 村田徳治氏著 ぎょうせい(一部加筆)
沖積層、台地を形成している洪積層、丘陵をつくっている第三紀層等の地下の浅いところには、天水が直接浸透したり、川の水が浸透した地下水が存在している。地下に浸透した天水は、重力によって次第に深部へと降下し、通常、地下10〜20mに存在する難透水層の上にたまる。地表から一番浅いところに存在する泥・粘土・粘土質砂煙層等からなる難透水層の上部に砂・砂煙等からなる透水層が存在し、その透水層に貯留されている地下水を自由地下水あるいは不圧地下水と呼んでいる。自由地下水は、天水の供給によってその水量が変化するため、地下水の水面(地下水面)も上下する。また、難透水層には、不規則な凹凸があり、そのため難透水層の起伏により地下水面も変化する。地下水面が3〜4m程度の関東ローム層では、30mm以上連続して雨が降らないと、地下浸透して地下水として貯留されないといわれている。
人類は浅井戸を振り、この第一難透水層上の自由地下水を古くから利用しており、現在でも家庭で使用している井戸水のほとんどは、自由地下水である。上水道水源や工場用に自由地下水を利用する場合には、直径3m以上のコンクリート枠を沈下させてつくった浅井戸が用いられており、川のほとりや特殊な地下水脈を利用する場合には、一つの井戸で日量1000〜3000㎥程度の地下水を汲み揚げることができる。これらの浅井戸は手振りで、井底から水が湧き出す。
大量に自由地下水を揚水するために、コンクリート製井筒の側壁から、細孔が多数穿孔されている細いパイプをタコの足のようにつきだして、井底のみでなく、周辺から広く集水する井戸がつくられている。この井戸は、我が国の地下水工学の権威であった清水本之助博士が、戦前、水の乏しい満州(現、中国東北部)で大量取水できる浅井戸として開発したもので、満州井戸と呼ばれている。この満州井戸は自由地下水を取水するため、地盤沈下を引き起さないということで、四日市市の上水道水源の一つである河原田水源池、山形県東根市の上水道水源、その後神奈川県座間市・東京都三鷹市などに建設された。
満州井戸は、図2に示すように帯水砂理層の中に沈下させた鉄筋コンクリート製井筒(内径5〜6m・深さ10〜20m)の壁面から多孔集水鋼管(長さ10〜20m)を帯水妙理層中に水平放射状に突出した構造をしている。多孔集水鋼管の突出により井戸の直径を25〜35mの超大型井戸に拡大したと同じ効果があり、帯水地層に配置した多数の多孔集水鋼管によって地下水の流入速度を微速に保持することができ、周辺の帯水地層の圧密を防ぐことができる。このため井戸の宿命的欠陥ともいえる井戸損失水頭の発生を防止できる。
また、わずかな水位降下高(2〜4m)で、日量1万〜3万もの大量取水ができる。
ヨーロッパでは、ライン川をはじめとする河川の水を利用するためにバンク・フィルトレーションという自由地下水利用技術が採用されている。図3に示すように河川の近くに浅井戸を掘り、川床から浸透してくる水を揚水する方法である。ライン川における地下水利用は、河川から浸透してくる地下水を揚水し、凝集沈澱・急速濾過・活性炭吸着・緩速濾過した水を再び地下に浸透させ、それを再び揚水して塩素滅菌した後、上水道として給水する。この方法は土中の微生物による有機物の分解や土による無機物の吸着による水質浄化をするものである。
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地下水の利点と利用の現状
地下水 ㈱循環資源研究所 寄本勝美氏編集 村田徳治氏著 ぎょうせい(一部加筆)
地下水には次にあげるような数々の利点があるため、広く利用されている。
① 水利権もなく自分の土地で良質の水が自由に安易に得られ、井戸を掘る費用とポンプなどの付帯施設だけで、水道料よりも安 価に使用できる。
② 河川水のように渇水期がなく、年間を通して豊富に取水できる。
② 河川水等に比較して水質が良好であり、消毒等の簡易処理によって簡易水道の水源等に用いることができる。
表1に示すように、工業用水の三〇%・生活用水の二四%が地下水によりまかなわれている。人口五〇万人以上で水道水源を一〇〇%地下水に依存しているという熊本市のような国内唯一の珍しい都市もある。
表1 我が国の地下水利用状況(単位 億・/年)
工業用
上水道用
農業用
その他(建築物用等)
合計
1、工業用は昭和62年通商産業宵「エ業統計表」(昭和62年調査)により操業|]数300目として算出。
2、上水道は昭和62年度厚生省「水道統計要覧」(昭和62年度調査)により算出(十.水道事業および水道供給事業の合計)。
3.農業川分水利用量は昭和49年時点における農地整備状況からの試算値。農業用地下水は昭和53年農水省「農業用地ド水の利用実態」(49年度実績量の調査)による。
4.建築物用等は環境庁「地ド水揚水量等実態調査」(昭和46〜63年度)、地方公共団体による実態調査等により実態の判明した地下水利用量である。
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地下水と地盤沈下
地下水 ㈱循環資源研究所 寄本勝美氏編集 村田徳治氏著 ぎょうせい(一部加筆)
はじめに
地下水は、年間を通じて水温の変化が小さいため、夏冷たく、冬暖かく感じられ、そのまま飲むことができる良質な水として、上水道が普及する以前は生活用水の主流を占めていた。温度が低いということで、地下水は冷却水として現在でも工業で大量に使用され、これが地盤沈下の原因になっている。また、冬期には外気温より暖かいということで、新幹線や道路の融雪にも使われている。
高度経済成長期に、用本多使用型の産業は、水利権もなく、安価に良質の水が得られる地下水を、無秩序に多量に揚水した結果、地盤沈下や地下水の塩水化を引き起こした。
地下水の人為的汚染は、古くから各地で起きていたものと予想されるが、汚染が比較的小地域に留まっていたため、大きな社仝問題になることはなかった。昔は病原菌やウィルスに汚染された地下水を飲んで、伝染病に感染するというのがその主たるものであり、化学物質等による汚染で人体被害を生じたのは、近代工業が発達してからのことである。
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