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日本の原子力発電は大丈夫か? 世界を震憾させたチェルノブイリ原発事故
参考資料世界をめぐる放射能汚染 1、世界を震憾させたチェルノブイリ原発事故
(『地球環境が危ない』増田善信氏著
発行者 山本功氏 新日本出版社発行1990:4:20)
一九八六年四月二十六日午前一時過ぎ(現地時間)、ソ連のチェルノブイリ原子力発電所が事故をおこして放射能を全世界にまき散らした。これより七年前の一九七九年三月には、アメリカのスリーマイル島の原発が、炉心の45%がメルトダウン(炉心溶融)するという大事故をおこしている。このときにも、
「技術的見地からはおこることは考えられない事故」
と定義されている「仮想事故」の10倍以上の多量な放射能が環境に放出され、大きな社会問題になっていたので、「仮想事故」の数百倍もの放射能を放出したチェルノブイリの事故によって、原発事故の恐ろしさが、あらためて思い知らされた。
一九八六年八月十四日、ソ連は国際原子力機関(IAEA)に、この事故に関する報告書を提出した。それによると、事故は、チェルノブイリ原発四号炉で、外部電源が喪失した場合に、タービンの惰力回転から非常用の電源を得ることを目的とした実験を実施中におこった。
運転員のミスにより、核分裂を制御できない状態、すなわち核暴走事故がおこったとされている。事故のおこったのは四月二十六日一時二三分四四秒で、平常出力の100倍にも達する出力の急上昇がおこり、その結果燃料棒が瞬間的に溶け、冷却水と接触して、水蒸気爆発がおこったものと考えられている。つづいて二〜三秒後に再度爆発がおこった。これは水蒸気爆発か水素爆発かは明らかでない。
この二回の爆発の結果、大量の黒鉛が燃えて飛び散り、燃料のプルトニウムが吹き飛ばされた。燃えて飛び散った黒鉛によって、約30ヵ所で同時に火災が発生し、おもに四号炉の床、タービン建屋の屋根および隣接する三号炉の屋根に燃え広がったという。駆けつけた消防隊の決死の消火作業で、火は午前五時頃鎮火したが、炉心からは大量の放射能が放出しつづけた。
炉心の温度を下げて放射能の放出を減らすために、軍用ヘリコプターにより、ホウ素、ドロマイト、秒、粘土、鉛など総計5000トンの物資が破壊された原子炉に投下された。その結果五月六日になってやっと放射能の放出が激減した。図37(省略)はこの間の放射能の放出量を示したもので、横幅に事故後の経過日数をとり、縦軸に放出放射能をメガキユリー(100万キュリ)の単位でとったものである。
この値は五月六日に換算したものである。原子炉の中にはいろいろの半減期をもった核種が存在しているので、それぞれの日の放出量は正確には求められない。ソ逓の報告書にリスト・アップされている放射性核種に関する限り、それが図37(省略)のパターンで毎日放出されたと仮定すると、放出放射能の総量は1億3600万キュリーになる。したがって、1億数千万キュリーから二倍数千万キュリーに達していたと考えられている(安斎育郎『がん当たりくじの話』、有斐閣、一九八八年、40ページ)。参考のために、表9(省略)に過去の原発事故時の放出放射能の比較が示してある。過去最大の事故時の放出量と比較すると、希ガスで20〜60倍、ョウ素131で600〜800倍、セシウム137で1000倍、ストロンチウム90で五万倍以上となっている。いかにチェルノブイリ原発事故が深刻な事故であったかがわかるであろう。
チェルノブイリ事故では、203名が入院し、そのうち29名が死亡した。そのほか事故当日現場で重傷のやけどで死亡した1名、助け出すことができなくて、原子炉とともに埋め込まれる結果となった1名を含めて31名が死亡した。すべてが、初期消火に駆けつけた消防隊員であった。また入院者の全員が急性放射線症であった。
今回の事故では、原子炉内に蓄積されていた放射能の約3,5%が環境に放出され、そのうち38%が周辺30キロメートルの地帯に沈着し、残りのおよそ0,58%の放射能がヨーロッパ各国あるいは日本にまでばらまかれたものと推定されている。もちろん一様ではなく、場所によって著しく濃度に差があったが、発電所周辺では全体で一億キュリー近い放射能に汚染されたので、発電所から半径約30キロメートルの範囲内に住む住民回2万5000人が避難させられた。これらの住民は平均45レムの被曝をし、今後長期にわたって監視が必要であるといわれている。
しかも事故後三年近くも経つというのに、ソ連・白ロシア共和国政府はチェルノブイリ原発で汚染された20の村の住民を新たに疎開させる方針を決めたと報じられている(「赤旗」一九八九年三月二十五日付)。また週刊紙「モスクワ・ニュース」はチェルノブイリから50キロ離れたウクライナ共和国の村で、形状の変わった家畜が生まれ、甲状腺異常の子供が急増していると伝えている。イズラエル国家気象委員会議長の「チェルノブイリ=過去と未来への予測」という論文によると、食料への放射能汚染など環境問題を引きおこしている地域は、20万平方キロメートル、じつに日本の面積の半分以上に相当する地域におよんでおり、これらの地域に住む住民の大多数は平均5・3レムの放射能をあびたという。
しかし、これさえ評価が過小ではないかという疑問がある。「日刊ANPプレスニュース」一九八九年十一月八日号の「大きなウソ」というチェルノブイリ事故をめぐる「モスクワ・ニュース」紙の座談会で、ソ逓最高会議代議員で作家のユーリー・シチェルバクは、「全ソ原発研究所の推定によれば、放出量はなんと64億キュリーとされている」と述べ、さらに「サイエンス誌の評価によると、セシウムだけをとっても、これまでに大気圏内で行われたすべての核爆発の60%にあたる量がばらまかれた」と語っている。もしこれが事実ならば、公表された値よりさらに一桁大きい値の放射性物質が放出されていたことになる。この座談会では、チェルノブイリから64キロメートル離れたウクライナ共和国ナロジチ地区では、場所によって1平方キロメートル当たり100キュリーを超える汚染があったことも述べられている。チェルノブイリは、まさに史上最悪の原発事故であったのである。
(注)
レム(rem) 放射線の線量当量の単位。線量当量とは、人間の被曝の程度を放射線の種類で重みをつけた総和で表したもの。700レムで人間は100%死ぬ。最近はシーベルト(SV)という単位が使われる。1シーベルトは100レムである。
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山梨県の環境放射能の状況について飲用水測定 甲府
降下物放射能測定 甲府
日常生活と放射線
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/17/1303577_6_2.pdf
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山梨県放射能物質降下記事(一部加筆)
降下物からセシウム検出甲府 (山梨日日新聞記事 平成23年3月23日)
山梨県は22日、県衛生環境研究所(甲府市富士見1丁目)で採取したちりや雨などの降下物から「セシウム137」を検出した、と発表した。降下物からセシウ一ムを検出するのは初めて。放射性ヨウ素も3日ぶりに検出した。ヨウ素の検出量を1平方メートル分摂取した場合の被ばく量に換算すると、1時間当たり3・8マイクルシーベルトに相当する計測値。県は「いずれも健康への影響はない」としている。
降下物は22日午前9時までの24時間に採取し、1平方キロ当たりで「セシウム137」は400メガベクレル、「ヨウ素131」は4400メガベクレルを計測した。降下物に含まれる放射性物質の基準値の定めはない。
ともに核燃料のウランが核分裂した後に生じる放射性物質で、自然界には存在しないことから、県大気水質保全課は 「福島第1原発の事故の影響と思われる」としている。
ヨウ素は前回の初検出時,(15〜19日の採取)の計測値が175メカベクレルだった。21〜22日は採取した時間帯の断続的な降雨の影響で、通常より高い数値が出やすい環境だったという。
文部科学省による定時降下物の調査結果によると、21〜22日は東京都でセシウムが同5300メカベグレル、ヨウ素が同3万2千メカベグレル計測された。
放射線量は県衛生環境研のモニタリングポストで測定した22日の結果だと、1時間当たり最大でO・06マイクロシーベルトと過去の測定値の範囲内で推移。21日に採取した水道水の調査ではヨウ素、セシウムとも検出しなかった。
一方、21日午後5時から22貝午後5時までに観測された各地の最大放射線量は、
【20〜21日の毎時】
神奈川がO・083マイクロシーベルトからO・113マイクロシーベルトに上昇。
埼玉はO・129マイクロシーベルト、
東京はO・142マイクロシーベルト、
群馬はO・119マイクロシーベルトに上がった。
茨城はO・394マイクロシーベルトだった。
胸部エックス線の集団検診を1回受けた際の放射線量はイクロシーベルト
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