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日本木材事情(所業伐採と補助金の流れ)
最近周囲の里山森林が次々となくなっていきます。
これは商業伐採といって建築・土木・建設それにベニヤなどの原木が外国から入りにくくなり、これまでコストのうえから見向きもされなかった里山に業者の目が向いてきたからです。日本は木材の需要も多く、その消費量も大きい。このまま何も策を講じないと5年〜10年で、これといった里山は丸裸になります。信じられない話ですが、こうした行為を取り締まるべき林野庁なども一緒になって進めています。官民が一体となって私たちの周囲の山林を皆伐加担していて収拾策はないのです。
山梨県は自然と水と人がすべて基本です。今それが大きく崩れはじめているのに、誰も警鐘を鳴らしません。それどころかさらに山野を重機が蹂躙し、その跡地に植林を善意の行為として国民に求めています。
大量の伐採地に植えた桧が30年〜50年を経て生長する約束はどこにもありません。私も植林地を調査しますが、植えた半分はすでに用材にはなりません。湿地帯の桧などは製材してから、木目の線上に割れが出て、最初からチップかペレット用木材にしかなりません。でも国策の強みで勉強出来ない人たちが考えて、唐松を植え、杉を植え、そして桧を植えさせ日本列島に暗い森を造ろうとしているのです。
ではなぜこのような事態が起きてしまったのでしょうか。
これまで日本は外国から大量の木材を仕入れて大量に消費してきました。世界中から日本へ向けて輸入されたのです。そして日本木材は氷河期に入り、国もすることがなくなり途方もない借金地獄へ陥ってしまいました。木材が売れない。売れないから手入れもしない。赤字は国ばかりでありません。大きな山林を所有している林業家や周囲の森林作業で生計をたっていた人々その職を離れ、山も手放し、私たちのような製材屋も年毎に減少して、昭和40年ころに比べ、10分の1くらいになり、将来的には50くらいになってしまいます。
この間も林野庁などは他人事のような論と施策を繰り返していました。私も「林業白書」を読みますが、現実離れして、難解で数字の綾取りのようなこの「白書」は大学でも出て机の上だけ「机上林業」の高学歴の人でないとけっして理解できない代物です。考えて見れば凡人のわかり難く著すのが「白書」なのかも知れません。林業界では自然淘汰などの言葉も現れてきたくらいです。でも林野庁には多くの帰属する組織や団体それに業者があります。現在の指名作業に見られように品を変え名を変えて、こうした方々にその多くの国費が流れています。「森を守る」のではなく「森で作業する特定の人々を守る」ことが林野庁の大きな役目と流れになってきています。したがって地方でひそかに山を守っている私たちのような立場のものには関係のないこととなっています。
本来なら地道に山を守り活かしている人々に使うべき国費も、まったく関係ない補助金林業に媚をうる人々に流れ続けています。
多額な補助金と県費までつぎ込んだ、中央拠点や集成材工場それに県民から遊離した○○研究所や○○の森などその存在も知らないものも多くなっています。こうした中で、これから山梨県の林政はどこに行くのでしょうか。一度責任者にお話を聞きたいと思います。
過去においては、私たち先進国の人間が使う紙や木材の消費が増えるにつれて、その材料となる途上国の森林はどんどん切られていきました。日本の場合、40年くらい前までは木材の輸入は少なかったのですが、今では消費木材の75%(1990年データ)を輸入しています。
これは日本に木がないからではありません。コスト(経費)の問題なのです。日本は世界有数の森林保有国であるにもかかわらず、コストが高いために国内の森林を使いませんでした。反面だから皮肉なことに日本の森林は守られてきたのです。途上国では人件費や物価が相当安いため、日本は木材をただ同然で大量に輸入し使い捨てていたのです。現在、森林国日本は世界最大の森林破壊国になってしまいました。
そして将来この商業伐採が大きな国難になります。政治もどうでもよいような論を繰り返さずに、しっかりと将来を見据えた林政が求められています。
1960年代にはフィリピンの森はなくなり、70年代にはインドネシアなどの森が切りつくされました。マレーシアでもどんどん森林が消失しています、そして今日本が。
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