サブやんの気まぐれ調査研究

日本の里山は崩壊します。守るのは私たちです。行政主導の時代は終わり新たな取り組みが求められています。

北杜市内の文化財

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貧乏人は木を育てろ
「太陽」昭和41年発行 42年新年号掲載記事 平沢正夫氏著
( 日本一金になる山)

昨年の9月,富士五湖の一つ,西湧のほとりの足和田村根場部落は,台風26号で大被害をうけた。山津波で地相が一変したため,部落の人びとは,南湖の対岸にのがれて,新たに村づくりをはじめた。そのとき,立地条件のいちばんよい土地が人手にわたっていることを,あらためておもい知らされなければならなかった。
そこは,すでに,相模観光(相模鉄道の傍系会社)が37ヘクタールにわたって,土地を支配していた。この土地は県有地であって,足和田村の村民が入会権をもっていた。県が土地を売ったとき,村民たちには,I戸あたり4万円の金がころげこんできた。それとひきかえに,数百年来の入会権を手ばなしたのである。
43年の3月には,中央高速道路が東京・世田谷区から河口湖まで完成する。冨士の北麓も,南麓同様に,東京から車で1時間の圏内にはいってしまう。それを見こして,観光業者や不動産業者がぞくぞく,五湖周辺に進出してきた。
北麓の約半分,2万2千ヘクタールは恩賜県有林である。根場の人びとがそうであったように,地元の住民は,この県有林に入会権をもち,採草や植林をして生計にあてている。業者が土地を県から買ったり借りたりして,ゴルフ場,遊園地,分譲地などをつくる場合,入会権の始末をつける必要がある。つまり,観光開発がすすむにつれ,入会権はせばめられていく----。入会権は,じゃまもの扱いすらもされかねない。
去る38年6月,天野知事は県会で
「地元民の入会権をみとめない」
と,いう意味の発言をしたことがある。その2年ほどまえ,北富士演習場の入会権を主張するため,ときの防衛庁長富・藤枝泉介氏に陳情したのとおなじ人の言葉とは信じられないほどだった。時の流れが大きく変ったのである。山梨県は,38年3月に『富士北麓開発基本方針』を作成した。開発の重点は,工場,住宅,都市計画,交通,観光の面におかれ,農林業については,ほんの3ぺ一ジ,いちばんうしろに申しわけ程度にしかふれていない。近代化咀のかけ声のもと,農民たちは発展の方向からとりのこされていく。
彼らは,知事の発言に怒って,ムシロ旗をかかげて県庁を包囲した。この実力行使は功を奏して,
「私の任期中は,入会の憤行を守る」
と,知事に言わせることができた。
しかし,それも束の間,38年6月ごろ,知事は,土地利用審議会(会長・名取忠彦氏=山梨申央銀行頭取)をつくり,財界人,林野庁・財務局の役人などを委員にして・恩賜県有林を開発のために転用するときの入会権補償の方法や基準をきめようとした。
地元民の代表が一人もいない審議会の出した答申案は,ヒドイものだった。さすがに当局も,その内容を公式に発表できなかった。一例をあげると,3.3平方メートルあたり50円(年額)で土地を貸せば,1ヘクタールで15万円だ。入会住民への補債はたつたの2,000円。
「植林からえる平均収入を基礎にした計算です。こんなことでいいのだろうか。開発によって,よそのものはよくなっていく。それに対し,地元民は,木を育てるだけの原始生活で満足しろという考えではないか」
「富士吉田市外二ヶ村恩賜県有財産保護組合」の渡辺時雄氏(総務課長)は,観光その他の開発計画が,「地元不在」,であることを指摘するのだ。
富士山麓には,もう一つ問題がある。米軍演習場だ。現在は,米軍漬習場とは名ばかりで,もっぱら自衛隊がつかっている。ここも入会地なのだが,米軍は,家主である県当局や入会住民には無断で,自衛隊にまた貸しをしたかっこうで,事態・を複雑にしている。恩賜林麺合が防衛施設庁と,このまた貸しの問題で話しあい,入会権の補償でまとまりかけたとき,恩賜林の所有者である県がソッポをむいて,すべてをぶちこわしたこともあつた。
「ここで話がまとまると,入会権カ契約で確定されてしまう。それは,とんごの県の開発'にとって,プラスにならないとおもったのでしょう」
渡辺氏の意見の当否はともかくとしても,地元と県当局のあいだには,かなり深いミゾがある。
「演習林の補償額にしても,静岡は20年間で100億円もらっているが,山梨は20億円です。足並みが乱れているからだ」
山梨県人は,カボチャいりの「おほうと」(手打うどんの1種)をよく食べる。米がたりないからだ。貧乏県への補償のほうがはるかに少ない----悲しい現実である。
入会権を解体した県有地は,3.3平方メートルあたり50円前後で,業者に貸しつけられる。富士急・富士観光開発などの会社は,それを宅地に造成して,施設費その他の名目で,4〜5,OOO円の値をつけて,客にわたしている。
富士山は,たしかに,カネになる山だ。しかし,それは,1部の人びとのためという気がしてならない。

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