サブやんの気まぐれ調査研究

日本の里山は崩壊します。守るのは私たちです。行政主導の時代は終わり新たな取り組みが求められています。

山口素堂の知識

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素堂講座  素堂と芭蕉 (その1)
 二人で築いた俳諧世界「みのむしを中心に」

  貞享 4年(1687)

 芭蕉『鹿島詣』 秋八月、曾良・宗波と常陸鹿島の月見に行く。「鹿島詣」八月二十五日『鹿島詣』成る。

洛の貞室須磨の浦にの月見に行てまつかげや月は三五夜中納言と云けん狂夫のむかしもなつかしきまゝに、此秋鹿島の山の月見んと思ひ立事あり。
ともなふ人ふたり、浪客の士ひとり、ひとりは水雲の僧。僧は烏のごとくなる墨のころもに、三衣の袋をえりにうちかけ、出山の尊像をづしにあがめ入テうしろに背負、杖ひきならして、無門の関もさハるものなく、あめつちに独歩していでぬ。いまひとりは、僧にもあらず、鳥鼠の間に名をかうぶりの、とりなきしまにもわたりぬべく、門よりふねにのりて、行徳といふところにいたる。
ふねをあがれば、馬にものらず、ほそはぎのとからをためさんと、徒歩よりぞゆく。甲斐のくによりある人の得させたる、檜もてつくれる笠を、おのくいたゞきよそひて、やはたといふ里をすぐれば、かまがいの原といふ所、ひろき野あり。秦甸の一千里とかや、めもはるかにみわたさるゝ。つくば山むかふに高く、二峯ならびたてり。
かのもろこしに双剣のミねありときこえしは、廬山の一隅也。ゆきは不申先むらさきのつくばかなと詠しは、我門人嵐雪が句也。すべてこの山ハ、やまとだけの尊の言葉つたえて、   連哥する人のはじめにも名付たり。和歌なくバあるべからず。句なくばすぐべからず。まことに愛すべき山のすがたなりけらし。萩は錦を地にしけらんやうんにて、ためなかゞ長櫃に折入て、ミやこのつとにもたせけるも、風流にくからず。きちかう・をみなえし・かるかや ・尾花ミだれあひて、さをしかのつまこひわたる、いとあハれ也。野の駒、ところえがほにむれありく、またあはれなり。日既に暮かゝるほどに、利根川のほとり、ふさといふ所につく。
此川にて鮭の網代といふものをたくみて、武江の市にひさぐもの有。よひのほど、其漁家に入てやすらふ。よるのやどなまぐさし。月くまなくはれけるまゝに夜舟さしくだして鹿島にいたる。ひるより雨しきりにふりて、月見るべくもあらず。ふもとに、根本寺のさきの和尚、今は世をのがれて、此所におはしけるといふを聞て、尋入てふしぬ。すこぶる人をして深省を発せしむと吟じけむ。しばらく清浄の心をうるににたり。あかつきのそら、いさゝかはれけるを、和尚起し驚シ侍れば、人々起出ぬ。月のひかり、雨の音、たゞあハれなるけしきのミむねにみちて、いふべきことの葉もなし。
 はるばると月ミにきたるかひなきこそほゐなきわざなれ。かの何がしの女すら、郭公の哥、得よまでかへりわづらひしも、我ためにはよき荷担の人ならむかし。 和尚
 おりおりにかはらぬ空の月かげもちゞのながめは雲のまにまにまに

月はやし梢は雨を持ながら  桃青
寺に寐てまこと顔なる月見哉   同
雨に寝て竹起かへるつきミかな  ソラ
月さびし堂の軒端の雨しづく  宗波

  神前
此松の実ばへせし代や神の秋  桃青
ねぐはゞや石のおましの苔の露  宗ハ
膝折ルやかしこまり鳴鹿の声  ソラ

  田家
かりかけし田づらのつるや里の秋  桃青
夜田かりに我やとはれん里の月  宗波
賤の子やいねすりかけて月をミる  桃青
いもの葉や月待里の焼ばたけ  タウセイ

  野
もゝひきや一花摺の萩ごろも  ソラ
はなの秋草に喰あく野馬哉  同
萩原や一よはやどせ山のいぬ  桃青

  帰路自準に宿ス
塒せよわらほす宿の友すゞめ  主人
 あきをこめたるくねの指杉  客
月見んと汐引のぼる船とめて  ソラ  

 貞享丁卯仲秋末五日

<ここから蓑虫の遣り取りが始まる>

 素堂、芭蕉「蓑虫」の遣り取り

芭蕉… 帰庵。
素堂… 秋、芭蕉の帰庵の月、素堂亭に招く。

  此月、予が園にともなひけるに、
  又竹の小枝にさがりけるを
みの虫にふたゝびあひぬ何の日ぞ    素堂

  しばらくして芭蕉の方より
  草の戸ぼそに住みわびて秋
  風のかなしげなる夕暮、
  友達のかたへ言ひ遣はし侍る
みの虫の音を聞きに来よ草の庵    芭蕉

素堂、「蓑虫説」

  子光編『素堂家集』
  はせを老人行脚かへりの頃
簑むしやおもひし程の庇より    

  この日予が園へともなひけるに
蓑虫の音ぞきこへぬ露の底  

  また竹の小枝にさがりけるを
みの虫にふたゝび逢ぬ何の日ぞ    

  しばらくして芭蕉の方より
みの虫の音を聞きに来よ草の庵  

素堂 これに答え『蓑虫説』を草す。

嵐雪… 「蓑虫を聞きに行く辞」を綴り、一句を送る。
 何も音もなし稲うち喰うて螽哉

芭蕉『蓑虫説』跋を書す。

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