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写真は間伐材をコンクリート壁面に金具で装着、数年後には腐り崩落が始まる。この間伐材の貼り付けの持つ防災価値観をじっくり林野庁に聞いてみたい。
林野事業は的確な仕分けをすれば何が必要で何が残るのか。
民主党政権の混迷振りは目に余るものがあるが、政府の仕分け作業について各方面から多くの意見や訴えが起きている。これは当然のことで、これまで莫大な借金を使うことに慣らされてきた政治社会風土にも大きな責任がある。無い金を無理やり事業を創り使い続ける官庁の施策も大きな岐路に立っている。
私たち林野関係でも、これまで全く無意味な方向性を誤り、しかも将来性の林政展開を放置してきた責任は重い。最近林道や林野ダムなどを見るとまったく意味のない事業や、将来大きな改修作業が求められる事業など、どういう考えに基づくのか理解できない。ダムの壁面に大量に貼り付けられ、今にも落下しそうな間伐木材使用などがその最たるものであろう。
皆伐採事業に見る、自然界や山野の崩壊破壊などは、今後の日本森林事業への大きな警鐘と成り得る。また数十年続いてきた伐り棄て間伐などは山野にゴミ溜めをつくり続ける行為などとても国策ではない。
予算縮小の中で、無駄や将来多くの予算を必要とする事業は見直すべきで、自ら事業仕分けする時期に来ている。国費を最大限効果を生むようにするには、現在の林野庁から離れたところで考えるべきで、森林破壊を繰り返してきた林野庁には最早そうした力も失っているし、期待するほうが無理である。需要の少なくなる中で、今後の森林対策は全て洗いなおす時期に来ている。今回の仕分け作業対象以外にも、結果的に森林破壊につながる事業も多い。林道工事など現在の仕様では、本来の目的は達成できない。
今回の仕分け作業を非難するのではなく、これまでの粗雑な事業や、国民の安心安全を阻害する無駄な事業はすべて廃止してもよい。これまでの事業で何が生まれ何が失われてきているか、冷静に的確に判断し、来年度以降に備えることが肝要である。
参考資料(「日刊木材新聞」平成21年12月4日の記事)
林野関連7事業240億円が廃止・見送り 政府・行政刷新会儀の事業仕分け なぜ重複・継続なのかを指摘
政府・行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)の事業仕分け作業が、11月27日終了した。11日から延べ9日間、3週間にわたって国民の目を引き付けた仕分け劇場が幕を閉じた。その緒果、見直し・廃止・削減の削減額は約7000憶円、基金の国庫返納は1兆円、合計で1兆7000億円の財源捻出効果を見込む。
林野庁関連では、7事業240億円が対象となり、6事業が廃止、1事業が予算計上見送りとされた。
仕分け作業を取材して仕分け人がいたことて説明時間が非常に短い感じがしたが、仕分け人に対して予傭説明が実施されたり、詳細な資料が事前に配られているために、(傍聰人にも会場で無料配布)、仕分け人が事業内容そものを把握しょうとすれば、可能と思われる。しかし例外的な質問をする仕分け人もいたことも事実だった。
仕分仕分け作業の趣旨は201O年度予算の概算要求から無駄遣いを洗い出すこと。仕分け対象447事業中、要求どおり・見直さずとされたのが14事業しかなかったことが、この事実を示している。
つまり、最初から、見送り、削減、廃止ありきだったのだろう。
一例を掲げると、別表郊、財務省が提出した論点等説明シートに掲載された、10年度要求の森林・林業・木材産業づくり交付金(138億円)と09年度2補正予第で実施される森林整備加速化・林業再生事業(1238億円)との比較表。対応する事業と金額が並べられている。加えて、06年度からの森林・林業・木材産業づくり交付金のモデル事業の変遷についての一覧表も同じページに掲載されている。
財務省の論点としては、既存事業(加速化・再生事業)と実質的に重複しており、「09年度補正では、3年間で国費1238億円にものぼる森林整傭加速化・林業再生事業を創設。このような状況下で、例年度並みの財政措置を行う必要性があるのか」という。
森林整備関係のモデル事業における論点では、
「通常、森林整備のような公共事業として行うべき事業を、06年度から様々な形で定額助成のモデル事業として実施し、モデル事業を行うこと(森林所有者の負担をなくすことなど)自己目的化しているのではないか。事業内容の精査・メニューの重点化を行い、より波及効果の高い事業を行うべきではないか」
と手厳しい。
仕分け人は当然、この論点から攻め込む。質聞は「なぜ」を連発し、庁側が詳細説明すると、「簡潔に」「必要な回答だけで」と遮られる。そして時間が過き、評価シートが回され、記入・集計・評決となった。
10年度の森林・林業交付金で廃止と判定されたのは、間伐作業道・集約化(74億円)、林業機械導入(12億円)、製材チップエ場設備・木質パイオマスの導入(25億円〕、木造公共施設整備(3億円)、特用林産設備(8億円)、低コスト造林(10億円)などで、川下対策の廃止は、業界にとって影響は大きいと言わざるを得ない。正直なところ、もう少し時間をかけて、突っ込んだ議論をして欲しかった。(「日刊木材新聞」平成21年12月4日の記事より)
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