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山梨県森林事情平成21年度調査報告〔総括シリーズその1〕
本年も押し迫り、林道は閉鎖になり、関係者以外には入れない。その閉鎖扉の向こう側では、鹿が群れをなしてそれこそ何でもかんでも樹木を選ばず食している。人や車が進入しないとそこは彼らの楽天地となる。しかしこの鹿の内臓を見ると、そこには悲しいもので、食べた樹皮がまるで編んだように丸い塊になって束になって消化されていない。
こうした鹿を「固体」と称して農家や林家の被害削減と頭数制限のために射殺して、中には食べる。一方では足が傷ついた鹿を必死に治療して山野に帰す努力をする人たちもいる。
最近の林業は「行き当たりばったり」の業施の取り組みが目立ち数十年から数百年単位の森林木材産業には馴染まない。木材不況を自ら起しておきながら、必要外の植林・伐採・間伐事業の積み重ねは深刻な地域環境を提起している。暦年積み重ねた富士山や観光地・国立公園内の放置木材は山梨県全域を覆っていて、これも二酸化炭素放出源としてこれも将来大きな山梨県負債となり、山岳への集中豪雨時には災害を増幅する要因となる。
最近は事業の目的と実施以後の山地のアンバランスが目立ち、まるで中近東の戦場のような場所もある。また地域でも難題の赤松虫害拡大を防ぐ目的で、大幅な森林伐採やリニア新幹線の建設に伴もない多くの成長樹木や里山は失われ、農地果樹木も消失、また大型店舗で失われた自然環境は取り戻せない。
よく山梨県の行政関係や関係法人なども「緑が豊か」「水が豊富」などの言葉を羅列するが、その裏面で行政が自然破壊を繰り返している現状を指摘し是正しょうとする動きは補助金行使団体以外には少ない。何でも補助金神頼み山梨県は各事柄の実地検分や仕分け作業ができなく、森林情報なども五つ星マークだけを取り上げ、そうした森作りを常にしているような広報を行う。また補助金事業には口を出さずに従う、未だ大和朝廷に服従する8世紀ころの政治社会資質である意見を言えば村八分の体質は依然と残る。
林業などは、物が売れれば全て解決できる。良質の木材が高価で取引されれば人は手をかける。作業が乱雑では価値観も下がるので、必然的に作業も丁寧になり、山林所有者も森に入る。林野庁の使命はそこにある。国有林も国民から離し、自己利益のために存在管理した。売れなくなれば、入り口の植林を繰り返し、その結果売れないのでは、余りにも無責任である。「緑のオーナー制度」の破綻など、計画時点で国内木材事情が悪化して、外材需要が急速増していく反面、国有林などの需要は遠のいていった。その時のこの制度は最初から国民の懐を狙った国策であることは、資金を集めた後にどれだけ高価販売のための資金と作業をしてきたのであろうか。森林は間伐しれば良材になるような教化を実施、枝打ちを忘れた森林増加は決して良材とはならない。林政は森林を仕立て、需要拡大をすることで、それができれば日本中何処でも森林浴や国民が癒される森ができる。また所有者、作業者とも交流が自然にできる。森作りは現在のように、必要も無い伐採や植林事業のために山地を蹂躙したり伐採事業を繰り返していたのでは、長い期間で展開する森林事業には馴染めない。現在実施している森林事業も結果は数十年後、数百年後、地球が続くかぎり連綿と繋がるもので、逆に言えば現在の森林事業が将来どうなるのか、しっかり見据えた事業が求められるのである。
国もまったく必要のない、逆効果も見られる新事業は見直し、林野庁以外でしっかりした検証と指針を出すべき時期に来ている。
また事業消化のための、林道・索道建設も本来の目的から離れたものも多く、その都度改修が求められ、出荷木材は価格低迷時には山地につみ置き放置となる。森林を壊しての林道建設など山地崩壊の大きな要因で、これは山梨県の細かい閉鎖林道がそれを如実にしめしている。
森林育成管理は補助金の対象とならず、あってもそれは事業体の資金となる。しかしこれが最も大切なのに国はここは見てみない振りをする。植林して鹿に襲われ、土質もかまわず植えた樹木は真っ赤に紅葉して短い命を閉じるものが多い。
屋外間伐使用事業も、研究開発や暦年の調査研究のないまま実施、何の必要も無い箇所への多用は数年後腐蝕滑落離脱となり、新たな環境問題を引き起こす。環境破壊といえば、赤松虫害処理投棄木材の拡散がある。これは虫害の防止策としては許されても環境汚染の観点からはこれも大きな社会問題になる。最近では薬剤処理をせずに伐採放置が多くなっているが、これでさえ地球温暖化や行政大量粗大ゴミ放棄ともいえる問題で、明野処分場へ持ち込んだどうかと。山野に山とある危険物放棄もみんな明野処分場へ持ち込むようになるかも知れない。しかしこうしたことは地域が納得する筈も無い。
ゴミ処理場の問題より、資源利用・資源開発・再生資源活用----最終処分場がセットの施策が求められ、山梨県のように最終処分場のみを論じるようでは、情けない。一方で山地放置木材などそのまま資源化できるのもので、二酸化炭素をつくる課程をできるだけ少なく方向性に反して、加工燃料を促進する。森林事業が単発で連動しない林政の悪癖を示している。大型機械導入も仕事量では最良でも自然保護や観点を変えれば考えることが多い。来年度以降も引き続き山梨県の林政に注目していきたい。来年は海外調査もある。広い視野で地球規模の森林状況も伝えたい。
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