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地球温暖化を食い止める(2) 森林と木材の役割 (日刊木材新聞 平成20年5月31日記事)
地球温暖化を食い止める(2)
森林と木材の役割 (日刊木材新聞 平成20年5月31日記事)
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告は地球温暖化ガスの急激な増加がもたらす地球上の様々な災厄について強い警告を発した。この報告を受け、IPCC活動に加わる日本の科学者グループも国民に対し、緊急メッセージを発した。(急激な地球温暖化により)「地球上の各地の生態系は、こうした急激な変化に順応することができず、死滅のリスクにさらされる生物種が増える、大規模な水不足、農業への打撃、感染症の増加、自然災害の激化など様々な悪影響が複合的に生じる恐れが強い.このような事態は人類生存の危機であり、そうした未来を子どもたちに残してはいけない」と訴える。
地球温暖化 人類生存の危機をもたらす
世界各地で発生している異常気象、例えば想定外の集中豪雨や大干ばつ、熱帯性低気圧の強度増加など.よく指摘されるのが北極海の海氷面積の減少や永久凍土の融解面積拡大だ。海面温度の上昇は単に生物環境に影響するにとどまらず、玉突き型で地球全体に影響を及ぼしている。私たちの身近でも、夏場における熱帯夜の増加などは明らかに温暖化がもたらす変化といえる。動植物の生態系も大きく変わっている。
世界の森林でも温暖化の影響と思われる問題が数多く指摘されている。前述した永久凍土の融解は北方森林に深刻な影響をもたらしているが、世界各地で林地地質の乾燥化が近年問題となっている。カナダBC州で大量発生しているロジポールバイン立木に対するMPB虫害も冬場の気温上昇が引き起こしたものといわれる。
森林でより深刻な問題は、熱帯地域を中心に森林の滅失に歯止めが掛からないことだ。農地や宅地への転換、伐採後の林地放棄などが森林滅失原因だが、多様な生態系の維持機能を有し、最大のC0₂吸収源である森林のそうした状況は地球温暖化をさらに加速させていく要因だ。
IPCCは「人類が化石燃料の消費によって毎年排出するCO₂の量は約70億炭素トンで、今後さらに増加すると予測されている。
異常気象は人為的現象 IPCCが緊急メッセージ
一方、自然界が1年間に吸収できるC0₂の量には限りがあり、人為的な排出量のうち約30億炭素トンにとどまると推定されている」と指摘、何としても低炭素社会への転換を急がねばならないとする。
地球温暖化対策で森林と木材製品が果たす役割は大きい.すべての伐採は森林破壊だとか、伐採そのものが気候変動に加担しているという間違ったメッセージはIPCCも否定している。むしろ適切に管理され循環生産が可能な森林を積極的に活用することでより多くのC0₂を吸収、固着することが重要で、そのためにも森林の健全化が必要だ。森林と木材製品のこうした重要な機能は、まだ正しく理解されていない。IPCCが強調する低炭素社会の実現において、鍵を握るのは木材である。
国民一人ひとりの力を結集
企業もブランドイメージに活用
内閣総理大臣がチームリーダーを務めるチーム・マイナス6%は、平成17年4月に閣議決定した京都議定書目標達成計画に基づき、小泉純一郎首相 (当時)を本部長とする内閣の地球温暖化対策推進本部の肝いりで始まった国民運動.約束した温室効果ガス6%削減の目標達成に向け一人ひとりの力を結集することを目的に活動している。
行動目標は、①冷房は28度に設定しよう(温度調節で減らそう)②蛇口はこまめにしめよう(水道の使い方で減らそう)③エコ製品を選んで買おう(商品の選び方で減らそう)④アイドリングをなくそう(自動車の使い方で減らそう)⑤過剰包装を断ろう(買い物とゴミで減らそう)⑥コンセントをこまめに抜こう(電気の使い方で減らそう)の6項目。だれもがすぐに取り組める身近な対策と個人であればホームページにアクセスするだけで登録できる簡便さが国民の参加意識を刺激し、登録数は220万人、2万団体を超えた。特に夏場の軽装を促す「クールピズ」やスーパーの袋を代用する「エコバッグ」の使用などの取り組みはチームの枠を超えて浸透している。
19年6月からは当時のチームリーダーである安倍晋三首相の「I人1日1キログラムのCO₂削減」の呼びかけに呼応し、身近な行動でどれだけ削減できるか宣言する「私のチャレンジ宣言」を開始。数十項目の対策のなかから日常生活でできると思う項目をネット上で選択すると1日にどれくらいの量のCO₂を削減できるか算出できるようにした。これには多くの協賛企業が応援キャンペーンを行っており、チャレンジ宣言カードを利用すると様々な特典が得られる。
住宅会社では三洋ホームズが戸建て住宅を購入した人に太陽光発電システム1キロワット分を無料で提供したほか、大和ハウス工業がホームページの応募フオームでカードを添付して申し込んだ人にエコバッグか「環境住宅読
本」を進呈.東急ホーム(現・東急ホームズ)も展示場でカードを提示した人にエコバッグを進呈するキャンペーンを行った。すでにチャレンジ宣言は60万人を突破し、今年度中にも100万人の達成が見込まれている。企業にも環境貢献はいまやブランド価値を高める重要な要件となっており、自社のマーケティングに絡めて応援キャンペーンを展開したり、登録すれば自由に使えるロゴマークを使って環境貢献をアピールしている。
参加企業が年1回行う活動報告もホームページに随時掲載されている。旭化成グループが家庭での電気、ガス、水道などの料金や使用量から1ヵ月間のCO₂排出量が計算できるエコ生活支援プログラム「Ecoゾウさんクラプ」をホームページ上で展開していることや、積水化学工業が03年度に設けた「環境配慮製品基準」を06年度には「環境貢献製品基準」に発展させ、自社だけの取り組みでなく、製品や事業を通じて広く外部への波及を図っていることなどが紹介されている。
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