新!サブやんの気まぐれ調査研究

サブやんの気まぐれ調査研究の続編です

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日本は林業の国(『森林教育の創造と実践』「日本人の森林文化」森林文化研究会編 平成4年刊)


 鳥取県智頭地方の山には,豊富なスギの天然林が存在していた。智頭町には,全国にも希なスギの精霊を祭った杉神社がある。日本後紀(841年)に智頭郡の記述があることから千代川の最上流部に位置するこの地方に古くから人々が定住しており,スギと深く関わっていた。
 日本各地の先進林業地の多くは,運材の便から河川の流域に発達し都市の形成に欠かせない建築資材や生活道具を供給してきた。
 スギは温暖多雨なわが国の風土に適した日本固有の樹種であるが,成長が早く幹がまっすぐに伸び,割り裂くことにより容易に坂や柱に加工できることから林業の代表樹種として苦から利用されてきた。
 ヒノキもまた同様にすぐれた用材樹種であり,スギよりもやや乾燥に強くまた幼時の光の要求度も少なくてよい。
 ほとんどの林業地でスギとヒノキを土地の条件に合わせて使い分けている。
わが国の代表的な林業地,主な特徴は次のとおりである。
○小国林業(熊本県)スギ
 肥沃で温暖多雨な自然にめぐまれ,隣接する日田林業,八女林業とともに九州のスギ林業を代表する林業地。
久万林業(愛媛県)スギ
 明治以降植林が行われていたが,特に昭和30年代に県,町・地元が協力し急成長した新興林業地。
○尾鷲林業(三重県・和歌山県)ヒノキ
 短伐期,良質のヒノキの小角柱材生産のため,早くから地域ぐるみで植栽から製材まで,密植,短伐期で労働多投型の体系的な生産を実行してきた。
○吉野林業(奈良県・三重県)スギ・ヒノ幸
 江戸中期からの有名林業地で,樽材の生産や端材を利用した割箸,ヒノキの曲げ加工などそれぞれの時代の生活用具を工夫生産した。
○北山林業(京都府)スギ
 スギの磨き丸太生産という極めて特殊な高収益集約林業であり,現在も比較的安定した経営が行われている。
○天竜林業(静岡県)スギ・ヒノキ
 この地方の人工造林の歴史は古く,15世紀後半に始まり,明治時代に東京へ出荷され名声を博した。
○秋田杉(秋田県)スギ
 秋田には特定の有名林業地というものはない。しかし,天然杉で知られる秋田県はまたスギの人工造林面積と蓄積においても日本一であり,「スギの王国」である。木曽ヒノキ,青森ヒバと並んで日本の三大美林のひとつにあげられている天然秋田
スギは現在では減少したが,秋田営林局では,二ツ井町の国有林内に「二鮒水沢スギ天然生林学術参考保護林」を設定し保存している。
 江戸時代に水戸から国替えされた佐竹藩主義宣は,窮迫した財政をたてなおすため米代川流域の豊富な天然資源である事欠田スギの利用を計った。家老の渋江政光は「国の宝は山なり。然れども伐り尽くす時は用に立たず,尽きざる以前に備を立つべし。山の衰はすなわち国の衰なり」と名言を残している。このような先駆者により秋田の林業は発達した。

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