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富士山 放置森林 バブルが生んだツケ ゴルフ場開発へ思惑買い・・とん座
(『富士山は生きている』「静岡新聞社」編)
昨年の静岡県議会九月定例会で、富士宮市の日原博県議が「富士山ろくの民有林約二千かが大手の建設会社などに買い取られ、放置されたままになっている。このままにしておけば、大災害につながる」と指摘した。
その指摘通り、除間伐が行われなくなり、うっそうとした暗黒の森には多くの人工沢ができるなど、荒れ放題だ。除間伐の行われない森林は、根が衰弱し、豪雨や台風で倒木被害を起こし、市街地への土砂災害や水害につながっていく。富士宮市だけでも、富士山すそ野の約六千ヘクタールの森林(民有地)のうち、約四千ヘクタールが放置森林という調査報告さえある。
放置森林が増え始めたきっかけは、民間活力の導入をうたった昭和六十二年のリゾート法(総合保養地域整備法)
成立だった。ゴルフ場開発の動きが活発となり、富士山ろくの森林の買い占めが始まった。バブル経済が買い占めを加速し、この地域だけで十八ヵ所、約千七百ヘクタールものゴルフ場新設の計画があった、という。
しかし、静岡県は平成二年十月、ゴルフ場新設を凍結、ただ一カ所のゴルフ場の完成も見ないまま、思惑買いの森林だけが残された。森林の所有者を調べると、大手ゼネコンの影が見え隠れしている。
山ろくのほとんどが戦後すぐに植林した杉とヒノキ。それが木材として価値が出るのは植林後五、六十年から。
ところが、手数と手間の掛かる間伐の時期に外材の輸入などで国内産木材の価格が低迷、森林を手放すことに追い打ちを掛けた。
富士宮市林政土地改良課の石川芳範林業係長は「業者はこれまでの山林価格をはるかに超えた値段で買い占めに走った。山林地主の方も不振の林業をやっているよりは、売ってしまう方が得と考えるのも当然」と話す。森林は次から次へと、開発用地として業者の手に渡っていった。
さらに、業者の買い取りが山林の面積ではなく、樹木の数を基準にしたため、山林の施業管理放棄に拍車を掛けてしまった。石川係長は
「木がたくさんあった方が高く売れるのでは、いくら補助金を出しても間伐など見向きもしなくなる。周囲の山林地主もいつか高い値段で買ってもらえると思い、財産目的で山林を放置してしまった」
と嘆く。
業者はゴルフ場開発が不可能となり、森林を放置したまま所有するしかなくなった。石川係長は「個人の財産だから除間伐を強制することはできない。お願いするしかない」とするが、日原県議は「国策で植林してきたのだから、国や県が買い取って森林施業するしかない。大きな被害が起きてからでは遅い」と強調した。
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