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日本有数の地震危険地帯のIつとされている青森県東部地方
◆資料
『検証 危険列島』生越忠氏
 六ケ所村を含む青森県東部の太平洋沿岸地方が日本でも有数の地震危険地帯であること、そして、陸域にも東方の太平洋海底にも多くの「地震の巣」があって、昔からたびたび被害地震に襲われたことは、すでに公知の事実になっている。
 しかし、原燃産業は、濃縮工場申請書(六ケ所ウラン濃縮工場設置のための核燃料物質加工事業許可申請書。一九八七年五月二六日付けで申請、同年一二月八日付けで一部補正)で、「過去の地震の記録から本施設敷地周辺では、大地震のおそれは極めて小さい」とし、また、低レベル廃棄物埋設申請書(六ケ所低レベル放射性廃棄物貯蔵センター設置のための廃棄物埋設事業許可申請書。一九八八年四月二七日付けで申請)で、敷地周辺に発生した過去の主な被害地震の震央分布に基づき、「敷地近傍では大地震は発生していない」としたのである。
 さらに、原燃サービスも、再処理施設予定地の立地条件に関する地元住民向けの説明のなかで、予定地が地震や津波による被害をこうむるおそれはない旨を強調してきた。
 このように、原燃産業も原燃サービスも、地震危険地帯のど真ん中にある核燃料サイクル基地の地震に対する危険性を隠蔽するという態度を一貫して取り続けてきたが、それを合理化するため、陸域および海域における活断層の存在を過小に評価し、「活断層隠し」あるいは「活断層殺し」(活断層を死断層といいくるめる)という悪質な行為をしばしばおこなってきたのである。
 ところが、今回明るみに出た内部資料によって、再処理施設予定地内に活断層が存在する可能性がきわめて濃厚になった。
 ちなみに、原燃サービスは、これまで、再処理施設予定地内に活断層があるという説にはまったく根拠がない旨を主張していたが、今回の内部資料によって、右のような主張こそまったく根拠がないことが、きわめて具体的に証明されたのである。
(1)再処理施設予定地内に見られる活断層
 最初に、内部資料中の断層に関するおもな説明の内容を検討すると、まず、再処理施設予定地内には、fー1およびfー2などの断層が走っていること、また、各断層の性状の調査のために掘られたピットで、各断層の最近の地質年代における活動性を示すようないくつかの現象が認められること、そのため、原燃サービスに地質学者として協力した北村名誉教授も衣笠課長も、各断層を明確に死断層と断定するに足る資料を見出せないでいること、などの諸事実が明らかになる。
 以下に、北村議事録および衣笠議事録に基づいて、各ピットで見られる各断層の活動性を示すものと思われる諸現
象を説明するが、文中の地層名(符号をも合む)については、表33によって理解していただきたい。
 
イ、ピット(1)中に見られる活断層
 北村名誉教授は、ピット巾に図34の左上の図のような断層が見られることを指摘するとともに、この断層の性状について、次のようにのべている。
① 露頭から受けた印象では構造性の断層ではないと思う。
② このような構造ができる成因がよくわからない。
③ 面の方向からみると、五メートル道路のある尾根を横断して延びているような印象も受ける。
④ 上記のような点を考慮すると、構造性の断層とはいえないものの、明快に地すべりであるともいい切れない所が
ある。一般的な地すべりならこういう形態になるだろう(筆者庄。図34の右下の図を参照)。
⑤ 従って、地すべりであることを説明するため、地すべりとしてのモデル的な構造を調査して確隠しなければなら
ないと思う(地形判読やボーリング調査ですべり面をつかまえる)。
⑥ 露頭をみると地下水が少なく、ドライな環境で生じた形態ととれ、地下水の影響が強い地すべりより急傾斜崩壊
に近いものではなかったか。ゆえに。地すべり〃より″急傾斜崩壊″が言葉として適切ではないか。
 
このように、北村名誉教授は、この断層を直下型地震の震源となる活断層ではないことにするために、摺曲や断層などの構造形態を造った地殻運動とは無関係に起こった地すべりあるいは急傾斜崩壊(崖崩れ)として片付けたいと四苦八苦しているのである。
 しかし、地すべり土あるいは急傾斜崩壌土が、一つの面に沿ってすべり上がる、あるいは、崩れ上がるということはありえない以上、図34の左上の図に見られるような現象を地すべりあるいは急傾斜崩壊として説明することはできない。
 結局、この現象は、地殻に対して圧縮力が働いたために上盤が下盤に対して相対的にずり上がって形成された逆断層で、文字どおり構造性の断層ということになるわけである。
 なお、図34だけからは、この逆断層の死活の判定は困難であるが、衣笠課長は、この点について、 「今の状況証拠だけでは、第三者から活断層といわれたら十分説明できない。したがって、他の証拠をそろえた方がよい。……」、「自分としても構造性の断層とは思わないが、将来裁判になった時などにこのままの証拠で活断層でないとは言い切れない。……」という、苦渋にみちた見解を披瀝している。
 衣笠課長は、おそらく、原燃サービスの断層に関する生資料をも検討したうえで、右のような見解を述べたものと思われるが、ここで、大胆な推測をあえて試みるならば、この断層は、地表面近くで新しい地質年代に起こった構造運動の所産であり、したがって、活断層である可能性がきわめて大きいと考えられるのである。
 
ロ、ピット②に見られる活断層
 ピット②では、fーl断層の性状を調べるためのトレンチが掘られたが、北村名誉教授は、この断層について、「fー1の活動性がS₁まで及んでいないことを示すよい露頭である」、「f−1真上の哨にうねった縞模様(葉埋か?)があり、断層の影響ととられかねないので、その成因を考えておくことが必要だろう」と述べている。
 一方、衣笠課長は、この断層について、「tr₂のヒゲ(小断層)がある。問題ないが、第三者から活断層といわれないように、きちんと記載して、地形に沿ったクリープ性のものとか注意書きをしておく必要がある」、「f−1断層は、trを切っていないので問題ない。ただtr中のヒゲについては記載をして、成因の説明ができる資料を用意しておいた方がよい」と述べているが、右のような衣笠課長の見解は、tr中のうねった縞模様を「ヒゲ」とよび、これを小断層としている点を除けば、北村名誉教授の見解と基本的に同一である。
 しかし、f−Iが哨を切っていなくても、元来は水平に堆積したはずの哨の縞模様がf−I断層の真上で変位を受けていることから、この断層の活前期が哨の堆積後のきわめて新しい地質年代にまでおよんだこと、したがって、この断層が活断層であることは、十分に考えられるのである。
 そして、地下のある深さの場所ではかなり大きな落差を有する断層が、上方にいくほど落差を次第に減じ、地表面近くで落差がついにゼロになって、地層がただ曲がっているだけの撓曲に移化しているという例も少なくない。したがって、trの縞模様の「うねり」あるいは「ヒゲ」を一種の活僥曲と考えれば、その真下のf−I断層が活断層である可能性は、きわめて大きいといえるのである。
 
ハ、ピット(3)に見られる活断層
 ピット(3)では、f−2断層の性状を調べるためのトレンチが掘られたが、北村名誉教授は、この断層について、「f−2がS₁を切っていないことがこのピットで明らかであり、この点を強調すべきだ」と述べるとともに、老部川露頭で見られるこの断層の北方延長部について、「f−2は一本の断層ではなく、雁行する数本の断層から成る可能性が高い。ただ、活動性を論議する場合、ピット(3)でQ「に変位を与えていない事実がはっきりとらえられているので、むしろ一本の断層として取扱った方が活動性を否定する上で説明し易くなる」と述べ、活断層の隠し方(殺し方)を具体的に提言している。
 すなわち、巨視的には一本と見なしうる断層が、実際には雁行する数本の断層から成っているという例は、ごくふつうに存在しており、北村名誉教授によると、老部川露頭のf−2断層も、その可能性が高いが、それを認めてしまうと、この断層の活動性をピット即では否定しえても、他の場所でも否定しうるとは必ずしも限らないことになる。そこで、同名誉教授は、この断層には活動性のある部分は存在しないことにするため、これを一本の断層として取り扱うことを提言しているわけである。
 なお、同名誉教授は、ピット即で、鷹架層(T)と別との間に明瞭なすべり面が認められることについて、「これは鷹架層表層の風化部に発生したものであり、重力性すべりと考えられる。古い時期(S堆積後)にできたものであろう」としている。
 ところが、衣笠課長は、ピット即のfー2断層について、「f−2断層はS₁「を切っていないように思うが、ピット南側の法面(D法面)の81にヒゲ(小断層?)があり、気になる。よくみておいてほしい」、「砂子又層まで変位が及んでいないので大丈夫と思うが、別のヒゲ状のものとTと別との間がスリップしていることが気になる。他の地点で確認できればいいのだが」と述べ、北村名誉教授の見解との間に微妙な食い違いを見せている。
 そして、とくに衣笠課長が気にしているTと別との間のすべり面が、北村名誉教授がいうような重力性すべり面ではなく、構造性の断層によって生じたものならば、この断層はS₁「の堆積後に生じた新しいもので、活断層の可能性も大きいことになるわけである。
 以上に見てきたように、北村名誉教授も衣笠課長も、活断層の可能性がきわめて濃厚な断層を死断層あるいは重力性すべりといいくるめるために、あれやこれやの脆弁を弄することに終始しているが、これが原子力開発の推進という国の誤った施策を支えるための「政治」であり、真理の探究のための科学とはおよそ程遠いものであることは、いまさら言及するまでもない。
六ケ所村の劣悪な自然的立地条件
 ◆資料
『検証 危険列島』生越忠氏
六ケ所村が核燃料サイクル関連諸施設のうちの三施設の立地点になったのは、前述したように、むつ小川原工業開発地区になっていた同村が、石油コンビナート建設計画の失敗によって経済的にあえいでいたという。弱昧〃につけ込まれたためであるが、同村が三施設の立地点になったもう一つの理由に、むつ小川原工業開発に関わって厖大な赤字をかかえてしまった企業の救済ということがあった。
 だから、同村は、自然的にも、社会的・経済的にも、三施設の立地点としての好適な諸条件を有していたわけでは決してなかったのである。
 ところで、同村は三施設の立地点としてきわめて不適格であることについて、付近に三沢空港があり、また、防衛庁等の航空機の訓練区域があるために、航空機等の飛来物の墜落による施設の損傷の危険性がきわめて大きいことが、最近、各方面から指摘されているが、昨今、国の内外で航空機の墜落事故が続発していることを考えてみても、右のような指摘には、十分な根拠があるといわなくてはならない。
 ここで、六ケ所村の自然的立地条件の劣悪性を、とくに地震学および地質学の観点から見てみると、まず、同村を合む青森県東部地方は、日本有数の地震危険地帯のIつとされているところである。また、三施設の支持地盤となる鷹架層とよばれる新第三紀層の構成岩石は、上質工学的に「軟岩」に分類されるものである。さらに、三施設の立地点は、地下水位がきわめて高い。
 ゆえに、三施設の六ケ所村への一括立地を決定する以前に、同村の自然的立地条件の良否を十分に調査・検討したならば、同村への一括立地の決定は見送られたはずである。
 しかし、一括立地の決定は、自然的立地条件の劣悪性を無視して強引におこなわれたため、各施設の設置許可申請書をまとめるにあたって、地震の震度階を実際よりも回フンク低くして、地震時の危険性を過小評価したり、あるいは、軟弱で不均質な基礎地盤の性質を堅硬で均質といつわるなど、地震や地質に関する諸資料を、立地に差し支えないようにするため、握造したり、改ざんしたりした。
 これまで、原燃産業も原燃サービスも、六ケ所村は核燃料サイクル関連施設の立地には好適の場所であることを繰り返して強調してきたが、じつは事業者側と国側とが一体になって地震や地質に関する諸資料を操作していたという驚くべき事実の一端が、一九八八年八月下旬に日本社会党政策審議会が極秘ルートを通じて入手した原燃サービスの内部資料(再処理施設の敷地の地質、とくに活断層の問題に関する資料=表32参照)によって明るみに出たのである。
 そこで、以下に、この内部資料の内容に言及しつつ、おもに地震学および地質学の観点から見た六ケ所村の劣悪な立地条件を明らかにしたい。

 

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