中途半端

ご無沙汰だけど、生きてはいる

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《台風の目》

台風14号が来るらしい。今、九州、串木野市辺り。

自分トコは四国の瀬戸内側で、後ろには四国山地。西日本最高峰・石鎚山が鎮座ましましている。
天然の風よけに囲まれてるワケ。…ついでに、雨よけにもなっちまうんで、どっちかってと渇水の方が心配。
蜜柑が作れるような南国でありながら、台風の本格的な被害は、あんまり無いトコ。
たとえ、太平洋側の高知県の予報が「明日の波の高さは3m」とか言ってても、こっちは70cmくらいだったりする。
去年みたいに、二つ三つ隣の市がエラいことになってても、自分トコは、市内のどっかが浸水したんだっけ? って感じ。
けどまあ、大潮と重なって港の商店街が床上浸水したとか、大風で潮が吹き上げられて、密柑山が塩害に…なんてことも、たまにはある。

台風で一番コワイのは、豊後水道から瀬戸内海に入ってくること。
こうなると、中国山地と四国山地に挟まれて、大阪方面に抜けるまで、台風大暴れ(- -;)
滅多にないけどね。
でも、絶対無いワケじゃ、ない。


弟が赤ちゃん布団で泣いてたから、自分が小2の夏休みかな? 8月の登校日のこと。
台風が来るってんで、家族総出で備えをした。
雨戸締めて、家中の畳上げてガラス戸に内側から押し付けて、分厚い板で突っ張りかまして。
(これやると、トイレ行くのが大変なのよ(- -;)廊下は障害物競走、よま(畳の部屋のこと)は一本橋状態でさー)

外の盆栽とか、物干し竿とか自転車とか、飛ばされそうな物は全部、玄関や台所の土間に退避させる。
座敷で寝たきりのじーさんを、両親の寝室に布団ごと引っ張って来て、隣に布団を並べて敷く。
枕元には、懐中電灯とラジオ、ロウソク、ばーさんがかまぼこ板で作ったロウソク台、ライター。
これで一家全員、準備オッケー。
親父が「うちではこの部屋が一番安全だ」と言った両親の寝室で、台風が通り過ぎるのを待つ。

その時の台風、もろ直撃。
豊後水道から入ってきやがった。
ごおおおって、すげー風が吹く度に、親は子供達に頭から布団を掛ける。
チョット落ち着くと、はがす。…閉めきってて暑いからさ(^_^;)
で、およそ暫くその繰り返しで。
そのうち、親父が、外を見てくる、と出て行った。
と、思ったら戻ってきて、自分と妹に出てこいと言う。
自分は、はいはいと従ったが、妹は怖がって来なかった。

出てみたら、風が無い。全くの無風状態。
へ? なんで? 台風、行っちゃったの?
首を振った親父、おもむろに空を指さして、曰く。

「見ろ。これが台風の目だ」

青空だった。
台風なのに。大風で大雨で、停電で、瓦がずれてチョット雨漏りなのに……青空。

今ここは台風の中心にある目に入ってて、この後暫くしたらまた風が吹き始めて、台風の半径の分だけ続く、と言われた。


夏休みの登校日は吹っ飛んだケド、一つ賢くなったよ。

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