中途半端

ご無沙汰だけど、生きてはいる

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ウサギリンゴ

今回のは、痛い話。流血沙汰なんで、ご注意下さい。


ガキの頃…2歳か3歳頃のコト。
その頃は、親子4人で、養鶏場と同じ敷地内の家に住んでた。
とある昼間、急にリンゴが食いたくなった。たまたま食卓の上にでも、置いてあったんかも。
母親も父親も、仕事をしてる時間帯で、自分は一人で家にいたと思う。妹がそばにいた記憶はないから、多分、母親が連れてたんだろう。
養鶏場の規模としては、そんなにでかくなかったけど、それでも、どこにいるか分からん親を捜すとなると、幼児にはちと広すぎた。
それに、大人の仕事の邪魔をしてはいけない、て言われてたし。
リンゴ食いたいってのは、非常事態でも何でもないし。

……自分で何とかするか?

でも、包丁に触ってはいけない、とも躾られていたワケで……すごーく、迷った。
丸かじりすりゃいいようなモンだが、その頃の自分にとって、リンゴとは、ウサギリンゴにして食うものだった。
いや、いつも母親がそうやって剥いてくれてたからさ。それしか知らんかったのよ(^ ^;)
で、ガマンも丸かじりもできんかった自分は、自分でウサギリンゴを作ることにした。

親の言いつけに背いて……(- -;)
でもね。一応、ガキなりに考えたのよ。
自分は、とっても小さいから、小さい包丁を使うべきだ…って。いや、マジで。
で、椅子持って来て流し台によじ登って、壁際の包丁立てから、一番小さい包丁を取った。
そこまでははっきり覚えてるんだケド、その後、まず切ろうとしたのか皮を剥こうとしたのかは、定かでない。
次の記憶では、すっぱり左手の親指切っちまってた。

痛くなかったわきゃないが、それより何より、マズイ、と思った。
何しろ、絶対に包丁に触ってはいけない、と言われていたのに、親に内緒で使ってこのザマだから。

頭の中は「マズイ」一色なんだけど、血は出てるし。
とりあえず、手近にあったふきんを傷口に押し付けて、ぎゅうっと握った。
握ったまま、ひたすら、困った。
どのくらいそうしてたか、全然覚えてない。
次のシーンは、親父が、名前を呼んだきり、絶句してるトコ。
そらそうだろう、真っ赤に染まったふきん握りしめた我が子が座り込んでりゃさ(^ ^;)
叱られたかどうかも、結局リンゴを食えたのかどうかも、忘れた。多分、大目玉食らったろうケドね。

ただ、「小さいから、小さい包丁を使った」とは、白状したらしい。
後々になっても、自分が理屈っぽいことを言い立てるのに、母親は、そのことを持ち出す。
そりゃ別にいいんだけど、その包丁、たまたま母親が研いだばっかで、切れ味抜群だったんだな(- -;)
例によって親父は、「刃物のケガは、切れ味がいい方が治りが早い」とか言ってた。まあ…でかい血管や神経切らんかったから、言えることだけどなー。


キーボードに手を載せて、ふと視線を落とすと、この時の傷痕が目に入る。
もう一ヶ所、左の人差し指の小さめの傷も。
こっちは、小学生の時、親父が「そんなんしよったら、手ぇ切るぞ」と言うのを聞かずに、固いジャムサンドクッキーを切ろうとしてて、ナイフでやっちまった傷。
それ見た親父曰く「ほれ見ぃ。切ったろが」。
他にも、工作やってて肥後の守で、とか、カッターでうっかりとか、あっちこっち切ったけど、一目で分かるような痕が残ってるのは、この二ヶ所だけ。
やっぱ、親の言うことは聞けってか(笑)

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