梢のぶつぶつ

最近は高い木が少なくなったけれど、それでもこうしてとまっていると遠くのものも見えてくる。

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日本が北朝鮮になる日

少々過激なタイトルだが、笑ってばかりもいられない。

秘密保護法案だ。

これがこのまま成立すれば、日本は「非民主化」への大きな1歩を踏み出すことになる。

少し世論調査のことを書く。
この秘密保護法案をはじめ、TPP、原発の輸出と再稼動、集団的自衛権容認、と安倍が重要政策課題と位置づけるものに対して過半数(多いものは7割以上)の世論が「反対」を表明している。
こういうことは珍しい。
民意は明らかだ。
国の重要政策に関する世論調査では、だいたい30%〜40%程度で賛否が拮抗することが多い。
そうした中で政権はリーダーシップをもって判断すればいいわけだが、安倍政権はこうした「民意」を無視するかのごとく突き進んでいる。
その理由は安倍政権の支持率が60%を超えていることにあるだろう。
おそらく安倍はこう考えている。
個別の事項は設問の仕方で世論を誘導できる。騒いでいるのはマスゴミだけだ。誘導できない内閣支持率だけが私の政策への支持を表している。

現在、日本にある本当の重要課題は、フクイチの収束、東北の復興、財政の健全化、少子高齢化問題の対策、拡大する格差の是正・・・等々、山積みだが、安倍はそう考えていないようだ。
秘密保護法、日本版NSC、集団的自衛権などにご執心だ。

秘密保護法案は一言で言えば、強者が弱者を縛り付ける法だ。
国民が権力の監視をできにくくする法案なのだ。
政府(場合によっては官僚)が都合の悪いことを隠蔽し放題になるし、また、政権にとって都合の悪い人物を「そそのかした」として逮捕することも簡単にできるようになる。

例えばこんなこともできるようになる。
脱原発の動きがうっとおしいと思えば、その呼びかけ人などを「テロ対策のために指定された秘密を漏らすように公務員をそそのかした」として逮捕する。
公務員は誰でもいいからでっち上げて「そそのかされたが漏らさなかった」と「証言」させればいいだけだ。
もちろん、公判の維持は難しいだろうが、とりあえず2ヶ月ほど拘留して「処分保留」で釈放すれば社会的には完全に抹殺できる。
「空気」に弱い日本人は、すぐにおとなしくなって黙るだろう。
忘れてはいけない。
戦前の非民主化も、強力な独裁者が国民を弾圧してそうなったんでなく、皆が「空気に」流されている間にそうなってしまったのだ。

こうしたことから一般市民を守るには、
司法の恣意的な運用を取り締まる法律や組織、
良心の内部告発者の保護の強化、
一定期間後の情報の確実な開示の担保、
倫理や公益に反する内容を秘密にできないような厳しい罰則をともなった情報開示法、
それを担保する審査機関など、
反対側の制度も強化しなければならないが、その議論はまったくされていない。

ヘタをすれば日本は北朝鮮なみの情報統制国家になりかねない。

安倍の重要政策課題は、つまりは米国との一体化を進めることが日本の安全保障に資する、という考えから出ていると思う。
ただ、忘れてならないのは、日本でイスラム系のテロが起きないのは日本が表面上アメリカの戦争に加担していないからだ、ということだ。
つまりアラブの民衆の恨みを買っていない、ということ。
自衛隊はサマワに行ったが、人々に銃を向けたわけではなく、笑顔を向けてブルドーザーを動かし、インフラの整備を手伝ってきた。
兵員の輸送は行なったのだから概念的には「加担していない」とは言えないのだが、少なくとも家族を殺された人々の前に自衛隊員が銃を持って現れることはなかった。
それがどれほど日本の「国益」になっているか、「愛国者」たちはわかっているだろうか。

今、日本が軽はずみな右傾化とアメリカ追従に走ろうとしている中、当のアメリカはどうなっているか。
日本のマスコミにはほとんど報道されないが、米中は接近している。
中国の次世代を担う若手実務者が、続々とアメリカの実務者と会っており、アメリカの中に知中派が増え、知日派が減っている。中国でも知日派は隅に追いやられ、知米派が増えている。
アメリカと中国が太平洋で共同軍事演習を計画するところまで進んでいる。
ネット内に多く棲息する「愛国者」たちは知らないことだろうが。

米中が共同して太平洋の秩序を守る、という動きが加速しているのだ。
このままでは日本は米中の谷間に埋没してしまうだろう。

そんな中で内向きの国民統制を夢見て、アメリカにべったりくっつけば中国に対抗できる、と考えている安倍政権の舵取りはきわめて危険なのだ。


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