全体表示

[ リスト ]

認知症は夫婦間で伝播する
 介護を行う配偶者の認知症発症リスクは6倍
(J Am Geriatr Soc から)


 認知症の配偶者を介護する高齢者では,配偶者が認知症でない場合と比べて認知症
の発症リスクが6倍高い,という報告が米国ユタ州における一般人口を対象とした
研究で明らかになった。夫と妻では,夫のほうがリスクは高い。

1,221組の夫婦を最長12年間追跡
 認知症の介護は負担が大きく,介護者におけるうつや死亡率と関係することが報告
されている。海馬や脳の記憶をつかさどる部分に慢性的に大きなストレスがかかることで,
介護者である配偶者の認知機能に悪影響が出る可能性も指摘されている。
 ユタ州立大学のMaria C. Norton氏らは,その仮説を調べるため,1995年にスタート
した一般人口5,756人を対象とした認知症の疫学研究the Cache Coutry study(CCS)
で,ベースラインのインタビューで認知症を発症していない65歳以上の夫婦1,221組,
2,442人を抽出。3年ごとの3回の確認プロトコルで認知症と診断されたのは,
夫のみが125組,妻のみが70組,両方が30組で,発症時期は,精神疾患の分類と診断
の手引き改訂第3版(DSM-III-R)にしたがって定義された。10組はベースラインで
どちらか一方がナーシングホームに入居していた。認知症発症後に12%がナーシング
ホームに入居したが,それ以外の夫婦は同居していた。配偶者が認知症を発症した場合,
平均9.2±3.1年間(発症前5.1±3.2年,発症後4.1±3.2年)観察した。
 夫の平均年齢は75.7±5.9歳,妻は73.1±5.3歳,結婚期間は48.9±11.5年間で,
研究開始後の離婚は4組だけだった。最長12.6年間(中央値3.3年)追跡した。
 調整因子を年齢,性のほか,アポリポ蛋白E(apoE)遺伝子タイプ,認知症を含む
健康予測因子,夫の職業などとし,Cox比例ハザード回帰により配偶者の認知症発症後
の時間依存的影響を調べたところ,配偶者が認知症を有さない場合と比べた同疾患発症
の調整前ハザード比(HRR)は6.4(95%CI 2.4〜17.2)と,リスクが大きく上昇した。
なお,年齢,性,教育,社会経済的地位,apoE遺伝子タイプはいずれもリスクと関連し,
apoE-ε4アレルが存在するとリスクが上昇し,夫が専門的な職業だと低下した。
すべての交絡因子で調整後のHRRは6.0(同2.2〜16.2,P<0.001)だった。
 性特異分析によると夫はHRR 11.9(同1.7〜85.5,P=0.01)と,妻のHRR 3.7
(同1.2〜11.6,P=0.03)より大幅にリスクが高かった。
 同氏らによれば,夫婦は社会経済的地位をはじめ,医療アクセス,喫煙,アルコール
摂取などの環境を共有しており,また,精神疾患へのかかりやすさなどが類似している
ことなどから,認知症患者の配偶者は認知症を発症しやすいと考えられる。
 一方,介護者でも認知症を発症しないケースも多く,今後の研究によって配偶者が
認知症を発症する機序や,同疾患への脆弱性が解明されたり,認知症を引き起こす介護
ストレスのパターンが特定されたりすれば,介護を行う配偶者への効果的な介入に利用
できるのではないかという。









アメリカでの認知症に関する臨床研究です。

認知症の配偶者を介護する高齢者では,配偶者が認知症でない場合と比べて認知症

の発症リスクが6倍も高いということは、自分の配偶者が先に認知症になってしまったら、

自分も高率に認知症になりやすいということですね。

老老介護も問題になっているのに、一方が認知症になってしまえば、老老介護に加えて

認認介護になり、ますます在宅介護・看護の重要性が増しますね。





はまだクリニックのホームページもよろしくお願いします。
はまだクリニック

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事