文花座

歌舞伎、宝塚歌劇団、劇団四季・・・大好きな舞台の感想をつらつらと♪

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『貞操花鳥羽恋塚(=みさおのはなとばのこいづか』

その1【祇園社境内の場】→当記事
その2【三井寺の場】→http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/19007404.html
その3【源三位頼政館の場】→http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/19007794.html
その4【(続き)源三位頼政館の場】→http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/19008023.html
その5【讃州松山屏風ヶ浦の場】→http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/19008294.html
その6【讃州松山屏風ヶ浦 崇徳院御在所の場】→http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/19008879.html
その7【高尾神護寺の場】→今しばらくお待ちくださいm(__)m

【祇園社境内の場】

時を得た平家がこの世の春を謳歌していた時代。
同時に、その傲慢な全盛に虐げられた者達の怒りが一触即発の様相を呈していた時代―――

祇園境内で、紅梅と白梅の枝を剣に見立てた戯れの剣術試合が行われていました。
たまたま参詣に来ていた女性が審判役を頼まれ、勝負を見守っています。
試合は白熱。試合を取り囲む見物人達も、審判役の女性もつい熱がこもって夢中になっている様子。
そして、白梅の小手打ち一本!
紅梅が地面に叩きつけられたのを、勝負ありと高らかに宣告する審判役の女性。
その邪気もなく喜ぶ姿に、男の目が光りました。
「源氏に味方する不届き者、もしや間者ではあるまいか!」
紅は平家・白は源氏のシンボルカラー。紅の負けをさほどに喜ぶとはとの疑いなのです。
審判役の女性は驚き、何の根拠もない言がかりと訴えますが、男は聞き入れません。
ついには男たちに捕らえられ、連れ去られてしまいました。

―――平家と源氏、そして朝廷。
一見は平穏そうに思えつつ、いつ火がつくとも知れない火薬庫が存在している。
時代そのものが不安を抱え、猜疑心にぴりぴりしているのです。

境内の奉納舞台で、白拍子姿の女と物かはの蔵人による奉納舞が行われていました。
舞に事寄せ、女の意識は男の懐に集中―――隙を見て懐中のものを奪い取ろうとするのを制した蔵人は、「どういうつもりだ」と女を詰問。
観念した女は、自分の望みを告白します。
白拍子の正体は待宵の侍従。朝廷の権力争いから起こった保元の乱に敗れ、讃岐に流罪となった崇徳院の愛人でした。
待宵の侍従は、愛しい崇徳院を追って流刑地へ赴きたい一心。
しかし反逆者の愛人という立場では、船切手(=船に乗るための許可証。身分証明書のようなもの)が与えられないのです。
男の懐にその手形があると知り、矢もたても堪らず奪おうという切羽詰った心であったとの涙ながらの述懐を聞いた蔵人は、命懸けの愛を貫こうとする女の心に打たれて自分の船切手を与えました。


境内に、二人の男が現われます。
平家方・平重盛に仕える奴くだ平、そして源氏方・源三位頼政に仕える渡辺丁七唱です。

その場へ、時の権力者・平清盛の子息、平宗盛一行が参詣に現われました。
平伏して出迎え、それぞれに名乗りをあげる一同。
頼政の家来と名乗った渡辺丁七唱に、宗盛はかねてからの願いを口にします。
源三位頼政は、平治の乱で失脚した藤原頼長の娘・千束姫を屋敷に預かっていました。
世を儚んだ千束姫はかねてより出家を願い出ていたのですが、そのたぐい稀な美貌の噂を聞きつけた宗盛は姫を差し出せとしつこく迫ったのです。
源氏武士である源三位頼政は清盛公の気に入りとして身分を護られてはいましたが、時は平家の世、常にその心底を疑われる立場です。断れば平家への反抗であるという脅迫をちらつかせての無理難題に、渡辺丁七唱は返事に窮します。

そこへ、風雅なうぐいすの一声―――
渡辺丁七唱はその優しい声にことよせて「うぐいすは心のままに歌わせればあれほどあでやかに鳴きます。けれど、人の命令で鳴かせることはできません」と、か弱い姫の立場をうぐいすに託し、やんわりと宗盛の願いを退けます。
しかし宗盛はその返答に激昂。
奴くだ平に命じ、耳障りなうぐいすを射ち殺せと命じたのです。
(なんと傲慢な、なんと残酷な!)
一同が驚愕し、恐怖に沈黙するその場に「暫く!」の声がかかりました。
駆け込んできたのは、神前へ奉納する三方を掲げ持った瀧口靱負常久。
瀧口靱負常久は崇徳院に仕える武士。崇徳院直筆の写経奉納の願いを託され、遣わされてきたところだったのです。

うぐいすの命乞いに「神聖な境内を血で汚せば、御身に災いがふりかからぬとも知れない」と宗盛の行動を諌めますが、頭に血の上った宗盛はさらに頑なに殺戮を命じます。
ついに、宗盛の尻馬に乗ったくだ平がうぐいすを射ち殺してしまいました。
くだ平はさらに「平家のご意向に逆らった罪だ」と、憐れなうぐいすの体を握りつぶします。
うぐいすの体から溢れた血が、瀧口靱負常久の持参した一品にかかった瞬間―――
蒼く燃え上がる魂玉が宙に浮かび上がり、くだ平が突如として苦しみだしたのです!
驚愕する一同。とっさに待宵の侍従が持参の数珠で念じたところ、にわかの苦しみは去りました。
驚きの事態に、宗盛は「血が濡れかかっただけでこの神罰、その一品はなんなのだ」と瀧口靱負常久に詰め寄ります。
悪いところで嫌な奴に絡まれた、と瀧口靱負常久は臍をかみますが、品がここにある以上偽りを述べ立てることも不可能。
「この品は崇徳院様ご直筆の写経一巻、それを祇園社へ納めたい」という願いを告げました。
しかし、事の成り行きに腹を立てていた宗盛は、謀反人が写経の奉納をして神仏に救われることなど認めないとその願いを撥ね付けました。
そして、さらに渡辺丁七唱へ千束姫の件を無理強いします。

そこへ、平清盛からの急文が届きました。
平家の横暴に業を煮やした後白河法皇から、ついに平家追討の『院宣』が源氏方の総大将・源頼朝へ下ったというのです。
朝廷公認の『院宣』こそ、天下正義の旗印―――
源氏方にとっては、源氏再興のために命に代えても手に入れねばならぬ、そして平家にとっては絶対に源氏の手に渡してはならぬ一品です。
重盛はすぐさま、『院宣』を頼朝に運ぶ使者を密かに討つよう奴くだ平に命じました。

またこののち、待宵の侍従に船切手を渡した物かはの蔵人は、それを目撃していた宗盛の家来・武蔵左衛門有国の讒言によって切腹させられることになるのでした。

後白河法皇ご直筆の『院宣』を頼朝に運ぶ使者が、闇に乗じて道を急いでいます。
追ってきた奴くだ平は荒れ寺の裏庭で使者を捕らえ、『院宣』をめぐって切り結びます。
そして二人は刺し違え、お互いに命尽きてしまうのです。

その場に現われたのは怪しげな油坊主(=神社仏閣の灯篭に、油を注いで回る役目の下級坊主)、実は遠藤武者盛遠。
遠藤武者盛遠は死体となった使者の懐から『院宣』を奪いとります。

月が雲に隠され、その場は真の闇―――
『院宣』を懐にした遠藤武者盛遠のたたずむ裏庭へ現われた「男」と「女」。
頭巾に顔を隠した男は、渡辺左衛門亘。
今は失脚してしまった高倉の宮以仁王に仕えていた北面の武士です。
白鳥(=寺社につとめる下級の使用人が着る白装束)を身に纏った女は、袈裟御前。
渡辺左衛門亘と相思相愛の白拍子です。

身をやつし、影ながら使者を見守ってきた二人は、使者の死によって行き場を失った『院宣』を手に入れるためにやって来たのです。
闇の中、三人は手探りで交錯します。

袈裟御前の懐から曰くつきの『袱紗』が滑り落ちます。
遠藤武者盛遠の懐からは『手紙』が滑り落ちます。

闇の中、袈裟御前は『手紙』を院宣と勘違いして拾い上げます。
同時に、渡辺左衛門亘は袈裟御前の落とした『袱紗』を。
そして、『院宣』は遠藤武者盛遠の手の中に残りました。

――その2へ続く――

その1【祇園社境内の場】→当記事
その2【三井寺の場】→http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/19007404.html
その3【源三位頼政館の場】→http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/19007794.html
その4【(続き)源三位頼政館の場】→http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/19008023.html
その5【讃州松山屏風ヶ浦の場】→http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/19008294.html
その6【讃州松山屏風ヶ浦 崇徳院御在所の場】→http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/19008879.html
その7【高尾神護寺の場】→今しばらくお待ちくださいm(__)m


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