文花座

歌舞伎、宝塚歌劇団、劇団四季・・・大好きな舞台の感想をつらつらと♪

その他舞台Review

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初めての方は―その1―からお読み下さい
http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/45720800.html

《確実なハッピーエンドが見えなくても》

愛に破れ、芸は軽薄な時流に押し流されて受け入れられず、屈辱のうちに仲間たちとも決別した阿国。

「あの」阿国がこの世の仕打ちに怯えて身を縮めるその姿は、哀れとか、可哀想とか、そんな言葉じゃ言い表せないぐらい強烈に悲しくて、残酷なぐらいにリアルで・・・悔しいし、悲しいし、理不尽じゃないかと思うけれど、その命運は苦々しい諦めとともに頷かずにおれない。
その衰退は、建前抜きに、ものすごく「まっとう」なのだもの。

彼女を追い落とした人たちを憎めないのです。
日和見だとか、卑怯だとか、恩知らずだとか、罵りの言葉はいくら思いついても、こぶしを振り上げることは出来ない。
あまりに懸命に、悲しい苦しい犠牲も払い、強さをもってのし上がっていくその姿を「悪役」とは括れない。
その砂の楼閣を、今、笑うことはできない。

打つ手打つ手が裏目に出る、もはや若くもない、阿国は、敗者だ―――
この追いつめられ方、強烈に残酷でした。何をどう打開できるのか、ひとつの可能性も見出せないんです。
お芝居用の「自分がもう一度ヤル気を出せば云々」の甘い状況じゃ全然ない。
もはや本当に八方塞がりだってことが痛いほど感じられて、阿国がこれからどうするのか、まったく想像をシャットアウトされてしまいました。
芝居だって思っていたなら、ひとつやふたつ(こうくるかな〜?)の可能性も見出せたかもしれないけれど、観劇中は完全にのめり込んでいたんだなぁ。そんな余裕もまったくなく、阿国と一緒にただ小さくまるまって震えているばかりでした。

しかし阿国は不死鳥の如く立ち上がります。
なんていうかね・・・未来へ向かって駆け出した阿国の前に、再びの過去の栄光が待っているのか、そのことに確信は持てませんでした。
未来に、単純な意味でのハッピーエンドが控えているのだと無邪気に信じられる要素は何にもなかった。
ただ、そのときすっごく強く感じたんです。
「阿国は大丈夫!」って。
無条件で安心して、見ている私の胸に、霧が晴れて光がさしたような明るさが戻ってきたんです。
その安心感は「阿国は阿国、変わらない」っていう、確信みたいなものでした。
彼女は、変らない。
時代は変わって、世相は変わって、だから未来に、熱狂的に受け入れられた過去の栄光を再び手にすることがあるのかどうかは分からない。
けれど、阿国は阿国だ。
神は、神を崇める衆生などいなくても神として存在するのだ、そのことにいささかも価値を傷つけられるものではない。
猪熊少将に愛し敬われた阿国が、そのままの存在を保ちつ続ける、そう信じられること以上に、この世に確かな価値があることなんてあるだろうか。

阿国のラストは、キッパリした白黒のつかないあいまいなものでした。
全速力で駆け込んでいく道がハッピーエンドに繋がっているのかはわからない。
単純な意味で言えば中途半端、なのにねぇ、この充実感はどうだろう!満足感はなんだろう。

なんとなく感じました。
木の実ナナさんは、一人の女のある一時期を演じたにすぎないのだけれど、こちらには「阿国」その人が見えていたんです。
舞台に乗っている以前にも阿国は生きていたし、以後にも生きている。
その余白を全部埋めて、400年続く歌舞伎の祖と言われるスケールのでっかい女の存在がでーんっと芯に座っていたからこその充実感ではなかったかって。

再演が繰り返されていると聞きますが、さもありなん!
これは間違いなく名作ミュージカルだと思います(^▽^)

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きゃ〜☆「阿国」見てこられたんですね!何を隠そう、私、初演を見ておりまして(当時、中学生でした)、数年前の南座での再演も見てきました。今回は期間が短くて見に行けないのですが、私の観劇人生の原点となった作品に雪柳さんも興奮されたのだと知って、まさに「きゃ〜☆」状態(私も興奮)。世界に名作・感動作は数あれど、これほど皆を熱狂の渦に巻き込むミュージカルは他にはないと確信しております。

2007/3/26(月) 午後 6:48 [ ささ ]

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おおっ、ささ様もキました!?『阿国』の霊験!!いやぁ、改めてですけれど、ささ様と私ってよっぽど感性が似ているんだなぁ〜。阿国&猪熊少将のスゴイことは、興奮でところどころワケわかんないことを言っている乱筆レポが物語っていると思うのですけれど(^^>オーディションでお丹役を射止めたという大和田美帆さんも良くて!

2007/3/26(月) 午後 10:15 [ 雪柳 ]

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猪熊少将との『例の』場面(ささ様には分かりますね!絶対!)「阿国でございます!」の台詞に鞭のような鋭い強さがあって、いささかの卑しさもなかった。思慮が浅い、利口ではないと思う頭の片隅で、なにか舌を巻くような敬意も生まれていました。3000人を超える中から彼女が選ばれた意味、分かりましたねぇ!今回は観劇できないのですかぁ・・・残念(T^T)

2007/3/26(月) 午後 10:18 [ 雪柳 ]

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こちら、大和田美帆さんのオフィシャルブログ!→ http://blog.miho-ohwada.com/ あぁっ!?トップページのこのお顔、星組の柚希礼音さんにそっくりじゃありません!?

2007/3/26(月) 午後 10:21 [ 雪柳 ]


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