文花座

歌舞伎、宝塚歌劇団、劇団四季・・・大好きな舞台の感想をつらつらと♪

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―初めての方は「その1」からお読み下さいm(__)m
「その1」 http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/56890171.html
「その2」 http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/56890252.html

《トモの告白》

紫吹リュータンの言葉は麻薬のようなのです。
「トモは死なん!」彼女がそう言葉にした時、それが事実をさえ覆い尽くす真実であるかのような強烈な確信がその場にあふれ出ました。
それは錯覚には違いない、事実は何にも変わらない、リュータンには何の力もない。
けれどそう「信じさせてくれる」魔力、その強烈なカリスマ性―――リュータンの前で嘘をついても意味がないんだと本能が悟ったとき、トモの幾重にも鎧われた心がへなへなとくず折れていくのがはっきりと見えました。
凛々しい表情を彫りつけた仮面の下からビックリするぐらい素直な少女の顔が現れて「彼女はこんな顔をした子だったんだ」と初めて知った気がしました。
まるで、神様の前に引き出された人間みたいだった。
紫吹リュータンの煽動で皆が歌い、踊る、その輪の中でトモは死の恐怖からたしかに逃れていました。誰よりも、トモこそが先頭に立ってうねりを作っているかのようだった。
リュータンがトモに微笑みかける「大丈夫だよ」と。
トモが満面の笑顔でそれに応える「信じています」と。
その姿は極端に純化された美しい世界のようで、まるで宝塚の舞台のようで・・・
それは麻薬に浮かされたハイ状態のようなものだったのだろうけれど、確かにこの一瞬、リュータンに護られたトモは魂の底から安心しきっていたようでした。
本当に綺麗な顔で笑っていましたもの。
本当に力強い、確かな生命力に溢れていましたもの。

湖月リュータンはただひたすらに誠実でした。彼女はもう必死でトモを護ろうとしていた。
大丈夫、大丈夫と言うそばからトモの細い体を抱きしめて、何者からも護ってやろうとしているようでした。
皆が歌い踊る群舞の中で、リュータンがトモを見る眼のすさまじく切迫していたこと、ほとんどにらみつけるように切れ上がったその眼の、恐ろしいばかりの真剣さ―――
そのまなざしに晒されて(まさに「晒されて」という感じ)トモは思い知ったのだと思います。自分がどんなに想われているか、大切にされているか、必要とされているか。
そして、愛されているのか。
それを知って、彼女は心が強くなったんじゃないかなと思うのです。
明るい歌声は、力強いダンスは、負けるな、頑張れと、仲間達が全身で叫ぶ姿。
ありがとうございます、ありがとうございますと、そう繰り返しながら自分の足で立ち上がろうとするトモの姿。
それを支えようとするリュータンの腕、みんなの手。
みんながトモを盛りたてて、ともに立ち上がろうとしている。

《くららベニ@「かっこいい!!」》

リュータンがトモをガッと抱き寄せた瞬間、ベニが「カッコいい!!」って叫ぶんですが、
くららベニのその言い方、その間!もう絶妙なんです!!
この一言がもうバシッと効いて、本当にいいマでかかった大向こうの一声のよう!
トモの告白に深刻なシリアスムードにある空気の中、超難しい一言だと思う。ある意味「バカ発言」でしょう(^^;
でも、くららベニの言葉は一切の不純物がない心が叫ぶ感嘆詞そのもので、トコトン真面ゆえにフッと空気が緩むユーモラスさもあって、一言が場面に与える影響ってのがこんなにスパイスになるものか!と思わせるぐらい。
他の出演者さんとの息もバランスも文句なし、場面の空気がトコトン詰んでいて、しっかりペーソスがあって、重量感もそのまま、かつ軽やか。とにかく最高でした!
この一言で、彼女がどれだけ優れた舞台人なのかが良くわかりましたねぇ!!この舞台が古典になっても、この一言はこう言うんだ!って芸談を伝えて欲しいぐらいです。

―「その4」へ続く♪―
http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/56927139.html


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