文花座

歌舞伎、宝塚歌劇団、劇団四季・・・大好きな舞台の感想をつらつらと♪

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――初めての方は「その1」からお読みください――

《福助丈の女形芸》

桜姫を演じる福助丈を観ていて、突然、自分の中でものすごく納得できたことがあったんです。
「歌舞伎の『女形芸』って、こういうことなんだ!」って。

仕草作法が女らしい、色っぽい、容姿が端正―――「生身の女と見紛うばかりに」。
それが女形の魅力だと思っていました。
でも、それだけを求めるのなら、究極の目標が「女そのもの」であるのなら、女形が存在する意味ってものすごく浅い。それこそ女優を使えばいいだけのこと。

でも、福助丈が演じた桜姫は「生身の女」ではありませんでした。
女の持っている業のようなもの・色濃く匂う体臭みたいなものを、ものすごい濃度で一つ体に凝縮した「女のようなもの」。
女形が演じる女は、生身の女そのものではない。
女の中に住んでいる「化け物」を白い体に住まわせて、それを綺麗な衣装で包んで、生き、笑い、そこに居る――
女より、美しく。
女より、残酷に。
女より、もっと「女らしい」
この一種異様な不気味さをも内包した存在、「女のようなもの」こそが、「女形」なのだと感じたのです。
これは、到底生身の女性には生み出せない芸だ、生み出しようがない芸だと思いました。
福助丈の桜姫は、素晴らしく濃密な「女形芸」だと思いました。

《愛され憎まれる「憧れ」》

周りの男たちすべてを飲み込み狂わせる魔性に、言いようのない快感と同時に嫌悪を感じました。
浅ましく落ちていく姿に、哀れさと同時に「いい気味だ」という薄笑いを感じました。
そして、すべてを失い独りぼっちになって泣く姿はあまりに可哀想で可哀想で、本当に涙が出るほどに切ない思いがしたのです。

福助丈が演じた美しい桜姫は「女の憧れ」そのものであったと思います。
女は美しい女を愛します。その美しさに憧れ、敬服し―――そして憎む。
憎むけれども、しんそこ愛しているのです。

福助丈演じる桜姫に対する観客(=私)の素直な感情は、まさに女に対するそれでした。
芝居の筋がそうだから、語る台詞がそうだからというだけでは絶対ないのです。
福助丈の桜姫が怖いくらいに「女」だったから、こちらも女の感情を彼女の上にぶつけて観たのです。

中村福助丈って、凄い役者だなと思います。怖い役者だなと思います。
この方が年を重ね、その美貌は衰えたとしても―――
この人の中には女が居る。年を重ねて、心の中に感情を折り重ねていった女が。
この人は、将来、何を観せてくれるのだろう。
そのことを考えるのは、この上なく楽しく、この上なく怖いように思えました。

閉じる コメント(6)

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ふむふむ・・お勉強になります!!いよいよ8月ですねー

2005/8/4(木) 午後 1:38 天ママ

演じるからこそ「生身の女」を超えた女になれるってわかる気がします。もちろん一流の役者にしかできない事だと思います。yukiyanagiさんをぞっこんにさせる福助さんのすごさ、私もいつか間近で観てみたいですね♪

2005/8/5(金) 午後 0:36 wmmotja

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いやぁ、専門家さんに言わせればまた違うのかもしれませんが、今まで漠然と「なんでこうも魅力的なのかなぁ・・・」と思っていた女形芸の芯のところ、私のなかで「スコーン!」と納得できたのですよね(^^>いよいよ8月!もう、楽しいことが次から次へと(笑)嬉しい悲鳴ですわぁ♪

2005/8/5(金) 午後 0:59 [ 雪柳 ]

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涼子様にも是非体感して頂きたい〜!時折ぞくりとするほどの凄みを見せてくださる時があるんです(普通の時も、ある(^^>)福助丈の魅力ってひとつじゃなくて、観る舞台ごとに違う色をみせて下さるトコロがファン冥利に尽きます(^^)うぶな生娘の甘い声に、幼さと無自覚の色気を滲ませたり。小ずるい知恵者ぶりに憎めない愛嬌があったり。身を持ち崩した退廃の雰囲気がもの哀しくせつなかったり。繊細な芝居ぶりかと思えば、こちらがあっけにとられるくらいのはっちゃけぶりで暴れたりね(笑)

2005/8/6(土) 午前 1:05 [ 雪柳 ]

最近、映画で福助さんの「娘道成寺」を観たのです。真近で初めて福助さんを見て、雪柳さんのこのシアターコクーンの記事の感覚が実感としてなんだかわかった気がしました!しかもラストシーンは京鹿子道成寺の曲だったんですね!?ああ、桜姫の福助さん、もっとちゃんと観たかったなって思いましたわ〜。そして改めて雪柳さんの記事に深く共感しました!

2005/10/8(土) 午後 10:48 wmmotja

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真っ白なお衣装にかがり火が映り込む、あのクライマックスシーン―――映像に引きずり込まれましたよねぇ!眼差しの先に何があるのか、知りたいような知ることが恐ろしいような思いがしました。大丈夫っ!これからの福助丈を観続けていれば、あの凶暴な蛇の襲撃を生身で受けることができますからねっ(笑)あぁ、福助丈が居るって幸せだなぁ!

2005/10/10(月) 午後 11:21 [ 雪柳 ]


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