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★この記事は『投票 Q. 歌舞伎で観たいシェイクスピア作品は? 』関連記事です★
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『冬物語』
【あらすじ】
シシリィ王・リオンチスは幼くして父王に死なれ、不遇な少年時代を過ごしてきました。
しかし、現在は国も穏やかに治まり、愛しい家族―――美しく貞淑な妻・ハーミオネ王妃、可愛い盛りの一人息子に囲まれ満ち足りた毎日を過ごしていました。
そんなリオンチス王にはひとつの願いがありました。
幼い日々を共に育った親友と再会し、素晴らしい友を王妃に紹介したいと願っていたのです。
親友は現在のボヘミア王・ポリクシニス。
彼もまた幼くして父王に死なれ、似通った境遇の二人は幼い頃から一緒に育てられました。
しかし、成長した二人は互いの国へ呼び戻され、別れ別れとなったのです。
リオンチスの熱心な招待に、ポリクシニスがシシリィ宮廷を訪れました。
二人は久々の再会を喜び合い、楽しい話題は尽きることをしりません。ハーミオネ王妃もポリクシニスの人柄にすっかり打ち解け、三人は昔からの幼馴染のように楽しい時をすごしました。
やがてポリクシニスの帰国の時が迫ってきました。
名残惜しいリオンチスは滞在を伸ばすよう願いますが、ポリクシニスは聞き届けてくれません。
しかし、夫の願いを叶えようとしたハーミオネ王妃の必死の懇願に負け、滞在を延期することになりました。
このことを初めとして、リオンチスの胸に黒い影がちらつき始めたのです。
ポリクシニスとハーミオネ王妃の仲を疑うあまりに嫉妬心が膨らみ、ついにリオンチスは家来・カミロに命じてポリクシニスを殺害させようとしました。
しかし、このことが根も葉もない邪推と知っていたカミロは、ひそかにポリクシニスに事実を告げ、共にシシリィを脱出してボヘミアまで逃げたのです。
それ以来、カミロはボヘミア王の側近として仕える事となりました。
ポリクシニスの逃亡は、燃え上がる嫉妬心に油を注ぐ結果となりました。
嫉妬に狂ったリオンチスは、幼い王子の目の前からハーミオネ王妃を連れ去り、獄舎につないだのです。
ハーミオネ王妃のお腹には、二人目の子供がいたというのに!
監獄の中で王女を産んだハーミオネ。しかし、頑ななリオンチスは、娘の姿を見ようともしません。
そのあまりに惨めな有様に、ハーミオネ王妃の親友・ポオライナは、可愛らしい王女の姿を一目見たならリオンチス王の心も和らぐに違いないと考えました。
リオンチスの前に王女を連れ出したポオライナは、ハーミオネの無実とリオンチスの不人情を必死に口説きますが、リオンチスは怒りをあらわに彼女を追い返します。
王の前を下がる際、ポオライナは最後の望みを託し、王女をリオンチス王の下へ置いてきました。
人の前では強がっても、子供の愛らしさの前では哀れをもよおすだろうと考えたのです。
しかし、リオンチスはポオライナの夫・アンチゴナスを呼びつけ、この王女を遠い土地で殺してしまえと命じたのです。
リオンチス王はハーミオネ王妃の罪について、アポロの神託を受けようと家来を遣わしました。
そして、王女を失った悲しみから立ち直れずにいるハーミオネ王妃を裁判に引き出したのです。
王妃の罪を頑なに信じ、何をしても、何を言っても聞く耳を持たないリオンチス王に絶望する王妃。
裁判の真っ只中、アポロの神託を受けた家来が戻ってきました。
「ハーミオネは無罪である。
ポリクシニスも無罪であり、カミロは忠臣である。
リオンチスは嫉妬深い暴君である。
王は、失った子を取り戻さない限り嗣子を得ないであろう」
しかし、リオンチスは神託にすら耳を貸さず、王妃の罪を暴こうと躍起になるのでした。
そこへ、悲しい知らせが届きました。
幼い王子が、母が死刑になるやもと聞き及び、その身を案じる心痛のあまり命を落としたというのです!
ハーミオネ王妃はショックで倒れ、奥へ運び困れました。
しばらくして、リオンチス王はハーミオネ王妃が亡くなった事を告げられたのです。
愛妻と愛児を一度に失い、リオンチス王は我にかえりました。
あまりに大きな代償を支払ったあげくに、リオンチス王はハーミオネ王妃の無実を知ったのです。
そして、先ほどの神託が思い出されました。
「失った子を取り戻さない限り、嗣子を持たないであろう」―――
王子が死んでしまった以上、失った子とは自らの手で捨てた王女のことに違いありません。
王は捨てた王女を探し出すことを決意し、自分の罪を悔いる苦しみの中で日々を過ごすこととなりました。
王女を託されたアンチゴナスは船で海に出ましたが、激しい暴風雨に会い、遠い海岸に流れ着きました。
そここそ、あのポリクシニスが治めるボヘミア国だったのです。
アンチゴナスも、幼子を自らの手にかけるには忍びなく、王女の身分をほのめかす手紙と「パーディタ」の名を産着に忍ばせて置き去りにしました。
捨て子は幸運にも土地の羊飼いに拾われ、羊飼いの娘として育てられることとなったのです。
パーディタは、気高い美貌の乙女に成長していきました。
ボヘミア王・ポリクシニスには一人息子がいました。王子・フロリゼルは羊飼いの家の近所に猟に出かけ、パーディタを見初めたのです。
フロリゼルは偽名を使って羊飼いの家を訪れるようになり、二人はたちまち恋に落ちました。
フロリゼル王子の宮廷不参が度重なり、不興をもよおしたポリクシニスは王子に見張りをつけました。そして、この小さな恋が発覚したのです。
羊飼いの家で、羊毛の刈り込み祝いが行われていました。
一種のお祭りのようなもので、集う人だれもを歓待し、楽しく浮かれ騒ぐのです。
変装したポリクシニスとカミロは祝祭にもぐりこみ、パーディタとフロリゼルの姿を見つけました。
若い恋人同士の熱情は祭の活気と共に盛り上がり、フロリゼルはパーディタに求婚します。
姿を現したポリクシニスは、身分卑しい娘と婚約しようとしたフロリゼルを叱りつけ、その場からフロリゼルを引きずって行ってしまいました。
進退窮まった恋人達は嘆き悲しみます。
そこに二人に同情したカミロが現れ、駆け落ちの手助けをしようと申し出たのです。
年老いたカミロは、昔懐かしい故郷・シシリィへの望郷の念に駆られていました。
また、一時は暴君と化した旧主も今は過去を悔い改めていると聞き及び、二人を同行して帰国し、シシリィ宮廷へ匿ってもらおうと考えたのです。
フロリゼルとパーディタ、カミロ、そして羊飼いは長い船旅のすえ、シシリィへとたどり着きました。
シシリィ王・リオンチスは、一行を大歓迎で受け入れました。
旧友の子息が自分を頼ってくれたことを喜び、父王との友情を復活させることが出来たならと願うのでした。
そして、パーディタを一目見た王は瞠目します。あまりに、亡き妻・ハーミオネにそっくりだったからです!
話し合ううち、王が王女を捨てた状況と、羊飼いがパーディタを拾った状況がぴたりと符合することが発覚しました。
そして、捨て子が発見された時に身に付けていたという品によって、彼女こそが王女であることが判明したのです。
リオンチス王は狂喜し、そしてここにハーミオネ王妃がいないことに新たな悲しみを募らせるのでした。
リオンチス王の嘆きに接したポオライナ(=ハーミオネ王妃の親友)は、「素晴らしい彫刻が出来上がったので、是非ご覧頂きたい」と王を誘いました。
ポオライナに導かれ、リオンチス王とパーディタの前で幕を取り払われた立像の姿は―――
「ハーミオネ!」
それは、まさにハーミオネ王妃に生き写しであったのです!
父子は、まるで生きているかのように美しいその姿を前に泣き崩れます。
リオンチス王の、この上ない喜びと深い後悔、王妃への愛を叫ぶ声に、信じられない奇跡が起こりました。
立像がゆっくりと動き出し、二人を優しく抱いたのです。
なんと、その立像は生きていたハーミオネ王妃その人だったのです!
かつて、嫉妬の鬼となった王から王妃を守るためには手段がないと、ポオライナは王妃を死んだと偽って自分の館に匿ったのでした。
ハーミオネ王妃は王の後悔を知り、自分への仕打ちはとうに許していましたが、幼い王女への仕打ちだけは許すことができませんでした。
しかし、王女は戻ったのです。
リオンチス王の、ハーミオネ王妃の喜びはどれほどだったでしょうか!
そして、喜びに満ちたこの場所へ、息子を追ってやってきたのはポリクシニス。
リオンチスとポリクシニスは、かつてのわだかまりを解き、ふたたびあつい友情を約束します。
そして、いまやシシリィ王女であることが発覚したパーディタと、子息フロリゼルの結婚を許したのです。
若い二人の恋も、紆余曲折を経た夫婦の愛も、友情も、すべてが整った大団円!
再び幸せを得た一族は、末永く幸せになるのでした。
【勝手空想による(笑)見どころポイント!】
●巨大な立像が動き出す!?王妃の生還!
美しい「彫刻」がゆっくりと動き出し、人の命を取り戻す・・・
この劇的な場面、歌舞伎女形で観てみたくてたまりません!!
そして、ここにいたるまでのリオンチス王の台詞がまたイイの♪
(立像を見て、言葉もない王に)
ポオライナ:「王様の沈黙を好ましく存じます。それはあなた様のご驚異をそれだけ多く示しているものでございますもの。この立像は、王妃様そっくりだとお思いあそばしませんでしょうか」
リオンチス:「ああ、本当に、私がはじめて求婚したときに、このとおりの気高さで立っていたっけ!だがポオライナよ、ハーミオネはこの立像のように老けてはいなかった」
ポオライナ:「そこが彫刻家の優れたところでございます、ハーミオネ様が生きておいであそばしたら、これくらいにお見えあそばすだろうというところをこの立像に現したのでございますもの」
・・・面白い(笑)この台詞、めちゃめちゃ面白いものになりそうじゃありません!?
大団円のハッピーエンド、朗らかに楽しいものになりそうです(^^)
【雪柳的★理想配役】(敬称略)
この芝居、拮抗つけがたい二つの案があるのです!
まず、一組目!
リオンチス王:中村吉右衛門
ハーミオネ王妃:中村雀右衛門
パーディタ姫:中村芝雀
フロリゼル王子:中村梅玉
ポオライナ:尾上菊五郎
しっとりとした情愛、罪も愛も深いドラマが描き出されそうじゃありません!?
二つ目は!
リオンチス王:中村勘三郎
ハーミオネ王妃:坂東玉三郎
パーディタ姫:尾上菊之助
これぞ華やか!おかしみに大笑いしながら、じんと沁みる大団円になりそうっ(^^)
【若手歌舞伎なら】(敬称略)
リオンチス王:尾上松緑
ハーミオネ王妃:尾上菊之助
ポリクシニス王:市川海老蔵
ポオライナ:市川亀治郎
これね、それぞれにカナリはまり役だと思うんですよ!
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