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★この記事は『投票 Q. 歌舞伎で観たいシェイクスピア作品は? 』関連記事です★
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『ハムレット』ストーリー詳細 その1はこちらから↓
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『ハムレット』ストーリー詳細 その2
デンマーク宮廷に、悲しい狂気に取り付かれた女の姿がありました。
美しい姿はそのままに、心だけが壊れてしまったオフィーリア。
自分を誰より愛してくれた父が、宮廷に行ったきり戻ってこない。
お父様は殺されたのですって。
なぜなのかしら?
誰になのかしら?宮廷に。王様に。王妃様に・・・ハムレット様に?
死に顔も拝ませてもらえなかった。掻き消えるように消えてしまった。
誰も教えてくれない。お父様はどこに行ったの?
オフィーリアは透明な声を響かせて歌い、涙声で笑い、笑顔で涙しながら王や王妃に花を配って歩きます。
レアティーズに率いられた群集が、宮廷に押しかけてきました。
あまりに理不尽で残酷な、父・ポローニアスの死。それをひた隠しにしようとする宮廷。父は、表ざたに出来ない陰謀に巻き込まれたに違いないのです。
妹・オフィーリアは悲しみのあまり狂ってしまった。花の盛りの美しさのまま、心はもうここにはない。
人の命を奪い、人の魂を殺して、なおのうのうと殺人者は生きている。
この真相を突き止めずに居られようか!
レアティーズの怒りは留まるところを知らず、一直線にクローディアス王に肉薄します。
クローディアス王は、レアティーズの怒りをハムレット抹殺に利用しようと考えました。
老獪な王は事実を巧く包み隠して脚色し、すべてはハムレットの罪とレアティーズに植え付けたのです。
そんな折も折、ハムレットからの手紙が王の下に届きました。
イギリスに向かっているはずの身が、なぜかデンマークに舞い戻り至急宮廷に参上するといってきたのです。
勇みたつレアティーズ。
クローディアス王はレアティーズを刺客にしたてあげ、剣の試合と見せかけて彼を毒殺する手はずを整えました。
そこへ、王妃が涙ながらに駆け込んできました。
なんと、オフィーリアが水に溺れて死んだというのです!
小川に落ちたオフィーリアは、花びらをちりばめた水面に白いドレスと白い顔を浮かべて・・・ドレスが水をはらんで、水底にその姿を引き込むまで彼女は清らかに歌いつづけていたというのです。
妹までもが、殺された。かわいい妹の心を奪い、命までをも奪った、あの憎い「ハムレットめ!」
レアティーズの怒りが烈火のごとく燃え上がります。
イギリスへ向かっているはずが、デンマークへ戻ってきたハムレット。
親友・ホレイショーを手紙で呼び出し、二人で宮廷までの旅をしています。
道すがら、墓穴を掘る墓堀りに出会った二人。
ハムレットはそばに転がる頭蓋骨に生死の儚さを感じ、戯れに墓堀りと語り合っていました。
埋葬されるのは若い女だと。しかも自殺者だというのです。
ふうん、生命力に溢れた乙女が死を選ぶまでに追い詰められるなどと。そんなことがあるものなのか。
そして、埋葬される死者の葬列が―――
葬列のなかに王と王妃の姿を見つけ、驚くハムレット。
そして・・・オフィーリアの兄・レアティーズ。
(まさか、この葬列は)
「俺の妹は天上で天使になっていようぞ!」レアティーズの叫びに、ハムレットは驚愕します。
あぁ死者はオフィーリアだ!あの娘が死んだ!
棺が下ろされ、参列者の手で土がかけられていきます。
レアティーズが狂ったように墓穴に飛び込み、このまま供に埋めてくれと叫ぶ悲痛な声が墓地に響き渡ります。
それ聞いたハムレットは押し留めるホレイショーを振り切って踊り出し、墓穴に飛び込みました。
レアティーズと掴み合い、罵られながら声を限りにオフィーリアへの愛を叫ぶハムレット。
虚無感にがらんどうになったまま、ふらふらとその場を去るのでした。
イギリスに向かったはずが、なぜデンマークに舞い戻ってきたのか。
ハムレットは、ホレイショーに驚くべき現実を打ち明けました。
クローディアス王からイギリス王へ宛てた親書を盗み読んだハムレット。そこには「何も聞かず、この親書を手渡した人物を殺せ」と書いてあったのです。
ハムレットは、クローディアス王との対決を決意します。
そこで襲撃を受けた海賊船に逆に飛び乗り、船を手なずけて一路祖国を目指したのです。
「親書を持ってイギリスへ渡ったローゼンクランツ達は、何も聞かずに殺されたろうな」
ハムレットの元に、王の使いがやってきました。
剣の腕前は誰にも引けを取らぬ息子・ハムレットを誇っていたところ、レアティーズの腕前が大変な評判になっているのを聞きつけた。
息子が負ける訳などないと大層な賭けをした、是非一度立ち会ってみて欲しいと。
たやすいことと、ハムレットはその申し出を承知します。
この試合はハムレットを葬るために仕組まれた、クローディアス王の黒い策略でした。
先止めのない剣に猛毒を仕込み、レアティーズにその剣を選ぶよう命じてあったのです。
わずかでも剣先がハムレットの体をかすれば、たちまちにも命が尽きる―――
さらに念には念をと、ハムレットが喉を潤す為に準備した杯に毒を仕込みました。正々堂々としたところのない、卑劣な策略。
二重に仕掛けられた罠がハムレットを待ち構えていました。
立会いの当日・・・
付き添いのホレイショーに、妙な胸騒ぎがするともらしたハムレット。
それを聞いたホレイショーは、かつてないことに不気味な不安を覚え、本日の立会いを中止してくれと願います。
しかし、ハムレットは笑い飛ばし聞き入れません。
そして、策略に満ちた試合がはじまりました。
ハムレットの腕前はさすがのもの。息詰まる戦いに、一同が静まり返ります。
ガートルード王妃は久々に目にする息子の晴れ姿に浮き足立ち、その勝利を祝ってハムレットの杯で乾杯をしようと言い出します。
(その杯には毒が!)
内心の叫びを言葉にすることも出来ず、瞠目する王の目の前で王妃は毒杯を飲み干しました。
ハムレットの予想以上の強さに、毒剣で傷を負わせることの出来ないレアティーズは焦りだします。
焦りが悪魔を呼んだのでしょうか、背を向けたハムレットに卑怯な剣を振るうレアティーズ。剣先がハムレットの皮膚を裂き、傷を負わせました。
神聖な試合でこのような真似を。かっとなったハムレットは、レアティーズに襲い掛かります。
揉み合ううちにお互いの剣が入れ替わった二人。レアティーズが手にしていた毒剣で、ハムレットはレアティーズにとどめの深手を負わせました。
そのときです。王妃がうめき声を上げて倒れ伏しました。驚く一同の目の前で、杯に毒が仕込まれていたのだと告げた王妃は絶命します。
毒杯!
「陰謀だ、犯人は誰だ!」
叫ぶハムレットの足元で、瀕死の深手を負ったレアティーズが真実を語ります。
あの剣には毒が仕込まれていたのです、ハムレット様、貴方のお命もあとわずか。
怒りに目が眩み、卑怯な企みに荷担した罪を受けて、自分も死地へ赴くこととなりました。
王妃様までが巻き添えに・・・このような浅ましいことが。
罪は、王に。王にこそ。
ハムレットは毒剣を手に、ふらりと王に向き直ります。王を毒剣で刺し貫き、母の命を奪った毒杯を呷らせて・・・
ぐらりとその体が揺らぐのにホレイショーが飛びつき、涙ながらにかき抱きます。
死出の供をさせて頂きますと、毒杯の残りを呷ろうとするホレイショーの手から杯を叩き落したのが最後の力。ハムレットは仰向けに倒れこみました。
ホレイショー、どうか、生きて、伝えてくれ。
このままでは、ハムレットにどのような汚名が掛かるとも知れない。
どうか、このハムレットの物語を――――
新国王にはフォーティンブラスを。あの、猛々しき若者を。それがハムレットの意志だ。
王家一族が絶命した広間にフォーティンブラス、イギリス使節が現れ、あまりの惨劇に息を呑みます。
ホレイショーの語る言葉を聞いたフォーティンブラスはハムレットの遺体に礼を尽くし、遺言を受けることを宣言するのでした。
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