文花座

歌舞伎、宝塚歌劇団、劇団四季・・・大好きな舞台の感想をつらつらと♪

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

東海道四谷怪談(=とうかいどうよつやかいだん)

【浅草観世音額堂の場】

塩冶家に仕える武士・民谷伊右衛門は、藩主・塩冶判官が引き起こした刃傷事件(=殺人未遂事件)によってにわかに起こった御家断絶の大騒動に紛れ、藩の御用金を着服しました。
その事実が妻・お岩の父親である四谷左門の知るところとなり、その浅ましい不忠に腹を立てた左門は、有無を言わさず伊右衛門とお岩を離縁させたのです。
そのときすでに、お岩のお腹には伊右衛門の子が宿っていました。

手に職もない武士が禄を離れ(=失業し)、頼るあてもないとなれば経済的に追い詰められるのは時間の問題。
四谷左門も例外ではなく、娘のお袖(=お岩の妹)を物売りの店番として勤めさせていましたが、ついに窮し、お袖は今晩よりお金で体を売る商売に身を落とさねばならなくなりました。

左門も恥を忍び、道に立って物乞いをしようとしたところ、その場を縄張りとする浮浪者たちに取り囲まれます。
そこへかつての娘婿・民谷伊右衛門が現れ、浮浪者たちに金を与えてその場を収めました。

左門が屈辱に耐え、礼を言って立ち去ろうとするのを、伊右衛門が留めます。
伊右衛門は、仲睦まじく暮らしていたものを訳も話さず一方的に離縁させられたと、お岩との復縁を願いますが左門は聞く耳をもちません。
せめて理由をと追いすがる伊右衛門に、左門は御用金着服の事実をつかんでいることを告げ怒りもあらわに立ち去りました。

(子までなした妻との仲を裂く元凶、さらに御用金着服の事実までをも掴まれている―――)
伊右衛門の心に、左門殺害の決意が固まりました。

物売り家業に身を落としたお袖には、常から言い寄る男がいました。
直助権兵衛。もと塩冶家中の武士に仕える下僕であり、今は薬売り商人として身を立てています。
直助は、かつて恋焦がれつつも高嶺の花とあきらめていたお袖が今は零落し、金に窮していることに付け込んで言い寄りますが、お袖には佐藤与茂七という許婚の存在があります。
また、落ちぶれたとて武家の子女のプライド、お袖は直助の思いをぴしゃりとはねつけます。

しかし、お袖が今夜より金で売り買いされる商売女と知った直助は、手引き婆に金を握らせ、思いを遂げる手はずをつけました。

夜―――女を売る商売宿。
指名を受け、おずおずと部屋に入ったお袖を待っていたのはなんと直助!
四谷のお嬢様時代を知る知り合い、それも最前言い寄られた時には「身の程を知れ」と高飛車に撥ねつけた男に、この浅ましい姿を見あらわされたお袖は驚愕しますが、直助はへりくだって宥め、懐から大金を取り出します。
かつては同じお家に仕えたもの同士、用立てたこの金子でお袖様をお助けできればと――
直助の忠義面に、世慣れぬお袖はこの金を好意で貸してもらえるものと思い込み、それを受け取ります。
しかし、直助はお袖を金で買ったつもり。
そのまま寝間に引き込まれ、ここが瀬戸際の大ピンチに!

そのとき、一人の男が商売宿を訪れました。
引き手婆に若い美女と触れ込まれ、男もお袖を指名します。
とんでもないダブルブッキングですが、そこでひるまないのがやり手の手腕。引き手婆は、今まさにコトに及ぼうと逸る直助の元から言葉巧みにお袖を連れ出し、新たな客の元へと連れてきました。
覆いをかけ、光をさえぎった行灯(=あかり)をめぐって、顔を見せろ、いやそれはご勘弁ください・・・と遣り合っているうち、不意にするりと覆いが外れ、照らされた光の中で見合わせた顔は――
「あっ女房!」
「だんなさま!」
なんと、男は御家断絶の騒動以来行方知れずになっていたお袖の許婚・佐藤与茂七であったのです!
女房何故に!?(怒)
恥ずかしい・・・ってそういえばあなたも何でこんなところに!?(怒×2)
と夫婦が痴話げんかを繰り広げるうち、だまされたと知った直助が怒鳴り込んできました。
直助は、四谷家に用立てた金を盾に与茂七からお袖を取り返そうとしますが、いまや頼りになる夫とめぐり合えたお袖は金を突き返し、与茂七と二人、直助を散々に辱めます。

やがて、店の屋号の入った提灯を下げて立ち去った与茂七。
その姿を、憎悪に燃える目で見守る直助の姿がありました。

――その2へ続く――

【公演データ】
公演名:コクーン歌舞伎『東海道四谷怪談』北番 
会場:Bunkamuraシアターコクーン
観劇日:2006年3月18日(初日)

【主な配役】(敬称略)
お岩・直助権兵衛:中村勘三郎
民谷伊右衛門・小汐田又之丞:中村橋之助
お袖:中村七之助
お梅:片岡新悟
秋山長兵衛:片岡亀蔵
伊藤喜兵衛・按摩宅悦・お熊:笹野高史
四谷左門・仏孫兵衛:坂東弥十郎
佐藤与茂七・小仏小平:中村扇雀

《大好き!ゆえの、我侭》

私は勘三郎丈が大好き、コクーンで作り出される歌舞伎が大好き。
この感覚は「だからこそ」の我侭なのだって、自分でもそう感じます。
私は、初日の舞台に我を忘れて「大満足!」の絶賛を贈るほどの気持ちの高揚はありませんでした。

ものすごく抽象的な言い草になります。物語のテンションが、加速度を持ってうねりあがっていく感じがしなかった。
いや違う、うねり上がるというより引きずり込んでいく、人の力ではどうしようもないような「別の力」が、今回の舞台には働いていないような感じだったのです。
特に、観劇後の後味になる「後半」に。

その感覚の理由―――たぶん、前半ラストに位置づけられたお岩さまの死があまりに深すぎて、あまりに凄すぎて、ほかの何もかもがそれに太刀打ちできなかったのだって思うのです。
勘三郎丈の演技としても、演出としても、いやもっと根本的な「人間の業」が人間の枠を突き抜けてしまう凄まじいばかりのお岩さまの情念、負のエネルギーが、もうどんな工夫も作為も太刀打ちできないものだったのだろうって。
なんていうかね、あの場面だけが、人間の作り出す色では表現できない悪魔の絵画みたいだったのです。

前半でそれほどの恐怖を味わったあとの、後半―――生意気な言い草ですが、趣向は面白いし、めったに見ることの出来ない場面は目新しいし、役者さんの演技は魅力的だし、何もかも文句はないっていうのに、なんともあっけなく思えた。
あれほどの情念が、呪いが、不自由な肉体を捨てて襲い掛かるという恐怖を思うと、もはや目にすることが耐えられない気さえする伊右衛門の狂いが、運命の残酷さが、前半で見せられた恐怖を体感した身としては、心が波立たないほどのものでしかなかった。
恐怖に麻痺した心をさらに縛り上げるほどの力がなかった。

ラストシーンの串田演出は、奇妙に明るく、そして不気味で―――
シュールな悪夢、覚めない白昼夢のような感じがしました。
でも、もっともっと見せ付けて欲しかった。伊右衛門の罪と悪行の報いをもっともっと観客にたたきつけて欲しかった。
立ち上がれないほどに叩きのめして欲しかったって、私はそう思ったのです。

《スタンディングは誰のため?》

幕が下りたあと、場内は大拍手に包まれました。
すばらしい演技を見せてもらいましたもの、拍手を惜しむ気持ちなど起きるわけがありません。
鳴り止まない拍手に、何度もカーテンコールの幕が上がります。
この舞台を作った人たちに、当然の権利だと思いました。客席は、初日の祝福もねぎらいもすべて拍手に込めるのだもの。
けれども、にわかに起こったスタンディングオベーション―――
(ああこれは違う)って、はっきり思いました。

すごく嫌な言い方をします、お気を悪くなさった方がいらしたら本当にごめんなさい。
でも、偽らない気持ちの素直な感想として、初日の舞台はスタンディングに値するものではなかったと思います。
このことは、私一人の感覚とは言い切れない雰囲気が劇場内に確かにありました。
会場の熱気というのは肌で分かります、客席はこの舞台に喜んでいた、でも「狂わされてはいなかった」。
それなのに、舞台に対する最大級の絶賛が贈られた。

客席は、このスタンディングを舞台そのものに贈ったんじゃない。
初日のお祭り、大好きな役者さんたちと一緒に喜びたい、盛り上がって楽しい気分になりたいって、そういう気持ちを思わせたのです。
正直に白状すれば、私が初日を選んだのもこのためでした。盛り上がって、楽しみたかった。
純粋な歌舞伎公演の客層では、どんな名演にもスタンディングがおきる雰囲気がないことが多いです。
コクーンには、それを許してくれる雰囲気があることを私たちは知ってる。

初日の舞台を見に来る人たちって、他日とは明確に客層が違います。
ファンだけなんです。いわば、客席を身内で固めた公演なんです。
だから、客席が役者に「甘えた」んだって思いました。ちょっとでも一緒にいたいと、姿をみたいと、客席が純粋以外の気持ちで役者にねだったんだって感じました。

初日のお祝いに何を野暮なこと、と自分でも思います。
でも、このスタンディングを私は失礼なことと感じたのです。
この舞台にスタンディングが起きるなら、役者さんに「最高の舞台」を表現するのに、何をしたらいいのだろう?
スタンディングが恒例になって、儀式みたいになって、本来の「舞台と客席の心の交流」が失われていくならそれはとても悲しいことだって、そう思いました。

市川春猿丈が、お料理番組『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』に今週一週間のゲスト出演なさいます!
見所といったら番組のホスト役・上沼恵美子さんのお料理助手としてゴカツヤク・・・って、春猿丈普段お料理なさるのかなぁ?
エプロン姿が・・・似合っているような・・・少し見たくないような(フリルエプロン想像中(笑))
さらに大阪オバチャンの超強力な口撃をどうかわす!?
美女の手料理、お手並み拝見でございます(^^)

番組名:上沼恵美子のおしゃべりクッキング
放送局:テレビ朝日系 
放映日時:3月20日(月)〜24(金) 13:05〜13:20
ゲスト出演:市川春猿丈

『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』公式HPはこちら↓
http://asahi.co.jp/oshaberi/

開く トラックバック(1)

中村勘三郎丈ご出演のTV番組を見つけました(^^♪

番組名:「ソロモン流」
放送局:テレビ東京系
放映日時:3月19日(日) 21:54〜22:48

医師・平石貴久さん密着取材の一部にご出演なさるそうです。
お医者さまと歌舞伎役者、どのようなご交流をおもちなのだろ?
内容はまったく分かりませんが、チェックチェック!

『ソロモン流』公式HPはこちら♪
http://www.tv-tokyo.co.jp/soromon/

こんなステキな企画が、しかも無料!うわぁさすが天下の早稲田は太っ腹♪

『早稲田大学 演劇博物館企画 ――六世中村歌右衛門展〜当り役を中心に〜――』
会期:2006年3月25日(土)〜4月28日(金)
会場:早稲田大学演劇博物館 1階特別展示室

六世中村歌右衛門丈の足跡を、あたり役を中心に豊富な資料と展示品でみせてくださるのだそう。
白黒のお写真を見てさえ、一級品の美女の迫力が漂いますものねぇ!
歌舞伎界の立女形とあがめられた「美しき女王様」の残り香が、鼻先を掠めてゆく気がしますかも(^^)

展示会に併せて、中村魁春丈による対談トークショー『六世中村歌右衛門を語る』も開催されるとのこと。
落ち着いた雰囲気で、たっぷりと聞かせていただけそうな感じですねぇ!
こちらも入場無料、事前予約不要です(^^)

日時:2006年3月24日(金)14:40〜16:10
会場:早稲田大学小野記念講堂(小野梓記念館地下2階)
講師:中村魁春 丈(歌舞伎俳優)
聞き手:鳥越文蔵 氏(元演劇博物館館長・早稲田大学名誉教授)

詳しくは、『早稲田大学演劇博物館』公式HPより「展示企画」をご参照ください♪
http://www.waseda.jp/enpaku/special/2006utaemon06.html

歌舞伎座四月公演は、まさに六世中村歌右衛門五年祭。
さくら咲き誇る四月の日、舞台に、展示会に、故人の遺徳を偲ぶがよろしゅうございましょう(^^)

全1ページ

[1]


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事