文花座

歌舞伎、宝塚歌劇団、劇団四季・・・大好きな舞台の感想をつらつらと♪

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竪やの字・立矢の字(=たてやのじ)

【意味】

女帯の結び方。
帯を大きなリボン(=蝶結び)状に結び、肩から腰にかけて斜めに背負うような形にする。
宝暦(1751〜1764)のころ、歌舞伎俳優・二代目瀬川路考が考案したと言われる。

歌舞伎においては、時代物狂言の腰元(=武家に奉公する女性)、武家の娘が結ぶ。

【『竪やの字・立矢の字』お喋り♪】

舞台に居並ぶ腰元衆が揃って結んでいる竪やの字(=立矢の字)。
パキッとした硬質な形のこの帯結び―――いわゆる武家奉公のユニフォームですから色気消しのつもりなのでしょうが、柔らかい曲線で作られた体の線にこれが組み合わさると・・・逆説的にイイ(笑)
ちょっとダサ目?と思えるぐらいのクラシックな制服を着た女子高生が、それゆえにかえって魅力的に、色っぽくみえてしまったりする感じでしょうか(^皿^)

帯って通常の結び方だと、主に腰回りだけを飾り、護る(?)形ですけれど、この結び方だと背中半分が帯の堅い布に覆われちゃうんですよね。
そこにガードの固さを感じつつ・・・裏を返せば半分の「隙」が明確にもなってる。

うーん、こりゃオトノサマとてたまるまい(笑)
女の色気ってね、全開にするより、小出し?隙からチラ見せ?これがより一層効果的でもあるんだな♪と、メモメモ....〆(・ω・。)

・・・って、この感覚はまったく私だけのものかもしれませんが(^皿^)思いません!?

おおっと、話がイケナイ方向に逸れました(^^;
竪やの字語り、ネタはこちら。

『やの字(=蝶結びの部分)をどちらの方向に背負うか』

この帯結びの形は「帯を大きなリボン(=蝶結び)状に結び、肩から腰にかけて斜めに背負うような形」。
つまり、この条件からいくと、形は二通りあります。
●右肩―左腰の斜めラインで背負う
●左肩―右腰の斜めラインで背負う

これ、どちらが正解!と決まっているわけではなく、舞台を観ていても、両方のバージョンが使われているんです。
この違いって何なんだろう、と思いません?

実はこれ、『状況』によって変わるのですって!

屋敷内にいる時は、右肩―左腰ライン。
外出する時には、左肩―右腰ライン。

その理由は、女子といえど武家奉公。
万が一、主君や自分自身が襲われたときすぐに懐剣で応戦できるようにという心得なのだとか。

日本人は右利きが圧倒的多数ですから、懐剣を操るのは右手。
そのとき、右の肩に帯が乗っていては、腕の動きに差しさわりがあります。
ですので、外出等、危険が多い時にはやの字を左に背負い、右手を自由にするのです。

逆に、屋敷内に入る時は身内の侍がいますから、たとえそのような事態になっても戦うのは男の仕事というわけ。
さらに勘繰るなら、刀を使いにくい形にしておくことで女の危険な行動を多少なりとも封じようという心があったのやもしれませんねぇ。

じゃっ、ここで問題!

Q 『道行旅路の花婿』において、腰元・お軽は「やの字」をどちらの方向に背負っているでしょうか?

『忠臣蔵』のヒロインの一人・お軽は、塩冶家に奉公する腰元です。
彼女は、奥方様・顔世御前から文遣いを頼まれ、塩冶判官が登城している足利館へやってきました。
目的は、モチロン奥様からのお手紙を届けること!!!・・・・というのはオモテムキ。
なんせ、そこには塩冶判官の供をして登城した恋人の早野勘平がいるんだもの♪
せっかく来たんだし・・・せっかくだもんちょっとお喋りもしたいよね、ちょっと○○もしたいよね(^皿^)ってなわけで、お軽は上手いこと勘平を外に呼び出して、二人でイチャイチャいたします。

・・・そんな折も折、なんと殿中では塩冶判官が高師直に斬りつけるという刃傷事件が発生してしまいました。
大事件の勃発!当然、事件現場には侵入者も逃亡者も、無責任な流言飛語も許すわけにはいきません。
城の出入り口は即刻封鎖され、外に出ていた勘平とお軽は締め出されてしまったのです。

本来、真面目で勤勉な供侍である勘平は真っ青になります。
どんなに頼もうが喚こうが、城へは入れてもらえない。漏れ聞こえてくる事件のありさまは、敬愛する塩冶判官からは想像もつかぬ、信じることなど出来ようもないことなのです。
嘘か、誠か、主君のお命は今もはやないのか、あるのか、どうなっているのだ、何が起きた!
幼い頃からお仕えした主君の、これほどの一大事に、もっともおそば近くで立ち働くべき自分がなんの役にも立てない―――

勘平はあまりの申し訳なさに腹を切って詫びようとします。
そんな勘平をお軽は必死に止め、今死んでもなんにもならない、お詫びのためにも生きなければと必死に懇願します。
そして、茫然自失の恋人を引き立てるように、ひとまず自分の実家へ落ち延びることとしたのです。

そういう状況で、お軽と勘平が落ち延びていく様を描いた舞踊劇が『道行旅路の花婿』。

このときの状況と、背負う方向のテキストを併せれば答えは簡単♪
こんど舞台にかかったとき、見てみてください(^^)

★【江戸&歌舞伎コトバ事典】 50音順目次★ はこちらから↓
http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/28334090.html

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