文花座

歌舞伎、宝塚歌劇団、劇団四季・・・大好きな舞台の感想をつらつらと♪

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【公演データ】
公演名:『達喜会 ゆかた温習会』
会場:日本橋劇場
観劇日:2011年8月14日(日)11:00開演

【主催者】(敬称略)
藤間達也

《恐るべし、達喜会!》

お盆真っ只中の8月14日。
かつての座に腰を落ち着けたご先祖様にお留守番を頼み、やってきました水天宮は日本橋劇場!
朗らかな夏晴れに寿がれた『達喜会 ゆかた温習会』におじゃましました。

感想を一言、っていうより、事実を述べたほうが手っ取り早い。
11:00すぎに会場に到着して、終演の21:00頃まで。
私は約10時間弱、客席に座っていたのです。

日本舞踊のお浚い会(=温習会)とは、日本舞踊をお稽古する素人さんが、10分〜30分程度の舞踊作品を順番に披露するもので、観客はいつ劇場に入ってもよく、また、いつ出て行ってもかまわないものです(会によって例外はありますが。)
素人さんの舞踊だし。
チケット代は無料だし。
「観た」ってお印を残す義理も、別にない。
頭と心が疲れてしまったら帰るだけの温習会で、誰に頼まれるじゃなく、別段誰とも会話もせず、途中でリポビタンDなんざ飲んで元気を出しながら(笑)、気付けばずうっとそこにおりました。
ずっと感じていたのは、藤間達也先生門下のお弟子さんたちの熱意と、何を語るより正直な踊りの「技」――精神論を並べたって、芸事は残酷だからね。これがなければとてもじゃない、観続けられるものではありません。

特に強烈な印象が残ったのは、観客席の私の疲れもピークに達した頃に舞台に出現した『浦島』@藤間喜也さんの踊りでした。
目に見える踊りの手(=振り)、そこより深いところに魅力の焦点が合っている感じで、彼女の踊りというよりむしろ「作品世界」に視線を縛られた感じがありました。
その裏で、素踊りの彼女そのものが奮闘している、そんな印象。
『浦島』という演目は、二枚扇を使ったり、アクロバティックな扇捌きも見せ場なのだろうけれど、なんと言ったらいいのだろ・・・踊りの「地」に対する信頼感があると、ケレンはケレンじゃなくなるのですねぇ。
要は、扇が落ちようが、技そのものが成功しなかろうが、『浦島』という作品世界が破れなければそれは踊りの本質にかかわる失敗じゃないんだということ。
その前提があってはじめて、ケレンの不安定が魅力になるんだと(それがなくてのケレンは、観客への精神的暴力にすぎないでしょう!)
腕が立つ!自分そのものを押し出しこそしないけれど、舞台が彼女を押し出すようだ。
なんてカッコいいんだろう!
なんてカッコいいんだろう!!(あっ2回言っちゃった!)
心どころか体まで元気になっちゃって、白く霞み始めていた目の前が唐突にクリアになりました。
私には、さっき飲んだリポビタンDより数段効いた!!

そこから怒涛のお名取さん登場の舞台。
舞台に描き出される描線の、誠実な、引き締まった筆遣いは、そこまでにいたる出演者さんから総じて得た印象を一層クリアにした感じでした。
これが、藤間達也さんというお師匠さんが、お弟子さんに伝えている「芸」の姿というものか。

そしてラストを飾る会主・藤間達也さん他による『太刀盗人』。
なんとゴージャス(>▽<)遊び心をたっぷり含んで大胆で豪快、心は軽く浮き立つも、舞台世界はどっしり重心が低いというか。
田舎者万兵衛@花柳寿太一郎さんのきっぱりした、魚にたとえると(←なぜ!?魚!?)ぷりっ!とした新鮮明朗な刺身みたいな踊りに対して、すっぱ九郎兵衛@藤間達也さんは「ほろほろっじわじわっ」とした煮魚みたいな旨み。でも芯に魚の新鮮さを残した、絶妙なる匠の技!!
どっちも旨い〜〜〜(>▽<)!!いや、上手い〜〜〜〜(笑)
国代丁字左衛門@西川扇与一さん、もう、面白すぎるんですけど!
面白さの信頼感が絶対的すぎて、もはや何もしなくても未来の面白さを確信しちゃって何にもしてない「今」が面白い(気がする)、という、もうわけがわからない存在感。
従者藤内@若柳里次郎さん、彼の存在が舞台に枠を与えているというか、この強烈な生命力を持った面々をとっちらかさずに「狂言舞踊」の世界に収めてくれる、命綱というか。

舞踊家にして役者・・・役者にして舞踊家?いや、舞踊って極まると役者!?
よくわかんないですけど、ひとつだけわかったのは「この『太刀盗人』は超ステキ!!」ってことです。

約半日の劇場生活(笑)、疲労困憊で帰るはずが・・・
最後、一気に脳内アドレナリン工場を刺激され、妙に元気になってしまったワタクシ。
終演後、大暴れで夜の日本橋に繰り出してしまったのでした(^^;
ウマイ肴(鮮魚タツキカイ)をアテに、お酒がすすむすすむ〜〜〜〜!!
おそるべし『達喜会』!!なのでした。

《舞台の印象、雑感》

※今回の出演者は藤間達也先生門下のお弟子さんであり、プロの舞踊家ではない素人さんたちです。
プロは舞台成果だけがすべてですけれども、さまざまな事情の中でお稽古に励む素人さんにとって、日本舞踊の価値は必ずしも舞台の上にだけ存在するわけではありません。
舞台での姿だけを観て、こういった個人ブログにお名前をだすことは失礼にあたるかも・・・と考え、お名前についての記載は以下の通りにしたいと思います。
名取さん(=芸名を持った方)は、お師匠さんにも、自分自身の芸に対しても責任のある方と認識しますので、芸名を表記させていただきます。
そのほかのお弟子さんはイニシャル表記としました。
・・・認識、あっているかなぁ?
もし失礼があれば、どうぞご指摘下さい!!記事削除を含め、すぐに対処いたします。

『梅の栄』@I.Wさん
とても綺麗で、丁寧な踊りでした。踊りの手に少し硬さというか不慣れな気配があり、初々しさと同時に、これからキャリアを重ねる方なのかなぁ?という印象。
体の中に「美しいもの」の感覚を持っている雰囲気を感じ、この方絶対上手くなる!!と確信。一方的に「今後が楽しみフラグ」を立てました(笑)
来年?再来年?にまた『達喜会』があれば、お名前を探してみたいなぁ。

『羽根の禿』@Y.Sさん
踊り手が若い!可愛い(>▽<)中学生ぐらいでしょうか。
踊りそのものもすっきりと若々しく、清潔感のある印象。それでいて、形の美しさの中に硬質な色気まで出ちゃっているのだから恐れ入りました!
特に、最後のポーズ。
体が綺麗な形を作り・・・三つ首の最後が「グーーーーッ」と粘り、その、決まった体の形の首の収まるべきところへ差し込まれるようにぴたりと決まる瞬間の、ほとんど快感って呼びたいほどのカタルシス!!
いや、ちょっとしびれましたねぇ!!

『羽根の禿』って踊りの本質は「少女性」のデフォルメ――ぼってりとした、可愛らしさがグロテスクに転びかねない、ある意味「畸形のひとがた(大人を基準として、という意味で)」としての不安定感――を、透けない色みの「赤」で濃密に描く、ってことだと思う。
お年を召した方とか、歌舞伎の女形さんが演じて出る倒錯的な・・・美意識の脳内転換が必要な、錦絵的な可憐さ。
そういう意味での完成度とは方向性がまったく違い、禿と実年齢がごく近い少女が、現代的感覚で、振りつけの形の可愛さ、綺麗さを素直に生かして踊る『羽根の禿』として魅力的だったと思います。

―その2へ続く―

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