文花座

歌舞伎、宝塚歌劇団、劇団四季・・・大好きな舞台の感想をつらつらと♪

江戸&歌舞伎コトバ事典

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石榴口(=ざくろぐち・じゃくろぐち)

【意味】

江戸時代の銭湯の、洗い場から浴槽への入り口のこと。

【『石榴口』お喋り♪】

当時の銭湯には、現在は見られない「石榴口」というものがありました。
それはなんぞや?といいますと―――
脱衣所から浴室に入ると、まず洗い場。その奥に浴槽があるのは現代のとおりですが、浴槽は仕切りで小部屋に区切られた一角に据えられています。
そして、洗い場に面した浴槽への入り口部分の壁が、天井から人がかがんでくぐりぬけることが出来る程度の高さまで浴室を覆っていました。
浴槽に入るためには、その低くて狭い「入り口」をくぐりぬけていくわけです。
―――って説明分かりにくっ(^^;分かります?
要するに、浴槽に出口の狭い箱をすっぽりかぶせたようなもの。

この効果はなにかといいますと、こうすることで浴槽からあがった湯気が逃げずに空間に立ち込め、湯浴と同時に蒸気浴(=今でいうサウナ効果?)が得られるというもの。
ただ、内部は一緒に入っている人の顔が見定められないほどに暗く、うっかりヘンな感触の何かに触っちゃうことも多かった様子(^m^;)

この入り口のことを『石榴口(=ざくろぐち・じゃくろぐち)と呼びました。
石榴口の表(洗い場側)にはきれいな彩色彫りが施され、数寄を凝らした美しいものだったそう。
今で言う富士山の絶景ペンキ絵みたいなもの?

石榴とは、ご存知秋に実るアノ果物のことです。
表皮が裂けると、中に宝石のような赤い実が零れ落ちるように詰まっている美しいもの。甘酸っぱい味もオツなもの&美容効果も高いとか(^^)
・・・でも、ここでちょっと疑問に思いません?
お風呂施設の名称に、果物の『石榴(=ざくろ)』とはなんでや?

石榴だなんてなんだか豪奢な名前だし、なんか、深―いいわれでもありそうでしょ?
ノンノン。これね、由来はたんなるシャレ、ギャグなんです!

石榴は食べても美味しいですが、もうひとつの使い道がありました。
それは「鏡をみがく」こと。
石榴に含まれるクエン酸だかなんだかの、理系に任せたくなるようなリクツで鏡が曇らなくなるのだそうです。

で、この「鏡鋳る(=鏡をみがく)」と、入り口をくぐりぬける際の「屈み入る(=低い入り口を屈んでくぐりぬける)」をヒッカケて、この入り口を『石榴口』と称したのだとか!

なんかいわくありげな風を見せといて、なんだよぅギャグかよ!みたいな(^^)
なんか、エドッコさんが名づけた名称って、一見生真面目そうに見えてこんなんが多いみたいです(笑)

★【江戸&歌舞伎コトバ事典】 50音順目次★ はこちらから↓
http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/28334090.html

かめのぞき

【意味】
歌舞伎の二枚目役者が頬かむりする白手ぬぐいに、あるかなきか程度のごく薄い藍が差してあること。

【『かめのぞき』お喋り♪】

『頬かむりのなかに日本一の顔』・・・といったら、初代中村雁治郎丈に奉られた美男極めの名文句(*^▽^*)
白皙の美貌を覆う頬かむり。女愛しさゆえの憂いの影を身に纏い、わずかな退廃を滲ませつつも、端然とした育ちのよさと品は覆うべくもない。
すらりした上背の映える、りゅうとした柳の立ち姿―――
二枚目役者が「生身の美」でお客を酔わせる、実にオイシイ♪シュチュエーションでございます。

頬かむりに使われる手ぬぐい、いっけん白一色の変哲もないものに見えますが、これにはほんのわずか、あるかなきかのごく薄い「藍」色が差してあるのだそう。
何のために?それは「見せる美貌」を追求したコダワリの工夫なのですって。

頬かむりの中にある二枚目顔は、全体を真っ白に塗りこめた「白塗り」。
その顔を包む頬かむりの手ぬぐいは、いわば顔を縁取る額縁のような効果を持ちます。
そのとき、顔と手ぬぐいがまったく同じ「白」だと、一番見せたい「顔」が特別に際立たない・・・かといって別の色では現実とかけはなれてしまうし、儚げな憂いが出ない。つましい品が出ない。
そこで、「見せる美」を追求した先人が編み出したのが、白にあるかなきかの藍を差すというこの工夫。
これにより、顔の周りの曲線にうっすらと青味を帯びた印象が生まれ、見る人の目には白い顔がよりいっそう冴えたものに映るのだそうです。

で、このことがなぜ『かめのぞき』と言うかといいますと―――
このうっすらとした色味の感じは、藍染めの染料を蓄えた「かめ」の中をちらりとのぞいたとき、藍色の液体が白いものに反射して映る程度の藍色という意味なのだそう。
「(藍染料を蓄えた)かめ」を「のぞいた」時の色、で『かめのぞき』。
肉眼でははっきりしないほど、でも感覚の中で染まっているかいないか程度のさりげなさというのが『かめのぞき』の信条なのだとか。

より鮮烈に、より美しく・・・男が磨く二枚目の美。うっすらと病的なその魅力に、うっとりさせてもらいにいきましょう!

【この演目で『かめのぞき』をチェック!】

ええっと、すみませんはっきりわからず(^^;
「工夫」である以上、当然役者さん個人のご判断やお考えで採用するものか、こういうお役の場合必ず利用するものかもはっきりとわかりません。
二枚目役者が白手ぬぐいをかぶる、というシュチュエーションのある演目の際見られるものかと思います。
『心中天網島 川庄』
『女殺油地獄』
などかな?ほかにご存知の方がいらっしゃいましたら教えてくださいm(__)m

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天紅(=てんべに)

【意味】

遊女が客に出す手紙の総称

【『天紅』お喋り♪】

「いつ会えるいつ会えるとお越しを待ちかねて、涙が袖をぬらさぬ日とてありません」
「昨晩のあれは夢とやら、現実とは思われぬ幸せに胸が騒ぎます。夢でない証に、早く早くまた会いたい・・・」
「好かぬ男に言い寄られ私はもうどうしていいやら、貴方だけが頼り、どうぞ助けて、拝みます」
涙で滲んだ文面に、そんなことが書かれていたやらいないやら。
遊女が客に宛てた手紙とは、虚実とりどりの愛と心の染んだものでありましたろう。

遊女が客に出す手紙は、白い手紙の上辺一辺を紅で染めて差し出すことが習いとされていました。
上辺一辺=手紙の「天」を「紅」で染めた遊女独特の風習が、遊女が客に出す手紙の総称となったのだそうです。

この「天紅」、どうやって作るかといいますと・・・
遊女が使う手紙は筒状に巻いた和紙。
それを紙を左手に持ち、右手に持った筆ですらすらと手紙を書きます。左手を回転させて紙を送り、どんどん手紙を書き上げていきます。
そして書き終わったら小刀で紙を切り、手紙を再びくるくると丸めて筒状に。
そして、手紙の上辺にあたる端を、紅を小皿にとって水で溶いた液体の中に「ずぼっ」と差し入れます。もちろん、この「紅」とは遊女の唇を飾る口紅のこと(^^)
紅を乾かし、再び開くと、上辺一辺にすうっとほそい紅色の筋が入った「天紅」仕様の文になっているというわけ。

この天紅、お芝居や踊りでとても美しいアイテムとして登場します。
読むたびに、男の手元からするすると流れ落ちる白い紙。
書き連ねられているのは女の細筆でしたためられた流麗な文字。
客席から文字こそみえませんが、あれはちゃんと恋文の文面がしたためられているのだそう。
そして、それを読む男のしぐさ表情に、観客の心には虚実とりどりの愛と女心の染んだその文面のイメージが膨らみます。
そんな手紙の上辺に、すうっとなまめかしい紅―――女の唇を飾る、おなじ紅のいろ。

手紙を読んでいる場面に登場するのは男一人であっても、そこに女の存在と影がちらつきなまめかしい色気が漂うわけです(^m^*)

・・・なるほど!男心をくすぐるテクは、男に「想像」させること!
遊女テクのエッセンスは、今の世にも応用可能みたいです(笑)

【この演目で『天紅』をチェック!】

舞踊『雨の五郎』
しとしとと春雨の降りしきる、ここは大磯の廓。
仇討の大望に張り詰めた心を恋の魔力に緩ませた曽我五郎時致が、恋人・化粧坂少将の元へやってきます。
廓へ向かう道々、少将から贈られた『天紅』を読みながら・・・

★【江戸&歌舞伎コトバ事典】 50音順目次★ はこちらから↓
http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/28334090.html

【江戸&歌舞伎コトバ事典】 50音順目次


【お】
おんながた(=女形・女方): http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/48407422.html

【か】
かめのぞき: http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/28454326.html

【さ】
ざくろぐち(=石榴口): http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/28681521.html

【し】
じゃくろぐち(=石榴口): http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/28681521.html

【た】
たてやのじ(=竪やの字・立矢の字) : http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/49041760.html





【て】
てんべに(=天紅): http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/28343723.html







【ほ】
ほととぎす(=沓手鳥・不如帰・時鳥・杜鵑・子規) : http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/31546733.html

【ま】
まつよいのじじゅう(=待宵の侍従): http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/31847316.html

【も】
ものかはのくらんど(=物かはの蔵人): http://blogs.yahoo.co.jp/hana_yukiyanagi/31847316.html




歌舞伎を観ていると、さまざまな「ことば」に出会います。

せりふや唄の中に織り込まれた「古い時代のことば」。
ニュアンスはおぼろげにわかる気がするけれど、聞いたこともない表現だったり、ふと冷静になってみると「・・・どういう意味?」なことも。
歌舞伎演目の舞台となる江戸時代独自の風習や行為、認識を指すもの。
カブキズキにはおなじみの用語や隠語。

漠然と耳慣れていたそれらの由来や意味をたまたま知る・・・ってぇと、「へぇぇぇ!!」な驚きにへぇボタンを連打!ということになるのですよね。
・ ・・これがまた、えらく楽しいのだわ!!(^皿^)
美術分野に興味のある方なら役者が作る歌舞伎の絵面に、ファッション関係ならお衣装に・・・という興味の範疇が、私はことばに向くのです。
文学部脳なので。ちなみに地図は読めません、びっくりするくらい。

一応、まじめ分類としては「勉強」「知識」に当たる部分なのでしょうが、自分の興味ある分野での新知識開拓って純粋な意味での「娯楽」ですよねぇ!
学者っていうのは、学問分野におもちゃを見つけちゃった人ってことか。純粋な意味を突き詰めれば一生遊んでいるようなもんだよなぁ〜!なんて思ったり。

・・・閑話休題。
「事典」などと大変生意気なタイトルをつけましたがm(__)m、そんなご大層なものでは決してありません。
「ことば」をキーワードに、歌舞伎のことお江戸のことを覗き見するっていうのも面白いな!という、お遊び知識を自分の忘備録もかねて記しておこうというものです。

お読みいただき、私の認識間違いや違う説がありましたら、ご遠慮なくご教授ください。
また「こんなことばはどういう意味?」などリクエストがありましたら、知識探検に出てカナラズヤ宝を持ち帰ってきますので(笑)じゃんじゃんリクエストをくださいませ!
・・・あっ、無学者なのでなので即答は・・・無理です(^^;

どれくらいストックを持てますやら、少しずつ貯めていきたいと思っています。

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