文花座

歌舞伎、宝塚歌劇団、劇団四季・・・大好きな舞台の感想をつらつらと♪

歌舞伎Review

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歌舞伎の舞台感想です
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【公演データ】
公演名:二月大歌舞伎 夜の部
『ぢいさんばあさん』
会場:歌舞伎座
観劇日:2005年2月13日

【主な配役】(敬称略)
美濃部伊織:片岡仁左衛門
宮重久右衛門:河原崎権十郎
宮重久弥:中村信二郎
妻 きく:尾上菊之助
戸谷主税:中村亀鶴
石井民之進:市川男女蔵
山田恵助:片岡市蔵
柳原小兵衛:坂東秀調
下嶋甚右衛門:市川團蔵
伊織妻 るん:尾上菊五郎

愛し合う男女を、傍から100%の好感で見られることって少ないと思う・・・というと語弊がありますけれど、愛の姿ってどこか生々しい打算めいたものが見え隠れしますでしょう。
なんていうかな、「自分」が主体になった感情―――「自分が満足したいのだ」「自分が幸せになるのだ」「自分が」「自分が」という相手一途ではない感情が透けて見える。
でもそれは愛がお伽噺でない以上当然のこと。

でも、このお芝居の伊織@仁左衛門丈とるん@菊五郎丈は、100%の好感で観ることの出来る夫婦ぶり(^^)
本当に、魂のところから惚れ合って相手を包み込んでいるようで、打算をまったく感じさせない朗らかな温かさがあって。稀にいるのですよね〜、こういう「分かちがたい二人」って。入り込む余地どころか、二人は一つのものであるかのよう。

るんにぞっこんの伊織、きびきびしたしっかり者なのに伊織に甘える姿が本当によく似合うるん。(「るん」って名前もカワイイよなぁ!!)
全身で惚気ているような二人なのだけれど、それがちっとも不快じゃない。ほのぼのとあったかくて可愛らしくて、芝居うんぬんというより「夫婦」という存在に憧れを感じてしまうほどでした。

ニザ菊コンビ、男×男の時もすっごくいいのだけれど、男×女も良いな♪
あっ、女×男ってのもあるらしいけどどうなんだろう(←身替座禅だったかな?)

【公演データ】
公演名:寿 初春大歌舞伎 夜の部
『新皿屋敷舗月雨暈 魚屋宗五郎』
会場:歌舞伎座
観劇日:2005年1月24日

【主な配役】(敬称略)
魚屋宗五郎:松本幸四郎
宗五郎女房 おはま:中村時蔵
小奴 三吉:市川染五郎
磯部召使 おなぎ:市川高麗蔵
菊茶屋女房 おみつ:澤村鐵之助
娘 おしげ:澤村宗之助
岩上典蔵:松本錦吾
宗五郎父 太兵衛:片岡芦燕
磯部主計之助:大谷友右衛門
家老 浦戸十左衛門:市川段四郎 他

幸四郎丈の宗五郎、酒の匂いが漂ってきそうだった、本当に飲んでいるんじゃないかと思うぐらいの見事な酔いっぷりでした。
その酔いっぷりに圧倒されて、今、突然大地震が起こって、舞台の上の誰もが素に戻っても、幸四郎丈だけは酔ったまま酔眼を宙に据えてるに違いないと思ったことをはっきりと覚えています。
屋敷に乗り込んでの訴え、理性のたがが外れて心をぶちまける様が本当に凄かった。
言葉の一つ一つに本心以外のことは口にしていない真実味が溢れていて、酔うているとはいいながら、思わず襟を正して聞かずにはおれない尊いほどの言葉に聞こえました。
「楽しかったぁ」という言葉の語尾が空に消えた瞬間の切なさ、今思い出しても涙が出そうな気がします。
望外な幸せなんか望んじゃいなかった、愛するものの笑顔を護っていきたかった、欲しかったのはたった一つだけなのに、あんたは俺のたった一つを奪ったんだぞ!!
台詞になないはずの、悲鳴のような叫びが耳に聞こえてなりませんでした。

一回目の観劇で、「それぞれ好演でもバラバラ」という印象を受けたのですが、今回は舞台全体の熱が上がっていたというか、幸四郎丈の勢いが舞台を凄い力で引っ張っていたというか、とにかく冷静になる余地がないほど舞台全体が一丸となって走っていたように思えました。
本当に、すっごい良かった!こういう舞台にめぐり合う為に、劇場に足を運ぶのだよねと改めて思った舞台でした。

【公演データ】
公演名:寿 初春大歌舞伎 夜の部
『新古演劇十種の内 土蜘蛛』
会場:歌舞伎座
観劇日:2005年1月24日

【主な配役】(敬称略)
僧 智籌 実は 土蜘蛛の精:中村吉右衛門
番卒 太郎:中村歌六
番卒 次郎:中村歌昇
番卒 藤内:市川高麗蔵
渡辺綱:大谷桂三
碓井貞光:澤村宗之助
坂田金時:澤村由次郎
巫女 榊:中村吉之丞
太刀持 音若:中村児太郎
侍女 胡蝶:中村福助
源頼光:中村芝翫 他

侍女胡蝶@福助丈の舞、わずかばかり前傾したお能を思わせる形、足運びの繊細な端正さという一つ一つのテクニック、そして、なんというか、踊りにお能の空気を纏わりつかせていらしゃるところが本当にすごいと思いました。
昼の部での生き生きと息づくようなお役を見たあとでしたので、生気を内側に吸い込んだかのようにきっちりと納めていらっしゃる姿に「役者は何でもできるのだな」と。
そして、源頼光@芝翫丈の品のいいことといったら!
「身分の高い人物」というのを納得させるのも芸、なのですよねぇ、おそらく。
動きも言葉もわずかな中にそれを込めるというのは、なにがどうなってああなるのかさっぱり分かりませんが(笑)

後見を務める方に、とてもきっちりと端正なお仕事をなさる人を見つけました。
舞台への誠実さが見えるようで、とっても好感が持てました。
あとで知ったお名前は、中村芝のぶ丈でした。

人形のように美しく装った役者に真っ白な蜘蛛の糸が降りかかる様は本当に美しく、左右に振り出すラストも見事な形で溜息が出るほどでした。
糸を繰り出すテクニック、難しいものだと聞きました。
吉右衛門丈、豪胆な演技もさることながら、そういった細かい部分までさすがの芸達者っ(^^)

【公演データ】
公演名:寿 新春大歌舞伎 夜の部
『曽我綉御所侠御所染(=そがもようたてしのごしょぞめ) 御所五郎蔵(=ごしょのごろぞう)』
会場:新橋演舞場
観劇日:2005年1月23日

【主な配役】(敬称略)
御所五郎蔵:市川團十郎
傾城皐月:中村福助
傾城逢州:尾上松也
梶原平蔵:市川團蔵
新貝荒蔵:河原崎権十郎
秩父重蔵:片岡市蔵
二宮太郎次:市川家橘
星影土右衛門:市川左團次
甲屋与五郎:尾上菊五郎 他

あれっ?この演目・・・と思われた方、鋭い!これ、『新春浅草歌舞伎』で同じものがかかっていました。
主演の五郎蔵は市川團十郎丈、浅草では中村七之助丈。
市川團十郎=中村七之助(ハイ、想像してください)
このお二人が同じお役をやるっていうのはトンデモナイだろう!!恐るべしカブキ!!
板に吸い付くように重みのある五郎蔵&土右衛門@左團次丈、啖呵の応酬も同じ台詞であるのは分かるのですが、全然ニュアンスが違って聞こえる。
「花代払って遊びなせぇ」(だったかな?)七之助丈がツンと際立った自分の男振りを鼻に引っ掛けて言ったものならば、團十郎丈は腹の底から惚れあった男女の余裕を漂わせ・・・といった具合。面白いものですねぇ〜。

傾城逢州@松也丈、短い出番の中に傾城逢州の人柄までもがはっきりと浮かび上がっていました。愛の尊さを分かっていて、その儚さも知っている寂しげな雰囲気が印象的で。
それゆえに、間違いの殺人に倒れる悲劇が一層深いものでした。

【公演データ】
公演名:寿 新春大歌舞伎 夜の部
『六歌仙容彩(=ろっかせんすがたのいろどり) 喜撰(=きせん)』
会場:新橋演舞場
観劇日:2005年1月23日

【主な配役】(敬称略)
喜撰法師:尾上菊五郎
お梶:尾上菊之助
所化:市川團蔵
所化:市川家橘
所化:市川右之助
所化:河原崎権十郎
所化:片岡市蔵
所化:片岡亀蔵
所化:尾上松也
所化:尾上右近 他

お梶@菊之助丈の正体不明の仇し女っぽい雰囲気が、菊之助丈で観た事のない感じのお役だったものでとにかく新鮮でした(^^)
喜撰法師@菊五郎丈は、品の良さの中にエロさをはっきりと漂わせ(笑)男でもない、女でももちろんない坊主の色気みたいなものがあって、可笑しくもキケン人物でございました。

途中、所化の一人に扮した尾上右近丈の一人舞が。
舞踊上手、天才と評判の右近丈、でも私は彼の舞踊をあまり見たことがなくって。
「どれどれ、お手並み拝見!」(←お前は何様だ!!)と不躾な視線でじっくり堪能。
最初は「丁寧に踊っているな」「さすがに上手い」などと―――けれど、そのうち踊りを「楽しんでいる」自分に気付きました。
まだまだ弱冠・・・おいくつぐらいだろう?十台前半ぐらい?
型どおりに出来ることで大拍手もののお年でしょうに、すでに見ていて「楽しい」踊りをなさるってことが凄い!!右近丈、これからも注目しなきゃっ(^^)


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