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【公演データ】 公演名:寿 新春大歌舞伎 夜の部 『六歌仙容彩(=ろっかせんすがたのいろどり) 文屋(=ぶんや)』 会場:新橋演舞場 観劇日:2005年1月23日 【主な配役】(敬称略) 文屋康秀:尾上松緑 美しき小野小町にゾッコンの文屋康秀。 どうモーションをかけてもなしのつぶて、業を煮やして屋敷に押しかけてきました。 しかし、小町はすでに天下の美男・在原業平と恋仲なのです。 小町の侍女たちは、主人にとってちょっと暑苦しい(笑)康秀を通すまいと体をはって押し留める!vs突破しようと暴れる文屋康秀!なコミカルな舞踊のあと、康秀は侍女たちを蹴散らして小町のもとへ駆けて行く―――ってな舞踊劇です。 で、最後、康秀が小町のもとへ突進(=舞台袖に駆け込んでいく)ところで幕となるわけなんですけれども、そこでイヤホンガイドの痛烈な一言がっ!! 「というわけで、文屋康秀は小町の下へ向かいました。それからどうなりますやら。まぁ、無理でしょうね」(←スッゴイ冷静口調で) まぁ無理でしょうねって・・・カナリひどくないですかっ!!まぁ、無理でしょうけどもさ(笑)
【公演データ】 公演名:寿 新春大歌舞伎 夜の部 『鳥辺山心中(=とりべやましんじゅう)』 会場:新橋演舞場 観劇日:2005年1月23日 【主な配役】(敬称略) 菊地半九郎:市川海老蔵 お染:尾上菊之助 坂田源三郎:片岡市蔵 お花:市川右之助 坂田市之助:尾上松緑 他 二人は、なにゆえに死を選んだのか―――もちろん、愛ゆえ、なのでしょう。 けれど、向うが透けて見えそうなくらいの透明感を漂わせたお二人からは、もっと純粋な、もっと清冽な印象を受けました。 追い詰められてその先に死しかなかったというよりも、二人はむしろ自分から死を引き寄せたかのように見えた。乱暴な言い方をするなら、死を望んだようにさえ見えたのです。 世の中の、人間の汚さ・・・汚さというのも大げさなのかもしれない、人間が人の世で生きていく為に、大人になるために、どうしても受け入れなくてはいけない毒みたいなものがあります。うっすらと感覚を麻痺させる麻薬みたいなものが。 普通の人なら、死に至らない毒に自分を馴らし、世をわきまえたしたり顔で無意識に甘受しているものを、二人の潔癖な若さは拒否した。 恐ろしい麻薬に馴れた人々の姿に恐怖し、そして――― (こんなところにいたら毒に犯されてしまう、もうここにはいたくない) (汚れたくない、今ならまだ汚れていない、私は美しいままでいたい) それには。 (今、この時を止めてしまうのだ) この感覚は、多分、あの年齢にしか分からない。 同じ台詞、同じ舞台で別の悲劇を生み出すことも出来ると思います。 でも、人生の中でほんの一瞬、繊細なカナリアのような心が剥き出しになる思春期の男女の心理を見事に切り取った舞台は、本当に鮮烈で素晴らしいものでした。
【公演データ】 公演名:寿 新春大歌舞伎 昼の部 『人情噺文七元結(=にんじょうばなしぶんしちもっとい)』 会場:新橋演舞場 観劇日:2005年1月23日 【主な配役】(敬称略) 左官屋長兵衛:尾上菊五郎 長兵衛女房 お兼:澤村田之助 文七:尾上菊之助 長兵衛娘 お久:尾上右近 ※尾上右近襲名披露 角海老藤助:市川團蔵 鳶頭 伊兵衛:市川海老蔵 角海老女房 お駒:中村時蔵 家主 甚八:市川左團次 和泉屋 清兵衛:市川團十郎 他 この舞台、記憶の中で常と色が違う感じがするんです。 お芝居という感じじゃなくて、江戸の空気をそのまま切り取って、舞台の上に載せたみたいだった。 本当に、言葉に尽くせないくらい見事な空気だった! 誰一人としてニセモノの混ざっていない一座という感じがしました、この舞台を味わえたのは今年一年の中でも宝物のような記憶です。 そして、大家@市川團十郎丈が登場なさった時の、地鳴りのような拍手と歓声!芝居が止まりかかるくらいの客席の熱狂。 市川團十郎丈という役者がどれほどまでに愛されているのか、全身で知った思いでした。 そしてこの舞台、娘お久で岡村研佑さんが尾上右近をご襲名(^^) 劇中の襲名披露ご挨拶、海老蔵丈のお言葉↓ 「(歌舞伎役者となるか、家業(=清元)を選ぶか、思い悩んでいた研佑くんの相談を受けて)こんな小さな子がこんなにもいろいろ考えているなんて。自分の同じ年の頃を思い出したら、ホント何にも考えていなかったなと」 ホントに、そうだったんだろうねぇ(^^;と思わせられるオーラカーな口調が場内の爆笑を誘っていました(笑)
【公演データ】 公演名:寿 新春大歌舞伎 昼の部 『奴道成寺(=やっこどうじょうじ)』 会場:新橋演舞場 観劇日:2005年1月23日 【主な配役】(敬称略) 白拍子花子 実は 狂言師左近:尾上松緑 男と女のお面を架け替えての踊り、我を忘れて夢中になっちゃうくらいの面白さで!! なんていうか、踊り手は人間なんだって分かっているつもりで、分からなくなってたんです。 生身の人間が消えて男女の「キャラ」が舞台の上で浮かれ踊っているみたいだった。 最後にお面を顔の横にかざして素顔を見せたとき、当たり前なのにものすごくビックリしたのですよね。ああっ、これ人がやってたんだ!!と。そこでいきなり引き戻された。 顔を見せたのは尾上松緑丈、あの一瞬の「わぁっあなたが!!」という驚きは今でも鮮やかに覚えています。
【公演データ】 公演名:寿 新春大歌舞伎 昼の部 『彦山権現誓助剱(=ひこさんごんげんちかいのすけだち) 毛谷村(=けやむら)』 会場:新橋演舞場 観劇日:2005年1月23日 【主な配役】(敬称略) 一味斎娘 お園:尾上菊之助 毛谷村六助:市川海老蔵 微塵弾正 実は 京極内匠:片岡市蔵 後室 お幸:市川右之助 他 海老蔵丈と菊之助丈の「普通の顔をした超人カップル」ぶりがねぇ! 別にコミカルなわけじゃないのだけれど、「ニンゲンの一番可愛いところ」ツボをピンポイントで突いてくるお二人に心くすぐられまくり。 お話的には敵討ちあり欲ずくの殺人あり・・・と決して明るいシュチュエーションでもないのですが、朗らかにぱぁっと明るくて掛け値なしに胸のすく面白さでした(^^) 歌舞伎の大らかさって理屈じゃなくって、こういうスケールの大きな雰囲気こそがなんじゃないかな? 海老&菊コンビ、美男美女の上に端正なだけじゃない、色の濃ゆーい大型カップルですよねぇ(^^) 二人の子供が早く見たい(?)などと思っちゃうくらいの六助&お園でした。
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