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2008/2/28(土)、なにげなくTVを見ていると見慣れた人物が画面に映し出されていた。テレビ東京「田勢康弘の週刊ニュース新書」に出演している田中均だった。動画を見るのは初めてだった。途中からの視聴だったが、その発言の要旨は、 ・核、拉致問題は包括的な解決が重要。 ・在日米軍に関しては、専守防衛を基本防衛戦略とする日本が有していない長距離爆撃機、空母を含む海軍力(第7艦隊)などを補完してもらう必要がある。(小沢の第7艦隊だけあればいい発言とは異なる。) ・外交の花を咲かせるために、茎部分を太くする必要がある。 ・外交を国民に近づけたい。 ・私も日本が好きだ。 ・「外交の力」を上梓した。 田中は過去に携わった外交交渉を語る上で、盛んに絵を描くという言葉を使っていた。外交戦略を構想するという意味であろう。 私は過去に「官僚制度について 」という記事で、田中の「大臣、北朝鮮のような小さな問題ではなく、もっと大きなことに関心を持ってくださいよ」というレセプション会場での中川経産相(当時)に対する発言を紹介した。今回、この番組を見て、こういう発言をした田中という男の根底を垣間見た気がした。 その根底思想は官尊民卑をベースとした国民の人命軽視である。拉致被害者の命は田中にとって外交戦略上の駒にすぎないのだろう。その駒を操って俺(外務省)が絵を描く。 人間、ふとした瞬間に口にした言葉に、潜在意識の奥深く常日頃考え思っている事が内包されていることが多々ある。私は、小さな問題という言葉に田中という男の本質があると考える。 今年は終戦後64年目にあたる。この半世紀間、官僚は本来の議会制民主主義を逸脱して、外交にかかわらず様々な分野で国策決定に干渉してきた。「日本という国の政策決定は俺達(官僚)にしか出来ない。国民にはまかせることは出来ない。」と自負している官僚にとって干渉という言葉は甚だ心外であろう。 しかし、既に官僚の役目はとっくに終わっていると思う。官僚は、速やかにその本来の職域であるそれぞれの分野の瑣末な行政事務の枠内に帰るべきである。一方で、立法府において各委員会に調査会、シンクタンクを設置し、その力を強化するべきだ。戦後レジームの脱却に向けて、絵を描くは政治の責務である。 官僚は自らの権益保守に関しては、すさまじい組織がらみの執着を見せるという。本当に、日本という国の将来を考え、日本が好きならば、一度、省益、自己保身などの呪縛を自ら解いて原点に立ち返ってほしい。入省した当時の原点に。 ** 田中の著書「外交の力」については、ブックオフで入手したら論評したいと思う。
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官僚制度
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以下、週刊新潮(2004.1.1・8号)より さる12月12日夕刻、有楽町の東京国際フォーラムで、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)との交流を記念したレセプションが開かれた。その会場での出来事だった。……田中審議官が何気なく言い放った次の発言が、中川経産相の逆鱗に触れたのである。 「大臣、北朝鮮のような小さな問題ではなく、もっと大きなことに関心を持ってくださいよ」 中川氏は「拉致議連」の顧問を務めており、そのセリフは聞き捨てならないものだった。 「もう一度言ってください」 と中川氏が聞き返すと、田中氏は同じ言葉を繰り返す。中川氏が畳みかけるように、 「あなたには子供がいるのか」 と尋ねると、田中氏は、 「いますよ」 とシレッと答えた。そこで中川氏の怒りが爆発した。 「北朝鮮による拉致で、子供や家族が26年間も帰ってこない人たちがいる。それでも小さい問題なのか!」 周囲にいた出席者が振り返るような大声だったという。続けて、中川氏は拉致問題の重要性を説く。田中氏はただ聞き入るばかりだったのだが、中川氏の、 「あなたみたいに北朝鮮のスパイのようなことをしていては駄目なんだ」 という発言に、今度は田中氏が色をなして噛みついた。大声で、 「スパイという発言は取り消してください」 と中川氏に迫ったのである。…… 官僚の官尊民卑を端的に示す事例の一つだと思う。 記事中の田中審議官とは、日朝国交正常化、北朝鮮による拉致被害者問題に携わった京大出身の外務官僚の田中均氏のことだ。 田中が何気なく言い放った「北朝鮮のような小さな問題」とは、100名以上の日本人が拉致されている(特定失踪者問題調査会推定)北朝鮮による拉致被害者問題だ。 確かに田中の家族が拉致されたわけでもないし、彼にとっては100名の日本人の命、人生など取るに足らないものなのだろう。しかし、同じ公職に就く人間でも、経済産業相(当時)であり拉致議連顧問の中川昭一氏にとっては、拉致被害者問題は小さな問題ではなかった。 官僚と政治家という差はあるものの、拉致被害者問題という日本人の基本的人権、生命、身体の自由を平気で踏みにじる行為に対して、真摯とは程遠い発言をする田中に中川氏は問う。 公職に就く者として、100人以上の拉致被害者を自分の子供と同じように捉え、自分の子供と同じようにその身を案じ、そして救出に全力をそそぐ。オマエにはそういう認識はないのか? 田中にはどうやら国民の生命、財産、身体の自由を守る気が余りないらしい。国民の税金で賄われている官僚という職は彼には適していないと思う。知能はそこそこ高いかもしれないが、公僕としての基本的資質に欠けている。この手の官僚には、国益ではなく営利を追求する民間企業こそがふさわしい職場である。 残念ながら田中のような官僚は、現在、日本の官公庁の要職者の中に多い。今回は外務官僚を取り上げたが、厚生労働省、農林水産省などなど、行政がきちんと機能していないが為に噴出している国内外の諸問題については周知の事実である。 腐敗した官僚の一掃、天下りの廃止(早期勧奨退職慣行、国家公務員の給与体系問題)、等、一刻も早くメスを入れなければ問題が多いのが日本の官僚制度である。「官僚制度」ではこれらの問題について考えていきたい。
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