民話

[ リスト | 詳細 ]

古文書 または 旅先で聞いた 物語 を メモしてこれを書きました。いわゆる、拾い物の物語。これはこれで面白いものです。
記事検索
検索

全1ページ

[1]

やまちち

或る山に やまちち と呼ばれる 化物が澄んでいた。
 
その山を通る峠道に面した茶屋に 夕方になって 桶のタガの材料の竹の皮を丸く環にして束ねて運んでいる人が通りかかった。
 
「もしもし、どちらまで行かれますか」と店の主人が尋ねると
 
「隣村までどうしてもこの材料を運ばなければならないので今夜この峠を越えるんだ」とその人は答えた
 
「この山には やまちち という化物が出るから明日の朝早くでかけたほうがいいですよ」と言ったのだが
 
急ぐ仕事らしく、その人は夜の峠道を急いだ。
 
暫くすると 大きな毛むくじゃらの男が現れた。その貌には目が一つで口は耳まで裂けていた。
 
「しまったやまちちだ」 その人が思うとやまちちは ニヤニヤ笑って 
 
「お前は俺がやまちちだと思っているな」
 
男は恐ろしいのに加えて「こちらの考えていることが分かるとは何とも困ったものだ」と思った。
 
するとやまちちは「お前は 俺が考えていることが分かるので困っているな」と言う。
 
男は恐ろしくて震えが止まらず、手に持っていた竹の環に掛けていた手が滑って外れてそれが勢いよく伸びるこ
 
とでやまちちの貌を撃った。
 
やまちち は 驚いて 「人間というものは考えていないことをするから厄介だ」
 
そう言って逃げて行ったそうだ。

民話-カラス武者

今は昔、関東北部の山間に小さくて貧しい村があり、そこに大変仲の良いおじいさんとおばあさんが住んでいました。この村は家が数件あるだけで畑も小さく、訪れる人も殆ど居ないような小さな村でした。村には崖の中腹に作られた一本の細い道が通じているだけでした。

この日、おじいさんは いつもの 通り 柴をかって これを 麓の町まで 売りに行きました。途中、一羽のカラスが空から落ちてきました。どうやら怪我をしているようでした。よく見ると羽の裏側に白い羽が数本ある珍しいカラスでした。おじいさんは気の毒に思い、見てやると 矢が刺さっていました。おじいさんは器用な人だったので 矢を真ん中から切って 上手に抜いてやり 傷口に薬を塗ってやりました。カラスは暫くじっとして居ましたが そのうち 飛び去ってゆきました。

さて、麓の町に 着くと いつも にぎわっている 通りには 人が 殆ど居なくて 町はひっそりしています。そんなわけで 柴はさっぱり売れませんでした。通りを急ぐ人が居たので たずねてみると 近くで 戦があって このあたりも 危ないから 逃げられるものは 皆 逃げてしまったといいます。これは大変だとおじいさんは急ぎ戻って村人にこのことを伝えました。

村人も逃げられる人達は逃げました。けれどもおじいさんおばあさんは逃げることが出来ませんでした。おばあさんは足が弱っていて自分では遠くまで歩くことが出来ませんでした。おじいさんだけでも逃げてくださいとおばあさんは言いましたがおじいさんはおばあさんを置いては行けないということで2人はこの村に残りました。

何日かが経ちました。おじいさんは何事も無いのを不思議に思い、麓の村へと降りてゆきました。すると道の途中で沢山の武者が死んで倒れていました。もう何日か経っているようでした。更に町へ着くと町は壊され、食べ物などの戦につかえるものは全て持ち去られていました。中には逃げられなかった人が死んで倒れていました。何とも恐ろしい戦があったようです。

おじいさんはそれ以上、何もすることが出来ず、その日はおばあさんの待つ村に帰り、おばあさんにそのことを話しました。そして次の日は隣のもっと大きな町まで行けるように朝早く出かけてゆきました。昨日の武者が大勢倒れているところを通りかかった時、カラスが一羽死んでいるのが見えました。先日のカラスかどうかはわかりませんが羽が折れて、身体は傷だらけでした。先を急ぐおじいさんはそのままそこを通り過ぎました。

隣町に着くとそこは 荒れ果てては居たものの 人が結構集まっており、町を建て直して居ました。話を聞くとここも戦のために多くの物が奪われ、破壊されたそうです。町の人が言うには近くの村には火がかけられて燃やされてしまい多くの人が犠牲になったといいます。特に酷かったのは おじいさんのいつも行っていた町の周りの村で生き残った人は居ないだろうとのことでした。おじいさんはそんなことは無いだろうと戻って近くの村を訪ねてみました。すると話の通り、村は焼かれており 人は居ませんでした。

帰り道、細い道を登ってゆくとまた、沢山の武者が倒れているところを通りました。例のカラスの死骸は風にでも煽られたのか裏返しになっていました。羽の裏に白い羽が数本ありました。以前におじいさんが助けたカラスに間違いありません。折角助かったのに気の毒な、戦に巻き込まれたのだろうとおじいさんは思いました。

それから何日かして 遠くに逃げていた村人が戻ってきて遠くの町で聞いたという不思議な話をしてくれました。それは自分達の村に通ずる一本道にもやはり戦の武者達が略奪を目的に攻め込んだそうです。ところが道の真ん中に真っ黒い姿をした物凄い形相の武者が立っていてそこを通ることが出来なかったというのです。武者は責めてくる武者達をことごとく倒すと自分も力尽きて倒れたそうです。

おじいさんははっと思いました。これはあの時のカラスが私達を守ってくれたに違いない。この話を村人にすると村のために戦ったカラスのためにということで村の入り口の一本道、丁度、カラスが倒れていたところにそのカラスを埋めて祠を立て、村を出る時と入る時に手を合わせて拝むようになったということです。

それ以来この村ではその時の村を守った武者を誰言う事無くカラス武者、村の入り口の祠をカラスの祠と呼び末永く大切にしたということです。

全1ページ

[1]


.
華福
華福
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
友だち(3)
  • masaki1957825
  • 絵sora
  • A級
友だち一覧

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

Yahoo!からのお知らせ

ブログバナー

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
いまならもらえる!ウィスパーWガード
薄いしモレを防ぐパンティライナー
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
いまならもらえる!ウィスパーうすさら
薄いしモレを防ぐ尿ケアパッド
話題の新製品を10,000名様にプレゼント

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事