来た道行く道通りゃんせ/風にのって花ひとひら

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雑感

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"鬼灯" エレジー(1) 
 秋の日差しが柔らかい。夏の荒々しいエネルギーを残す雑草さえ優しく見え始めてくる。そんな中に朱色、ホウズキの朱の色を見つけると心ときめく。一つもぎ取り実を丁寧に揉みだす。懐かしい感触と優しさが私を包んで行く。
しかし、それとは別に悲しく暗い気持ちも広がっていく。

 人はこころ内に棘を持つのだろうか。その棘は機会があればその本人が気づくこともなく、芽を出しその人自身の自己陶酔の美酒となるのだろうか。
   
  虫かごに入っているように見えるので、“虫ほうずき”という。レース模様の造形美は息を飲む。その美しさと共にホオズキは子供時代の旅愁を誘うものだ。
日差しが柔かくなってきた。その日差しの中に新聞紙を広げ爪楊枝と手拭を脇に置き私はいまだかって成功したことのない作業にとりかかる。気持ちを鎮めるためにチェロ伴奏曲をかける。白鳥の湖が静かに流れだした。旋律にあわせホオズキのぼんぼん頭を優しく揉み始める。グリグリ回すと駄目なことを、半世紀以上も前の手の感覚が覚えている。
「あ〜〜。やっぱり破れた」青臭いホオズキの匂いが鼻を抜けていった。
姉は上手にホオズキの蕊を引き出した。姉はどうしてあんなに上手だったのだろう。ホオズキ笛も「きゅきゅ」と上手に鳴らした。「鳴らさしたげるわ」と私の口にホオズキを入れてくれる。でも私はやはり鳴らせなかった。口惜しさは夜店で買った海ホオズキで応戦する。「きゅきゅう、ぎゅぎゅう」チェロの音に合わせてあの時のホオズキ笛と海ホオズキの音が聞こえてくる。ホオズキは女の子だけの遊びのような妖しさがあった。明治二十七年生れの祖母が言う。「人前では鳴らしたらアカンよ。行儀が悪いからね」祖母は人前で化粧をする事も嫌がった。姉が注意を受けるのを、いつも「あ〜そういうことしたらあかんのや」と要領よく立ち回る私であった。ホオズキ遊びは祖母が私たちに教えてくれ上手に鳴らした。が、人前で鳴らすことはしなかった。
 大ファンのエッセイがあった。少年の感性がキラキラと煌くエッセイだ。そのエッセイが書き直され、帯にホオズキを挿みホオズキを鳴らしながら立ち去る場面が書き加えられた。ホオズキの箇所がなくとも充分に少年のガラスのような感性が感じられる作品だったので、私は原文に戻したほうが良いのではと生意気にも言ってしまったのだ
「帯にホオズキを挟んでいた。ホオズキを鳴らしながら帰って行った。これは私の好みからいくと、なんだかハスッパナ女の子をイメージします。元気で良いのですが、私はこう言う子はあまり好きになれないので、この部分の描写はないほうが好きです。これを入れられたのにはなにか訳がお有りなのだと思いますが。季節の情緒や折角の愛惜の少女のシルエットが、私にはアバズレをかさねます」と・・・。
「婦系図」 泉 鏡花に、妙齢の女性が昼夜帯にホオズキを挿みホオズキを鳴らす場面がある。美しく艶かしい。また「花のようなひと」佐藤正午では、ホオズキの鳴らせる女性と結婚したいと願う美しさが描かれ、また「杯」 森 鴎外では、ホオズキを鳴らす美しい姉妹の事が書かれている。どれもこれも美しくホオズキの旅愁と艶かしさが耽美的に描かれその美しさに酔いしれる。
しかし、妖艶さがまだないと思える少女に(帯は、三尺帯だ)私は言葉たらずで、アバズレ、ハスッパと言ってしまった。そしてその意見は、私の知らない間に回され行き渡り、なぜ書き換えたのかの回答はなく、各人の意見がイニシャルで返されてきた。

 いろんな感じ方が有るなあ〜。私はホオズキが好きなんだけど・・・・。意見を返した人たちはみなイニシャルになっているが、知っている人たちばかりだ。その人たちの顔がちらちらと浮かぶ。
私は外を歩くのが恐くなった。

ホオズキさんごめんね。私からあの懐かしいホオズキが逃げていく。「お姉ちゃん、お祖母ちゃん。お願いホオズキを鳴らして見て」私は空に向かって言っている。

http://blogs.yahoo.co.jp/hanahitohira06/50875346.html
「鬼灯エレジー(2)に各意見掲載」

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こんばんは〜〜神奈川1日雨でした。

ホウズキですね〜
懐かしいです私も上手く中の実がとれなく何度と失敗しました
綺麗に中が取れて口の中に入れて鳴らす瞬間が今も思い出しますね
懐かしいお話有り難うございます

2010/9/28(火) 午後 6:13 [ - ]

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人前で音を出すのは禁じられていましたね、確かに。男の子でも口笛は遠慮していましたよ。人を軽んじる行為とみなさてたのでしょうね。

2010/9/28(火) 午後 6:58 kou*a*p

ホオズキ 手にすると何故かほんのりとするのが
とっても不思議でした。
母が中を破れない様に きれいな空にしてくれた時
とっても嬉しくて 妹と先取りの喧嘩 思い出しますよ。
食べられる ホオズキが出来たと 先日テレビで見ましたが
あのフィーっと膨らまして遊んだ頃が 良いな。
花ひとひらさん 季節が変わりますね。
ご自愛下さい。

2010/9/28(火) 午後 7:32 [ - ]

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ほおずきを作ってならせる人って、もう無形文化財クラスではないでしょうか?
もちろん私も鳴らせませんが、ホオズキにするのを楽しみに大事に育てていた祖母や母の背中を見て、我が家の畑のほおずきを大事に面倒を見てました。でも、今年他の者に任せたら、だめでしたねー。影も形もなくなってしまいました。

2010/9/28(火) 午後 8:32 [ ほくと ]

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こうま地蔵さま。ありがとうございます。こうま地蔵様の温かいフォローを感じて涙が出そうになります。有難うございます。
今はなんでもありだし、何を言うことも自由のようですが、私は昔からの秩序のようなものは大事にしていきたいです。こういう秩序と、情感は形は違っていますが、底で繋がっています。それをいつまでも大事にしていきたいし、それが書くことの原動力かな。

2010/9/29(水) 午前 4:12 花ひとひら

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志乃さま。有難うございます。今日は「平城遷都1300年」に行くので早起きです。またそちらへ夜に訪問させてくださいね。
ホウズキは懐かしいから(我が家は草ばかり=懐かしいものばかり)植えています。いくらでも増えていく。最後にアミアミの入れ物になるのが楽しみです。いつも種だしに挑戦するのですが、できません。
それが悲しいような、懐かしいような、秋のやさしいひざし、子守唄みたいです。
お互い、季節の変わりめには、体には気をつけましょうね。有難う。

2010/9/29(水) 午前 4:19 花ひとひら

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ほくとさま。有難うございます。白いエプロン姿のお母さんが、子供にホウズキの慣らし方教えている。そんな姿はもう確かに無形文化財ですね。
そんな無形文化財クラスの情感をいつまでも慕って、成長しない自分に寂しさも感じます。ホウズキは大事にしています。でもほったらかしておいても我が家では増えてくれていますよ。根っこがのこっていたら、また出ますよ。楽しみに。(畑だったら、みんな引き抜いて作物にしてしまったのかな)

2010/9/29(水) 午前 4:27 花ひとひら

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ひなちゃん、ごめん。コメント飛ばしてしまった。(2)でずいぶんひなちゃんと話したので、REしたつもりになっていたのかな。ごめん。見直して気がついた。
ありがとうね。そうそう、上手に出来た人のを口に含ませたもらったときの、ドキドキ感思い出しますね。

2010/9/29(水) 午前 4:33 花ひとひら

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私も子供の頃、よくホウズキを鳴らしました。実のまま幹から採ってきた赤く色んだホウズキを、よく揉んで中の種などを出し、まだ甘い汁の残ったままのホウズキを口に含んだ時の、あのシアワセな感触を未だに覚えています。
そういえば、最近、ホウズキを手にしませんね。
「農家のお店」でも見かけません。このあたりでは栽培しないのかな。
上のホウズキのエッセイを読ませていただき、久しぶりに懐かしい昔を思い出しました。

2010/9/29(水) 午前 10:18 [ afuro_tomato ]

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この鬼灯の絵が素敵です・・それぞれのほおずきが語りだしそうです。ほおずきを鳴らすのは聞いたことがあります・・でも今田鳴らしたことはないのです・・・ほおずきの中から思い出がとびだしてきますね・・・おねえさんの思い出すごく花ひとひらさんの心の中に大きな位置を占めています・・・今でも生きていて欲しかったですね

2010/9/29(水) 午後 0:40 吉野の宮司

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花ひとひらさまこんばんは。
幼い頃、鬼灯を鳴らすために揉んで中を出すことが中々うまくゆかず、ある日いけてある鬼灯の実をほとんど取り出してしまったことがあります。
実がまだ硬く待ちきれずにとってしまったようで 母に笑われてしまいました。 ただ上手に鳴らすことが出来なくて・・・懐かしい思い出です。

鬼灯の絵美しく本物と見間違えました。虫ホオズキは手を伸ばしたら壊れてしまいそうです。

2010/9/29(水) 午後 9:58 こうげつ

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afuro_tomatoさん。有難うございます。みんなホウズキで遊ばれた経験があるのですね。とても嬉しいです。作られたおもちゃなどない時代、こうして自然の生り物が友であり、師であり、そこから、皮の破ける悔しさ、根気よさ、繰り返す挑戦、出来たときの喜び、ホウズキの美しさ、五感フル回転の子供時代だったのでしょうね。そして大人になるにつれ、それがどこかに落とされていき、いろいろ醜いことも身に着けていくのかもしれません

2010/9/30(木) 午前 0:04 花ひとひら

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吉野の宮司さま。有難うございます。ホウズキの絵、一生懸命描きました。紅いのやら、緑のツートンカラーやレース網の袋の中やと、深く楽しませてくれるホウズキですね。小さな白い花から、こんな大きな実になるのが不思議です。
年をとるにつれ、よけいに姉が生きていたら嬉しいのにと思います。女性としてのお手本をみな早く亡くし(祖母、母、姉)とても寂しく思うこともあります。でもその分、素敵な友達にも恵まれていると思います(中には悲しい思いをする今回のようなこともありますが)生きていたら、いろんなことを教えてもらえたのに、また楽しいこと一杯あっただろうにとも思います。死んでしまった人の分まで、私が良かったと思える人生を少しでも長く生きること、そして姉たちへのお礼に私も少しは人様のお役にたたればと、いつも思います。いつまでもいつまでも感謝です。

2010/9/30(木) 午前 0:17 花ひとひら

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こうげつさま。有難うございます。なかなかうまくいきませんでしたね。私は今もですが、せっかちなので早く鳴らしたい思いも先にたち、余計駄目でしたね。あれは神経統一の神業かな。鳴らすのも難しかったですね。私はチューインガムも上手く膨らませません。姉は何でも上手でした。生きていたら二人でホウズキ遊びしてみたいですが、残念です。余計ホウズキには、哀愁が乗ります。
虫ホウズキや、木の葉の網状に残っているのって見惚れますね。
今は薬品などで、葉脈だけ綺麗に残せるらしいですが、虫たちの芸術家を残しておきたいです。

2010/9/30(木) 午前 0:26 花ひとひら

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母は爪楊枝でしてたでしょうか。
中学生までの思い出ですよ。
一度 網状のホオズキ 見てみたいです。

2010/10/1(金) 午後 5:42 [ - ]

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志乃さんおはようございます。いつもありがとうございます。今日はとても気持ちの良い秋の空です。こんな日に縁側でホウズキの種だししたのを思い出します。爪楊枝で丁寧にやるのを、つい遊びにいきたくなり、雑になるとアウト。懐かしいですね。
虫ホウズキはホウズキを植えてみて。赤くなってもとらないで置いていたら虫が作ってくれますよ。(きっと美味しいんだろうなぁ)
子供のときはこんなものや葉脈だけになった木の葉が宝物でしたね。

2010/10/2(土) 午前 8:55 花ひとひら

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美しいイラストですね。傑作

2010/10/9(土) 午前 5:59 あるく


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