来た道行く道通りゃんせ/風にのって花ひとひら

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雛まつり

 
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 近江商人発祥の地である近江・五個荘は街並みも白壁や黒塀が続き、川には錦鯉が泳ぎ、重厚で整然としていました。近江商人を創業者とする企業には伊藤忠商事、丸紅 高島屋、大丸、西武、三越、日清紡、東洋紡、東レ、西川産業、ヤンマーディーゼル、ワコールなどがあります。
 
ひいなまつり 
 
いくつになっても雛祭りは嬉しい。ままごと遊びをしている気持ちにさせる。ここ何年かはお内裏さまとお雛さまだけを下駄箱の上に飾ったりしていたが、今年は全部出してみた。小さなお道具の数々はチマチマとして、飾り付けに手間が要るが、それが又、幼いごろの人形遊びの世界に私を連れて行ってくれる。
 子供のとき、お雛様はなかった。どうしてか緋毛氈だけがありそれは暖を取るのに使っていたような気もする。祖母が「戦争でみな焼けた。ええお雛さまやったのに」と悔しそうに言っていた。私は綿を入れて丸めただけの人形を作り、祖母に貰った着物の端切れを巻きつけ、自分でお雛様を作って楽しんでいた「雛」という友達の人形が増えていくことが嬉しかった。
雛飾りが欲しいと思ったのは長女を出産してからだ。女児を出産すると婚家に実家からお雛様が贈られてくるのが慣わしらしい。父は出来る限りの愛情と貧乏の中から所帯道具を工面して、嫁がせてくれた。それ以上を私は望まなかった。しかし、世間のしきたりを知らないと暗にほのめかされる陰口は厭だった。長女の三歳の誕生日に私たち夫婦は大奮発をし、七段の雛飾りを揃えた。夫が雛段を組み立て娘と私は説明書を見ながら雛を飾っていく。はしゃぐ娘がお雛様のどの顔より可愛く嬉しかった。共同作業が始まって行ったのだ。
娘が大きくなり雛壇に興味を持たなくなった。チマチマしたお道具を人形たちに持たせていくのが好きな弟と、段組みをする夫の活躍になっていった。
 
 娘が嫁ぎ出産で帰ったとき、夫と二人で雛壇を飾ってみた。新生児の泣き声を横に、雛壇のお囃子がよけい賑やかになった気がした。「母乳に甘酒は大丈夫だろうか」などと言いながら、久しぶりの雛の宴は桃の花のように薄っすらと染まる懐かしいものだった。娘も母の顔になり雛を見る目が優しく潤んでいた。
 
「近江商人屋敷の雛人形」見学へ誘ってもらった。
三年前には、雛祭りにオカリナを吹きに行ったことがある。
http://blogs.yahoo.co.jp/hanahitohira06/47140708.html
 
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どの雛祭りからも楽しい笑いと音楽が聞こえてくるようだった。しかし今年は雛に襟を正す思いもした。
 
あの時もお雛様をみるのがとても嬉しかった。ワクワク浮き浮きしたものが、湧いてくる。これは何だろう? 女性の性だろうか。雛を見てふっと母性が現れるような気がするのだ。
 
東近江市五個荘では、人間雛(若い娘さんたちが雛人形に化けて雛壇に並ぶ)が並ぶらしい。観光案内所「プラザ三方よし」で食事をしていると、観光ボランティアの妙齢のご婦人二人が、偶然隣の席で食事を始められ、「一人もお客さんが無く、気が抜けたなぁ」としょげている。誰にでもすぐ話しかけるのが好きな私だ。「人間雛を観に来たのですけど、空いているんですかぁ〜」と話しかける。当日だけのイベントだが、空いていて心置きなく観られるらしかった。ラッキーと、ますます話題が広がり、いろんなことを教えてもらった。別れ際に説明用に頭にマイクをつけるのを手伝ったりし、人間雛もこうして冠をつけるのだろうか、若い人は雛の冠で、高齢のボランティアさんはマイク?だ、などと思い、内緒ながらの面白さだ。ボランティアさんは沢山の説明を覚えなければならないようで、私には到底出来ない。笑いながらも感心する。。
 
食事をすませ屋敷通りへ行く。白壁黒塀にみこしの松だろうか、立派な松が空に手を広げている。水路には錦鯉がたゆたゆと泳いでいた。雪の残る石畳が重厚さを増している。屋敷通りと雪がとても似合うと嬉しかった。
通りを過ぎていくごとに凄い人並みになってきた。バスから団体客がどんどん降りてくる。高齢者が多い。急に人があふれ出して来た。
人混みにもまれていると先ほどのボランティアさんを見かける。先ほどと違い顔がいきいきとしていた。
人間雛の前も人だかりだった。沢山の人を前にして身動きも出来ずに重い衣装を着けて座っている、人間雛がなんだか可哀相な気がした。
雛めぐりは八カ所で行われていた。どれも回ってみることにした。雪かきもなされたのかなくなっていた。雪と屋敷通りを見られたのはラッキーだったのかもしれない。
どこもよく整備され、桁違いに大きなお屋敷や神社、寺が並ぶ。さすが豪商の地で、近江商人発祥の地は特別だと感心したりする。
明治期に全国の長者番付けに名を連ねた豪商たちばかりだ。手持ちの雛も財の現れなのだろう。宮中を模した大きな御殿雛、古く文化財のような雛、どれもこれもみなワクワクするものだった。商人にならず文学の道を志した外村繁の生家の雛もあった。
雛の見事さに圧倒され近江商人の商法や家訓、その暮らしや文化などを伝える博物館へも足を伸ばした。近江商人の「三方よし」を支えた女性たちの陰の力の資料が沢山あった。近江商人の女性の一生」と言うのが大きく貼り出されている。「1)寺小屋に通う。2)年頃なると奉公に出、行儀作法、人との接し方を身につける。3)商家に嫁つぎ、奉公人たちの教育をし、主に代わり家を守る」
近江商人たちの伝承や記録はよく目にしていたが、彼らの仕事(事業)を側面から支えていた女性たちの実態を、私はあまり知らなかった。 近江の本宅で主人の留守を預かる妻のことを「関東後家」とも言うらしい。彼女たちは家政全般にとどまらず、丁稚の採用から教育と大きな役割を担っていたのだ。彼女たちの苦労と才覚があってこそ近江商人は生まれたのではないだろうか。そんな気がした。
そんなことを思って、改めて雛人形を見直すと、また違う感慨が起こってくる。雛は財の証だけではなかったような気がしてきた。
彼女たちは、雛を一つ一つ飾りながら何を思ったのだろう。雛の祭りを、それは盛大に行われたことだろう。そして女人たちは、雛人形を借りて女性の本能のようなものが静かに動いていたのではないだろうか。女性の歴史が息づいていたのではないだろうか。そんなことが思われてきた。
 いろんな雛の顔があった。享保雛の面長の顔。時代は古いのに現在雛のようにふっくらとしたあどけない顔。小幡人形ののっぺりとした土雛の顔。金襴緞子のきらびやかな衣装でなく、近江上布を着る雛の顔もあった。その雛には「絆雛」「希望」と名付けられていた。
どの雛の顔にも歴史(精神)があるのに気がついた。近江商人の女たちの生き方を重ね、どの雛にも女性たちのしたたかな思いが秘められているような気がしてきた。
 
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近江上布(麻)で琵琶湖をイメージしている創作雛。
 雛人形のお姫様の装束は『小袖(こそで)』と呼ばれる肌着に2〜3枚、そして『長袴(ながばかま)』。その後、『単(ひとえ)』、『五衣(いつつぎぬ)』と呼ばれる、季節の移ろいを表した色目の重ね、そして『唐衣(からぎぬ)』『裳()』を着て『十二単』となる。これを全て麻で、色合いも青で統一したものだった。あまりの素晴らしさに「清湖雛」絵葉書を買った。
 
青湖雛の「絆雛」は二対製作され、一対は東近江市に一対は東北の被災地へ寄贈されるらしい。
 
雛にはどれにも「想い」がこめられている。そしてその想いが深く深く秘めているのが雛人形ではないだろうか。近江商人の女たちの想い、女人たちの想い、それは絆であったり、希望であったり、幸せであったり、情であったり、忍の歴史であったりするのだろう。
 
そんなことを思うと我が家の雛人形も飾りたくなったのだ。
我が家の雛にも歴史がある。それを押入れに閉じ込めておくことはないのだ。雛がとても愛しくなってきた。
雪明りの障子に雛壇の陰が映っている。陰も愛おしく思える。
女に生まれたこと、母となれたこと、どれも愛おしく思えてくる。
 
雛の祭りが過ぎても、人形を片付けずにいると結婚が遅れると言うが、昭和初期に作られた迷信だ。旧暦の場合だと梅雨が近づいており早く片付けないと人形や絹製の細工物に虫喰いや黴が生える、あるいは雛は春の飾りものだから、季節の「節」をきちんと守らずけじめを持たずだらだらしている(いつまでも飾っている)のを、嫁の貰い手がないと例えて、躾、生活を正す意味から言われのだろう。
 私は自分の意思で、桃の花が我が家の庭に咲くまで雛を飾って置こうと思う。それまで十分に雛と語りあいたい。我が家の歴史を雛と語り合いたい。娘に購入した雛でもあり、私が欲しかった雛だ。
いつまでも巡りあいたい。 
 
 







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