来た道行く道通りゃんせ/風にのって花ひとひら

のんびりしたブログですがよろしくお願いいたします。

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野の花と星の物語を一緒にした絵本です。星たちは花になりました・上杉和子著
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ホタルブクロが咲き出しました。この章は「古事記」と同じように亡くした愛しい人を追いかけていくのです。
古事記でこの章を絵に描くとしたらどんな花にしようかと考える楽しみが増えました。
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伊邪那岐・伊耶那美命と花を組み合わせるとしたら、どんな花が良いでしょうか。 
 
日本の原典〜古事記物語〜 (5)  
上巻 
 
 
奈良市此瀬町の茶畑から1979年、位階勲位や姓名などが記された銅板の墓誌や火葬された人骨が出土された。「古事記」を編纂した安万侶の墓であった。骨は近くの十輪寺に引き取られ供養されていた。(やまとまほろば 2 http://blogs.yahoo.co.jp/hanahitohira06/52534399.html
「古事記」編纂から数え、今年は1300年を迎える。それを機として十輪寺から奈良県田原本町の多神社に安万侶は分骨されることになった。多神社は、安万侶の出身氏族が代々宮司を務めておられ分骨を働きかけていたのがようやく実ったわけだ。
 多神社の春季例祭が四月の第三日曜日であることを、高校時代の知人が知らせてくれた。第三日曜日の十五日は 吉野山に参拝していた。(オカリナを吹こう30 http://blogs.yahoo.co.jp/hanahitohira06/52669450.html)帰路、吉野山と同じ近鉄橿原沿線の笠縫駅で待ち合わせをし何年ぶりかに会い一緒に多神社に向かった。
 駅から西20分ばかり歩く。住宅地を抜け田畑の残る道を、別々に歩んで来た過ぎし日のお互いの小さい歴史を語り合う。「笠縫大橋」にでた。流れるのが飛鳥川だと教えてくれた。この川は奈良県の中西部を流れる大和川水系の1級河川で、南から北に流れている。海のない奈良で私たちは川が遊び場だった、飛鳥川の支流でスカートをたくしあげ川魚と戯れていたのだ。川泳ぎもしたものだ。声高に近況報告をし合う私たちの小さい歴史も川の水音に流れて行った。突然、白い大きな鳥が飛び立った「あっ!あれ、日本武尊じゃない?」という私の問いに知人は呆れ顔をする。懐かしい友と違和感なく歴史の空気に浸れるのが楽しかった。
大きな森の中に多神社があった。 1) 東の三輪山と、西の二上山を結ぶ線 2) 南の畝傍山と、北の平城京を結ぶ線  3) 香久山と、耳成山の頂上を結ぶ線
  この3本線が交わる処に多神社はある。神社で頂いた栞の地図に線を引いてみると三角形ができた。その周りを懐かしい地名が散らばっている。古事記に興味を持ったお陰で、懐かしい知人とも、懐かしい地名とも、懐かしい景色とも出会えたのだ。
多神社は奈良盆地のほぼ中央に鎮座し、三輪山から上る朝日の遙拝所でもあるらしい。分骨された安万侶はこれからは多神社に眠り、悠久の日本(大八島国)を見つめて行くのであろう。改めて日本の歴史(古事記)を紐解いて行くことに襟を正した。
 
 古事記 上巻  伊邪那岐命の黄泉国訪問
前回は 伊邪那岐・伊耶那美命の二柱が(八つの嶋(日本=大八嶋国)を生み、さらに吉備の児島、小豆島、大島、姫島、五島列島、双子の島を産み終えられたところまででした。次はこの大八嶋国に住む神様たちをお産になられます。土の神。石の神。岩の神。家の神。海の神。川の神をサラサラと、泡の神をブクブクと、波の神をザブンザブンとお生みになられ、水の神、風の神、木の神、山の神を、そして野の神と生んで行かれました。
まだまだお生みになっていかれます。
霧の神に山頂の神。谷の神。暗闇の神。迷いの神をウロウロと。スイスイ空を飛べる天の鳥船の神を。食べ物が大好きな、おほげつ姫もパクパクトお産みになられそれはそれはたくさんお生みになられて行くのです。生まれた神様のそのお子もまた、次々と子を産んで野山は花が咲きほこり、雨が降り、虫が鳴き、雪が降り、四季がめぐるそれはにぎやかな日本の国土が出来たのです。万物、森羅万象が生まれたのです。
だから、山や海、石や木や草花、そのひとつひとつに神様は宿っているのですね。
伊邪那岐・伊耶那美命は沢山の子供や孫を持ち、とても幸せでした。
ところがあと一踏ん張りに大変なことが起こったのです。続いて生まれた火の神「かぐ土」の強い炎に伊耶那美命のみほと(女陰)が焼かれて大やけどを負われて寝込んでしまわれたのです。起き上がれない伊耶那美命は嘔吐もされ、たれ流しになりました。そのとき、嘔吐から鉱山の夫婦神「金山彦・金山姫」が、便からは粘土の夫婦神「埴やす彦・埴やす姫」が、尿から水の神「みづはの女神」穀物の神「わくむすひの神」が生まれました。が、伊耶那美命の容体は悪くなるばかりで治る気配がなくどんどん衰弱されていきました。そして伊邪那岐の手厚い付きっきりの看病のかいもなく耶那美命は亡くなってしまいます。伊邪那岐の慟哭は、森がざわめき大地が唸るほどでした。悲しみに泣き続けられる涙からは、「泣沢女」という美しい神様がお生まれになりました。(この神様は奈良の天の香久山の麓「泣沢の森」に鎮まっておられ、この森の中を歩くと、雨でもないのに冷たいしずく(涙)が落ちてくるそうです。尋ねてみたいものです)
 伊邪那岐は泣き続けました。泣けば泣くほど想いは深く、寂しさはつのるばかりです。「一人の子の命とひきかえに、愛しい妻を失ってしまった」そんなことを思うと「火の神かぐ土」が母の死も知らずに、ますます炎を燃え立たせ元気に飛び回るのをみると腹立たしくなってきて、腰の十拳剣(トツカノツルギ)で「お前の顔など見たくない」と、「かぐ土」の首をはねてしまわれたのです。十拳剣からしたたる血の中から、イハサクノカミ(石拆神)ネサクノカミ(根拆神)イハツツノヲノカミ(石筒之男神)が生まれ、 剣の根元の血からミカハヤヒノカミ(甕速日神)ヒハヤヒノカミ(樋速日神)タケミカヅチノヲノカミ(建御雷之男神)が生まれ、剣の鍔に集まった血からはクラオカミノカミ(闇淤加美神)クラミツハノカミ(闇御津羽神)が生まれ、かぐ土
の頭からはマサカヤマツミノカミ(正鹿山津見神)胸からはオドヤマツミノカミ(淤縢山津見神)。腹からはオクヤマツミノカミ(奥山津見神)陰(ほと)からはクラヤマツミノカミ(闇山津見神)左手からはシギヤマツミノカミ(志藝山津見神)右手からはハヤマツミノカミ(羽山津見神)左足からはハラヤマツミノカミ(原山津見)右足からはトヤマツミノカミ(戸山津見神)が生まれました。 
かぐ土を斬った刀はアメノヲバリ(天之尾羽張)と言い、そこから伊邪那岐はたくさんのお子をまた持たれたわけです。残酷な話だと思いましたが沢山の再生があったのですね。
しかし、「愛しい妻よ。あなたと作った国はまだ作り終えてはいない」と、伊邪那岐の悲しみ寂しさは増すばかりで癒されませんでした。もう一度どうしても耶那美命に会いたいと、その思慕は伊邪那岐を黄泉の国に向かわせます。
この黄泉の国を訪ねる(死んだ人を訪ねて行く)話は西欧の神話にもありますね。画像の絵本の話です。
 黄泉の国の入り口で、大声で耶那美命を呼ぶと耶那美命が現れました。しかし耶那美命は「どうしてあなたはもっと早く来てくださらなかったのですか。私はもう黄泉の国の食べ物を口にしてしまい帰れることはできません。」伊邪那岐は会えた嬉しさに「そんなことは言わないで、私の元に帰ってきておくれ。こうして迎えに来たのだから。私はあなたがいないと身が引き裂かれる思いです」「分かりました。あなたをそこまで悲しませ、私のことをそんなに思って下さるのですから黄泉の神さまにお願いをします。もしかしたら許してくださるかもしれません。しかし、私が黄泉の神さまと話している間に、私を探しはしないで下さい。約束をしましたよ」「分かった。早く黄泉の神と話し合い一刻も早く国に帰ろう。」と伊邪那岐は逸る気持ちで答えました。
しかし奥に入ったきり、耶那美命は何時間たっても戻ってきません。 
一向に戻ってこない耶那美命に伊邪那岐は不安が募るのと、待ち遠しさにどうしても我慢ができなくなり、黄泉の国の真っ暗な中を進んでいきました。髪から櫛を抜き櫛の歯を一本折り、火をともしわずかなその光を頼りに、中へ進んで行きます。 
 「どうか、私をこの黄泉の国から出させてください」遠くから耶那美命の声が聞こえてきます。。思わず伊邪那岐は声のほうに駆け寄りました。すると、声の先は目も疑うばかりでした。
あの美しい耶那美命の口にうじ虫が集まり、頭には大雷(おおいかずち) 胸には火雷(ほのいかずち)腹には黒雷(くろいかずち) 女陰には拆雷(さきいかずち) 左手には若雷(わかいかずち) 右手には土雷(つちいかずち) 左足には鳴雷(なりいかずち) 右足には伏雷(ふしいかずち) の八つの雷神がまとわりついてそれはおどろしい姿でした。伊邪那岐は仰天し引き返そうとした時 「約束を破り私のこの醜い姿を見たのですね。よくも私に恥をかかせましたね」今まで聞いたこともない恐ろしい耶那美命の声が響きました。そして伊邪那岐を逃がすまいと追いかけてきました。黄泉の国の醜女たちにも追わせました。恐ろしさに必死に逃げる伊邪那岐。
 醜女たちの足は速くすぐに追いつかれそうになります。そこで伊邪那岐は、束ねた髪の髪飾りの蔓を取って醜女たちに投げつけました。するとそれは葡萄の実になり醜女たち食べ始めたので、その間に速く速くと逃げました。 しかし葡萄を食べ終えた醜女たちはまた伊邪那岐を追いかけてきます。伊邪那岐は次は櫛を抜いて投げました。それは竹の子になり、醜女たちが竹の子を食べている間に速く速くと逃げ続けましたが、出口は遠く「出口はまだか」と焦る伊邪那岐がふと振り返ると、醜女たちだけでなく、耶那美命の全身にまとわりついていた八つの雷神が、黄泉の国の兵士を連れて追いかけてきます。伊邪那岐は火の神を斬った十拳剣を抜き、それを振りながら逃げます。やっと
黄泉の国と現実の国との境である黄泉比良坂(よもつひらさか)まで来ました。そこに実っていた桃の実を八つの雷神たちに投げつけたました。雷神、兵士、醜女たちは驚き、やっと引き返していきました。
「ああ助かった。有り難う 桃の実よ。これからは、私を助けてくれたように、葦原の中つ国(天上の高天原と地下の黄泉の国との間にある地上の世界)の、この国のものたちが危険なこと、辛いことや苦しいめにあった時には同じように助けてやって欲しい」とお願いをされ、オホカムヅミという名前を桃の実に与えました。
そして、伊邪那岐は黄泉の国とこの国の境目に大きな岩を置き、行き来できないようにしました。岩のむこうから、黄泉の国の住人になってしまった耶那美命の声が 「愛しいあなた。どうしてこんなことをするのですか」「そなたはもうこの世のものではない。私たちはもう一緒にはなれない」「なんてことを言われるのですか。早くこの岩をどかして下さい!」「ダメだ、出来ない」
 「なんといまいましいお方。ならばこれからあなたの国の人々を一日に千人殺していきます」
「愛しい妻よ、そなたがそのような振る舞いをするならば、私は一日に千五百人の人を生んでいこう」と叫ばれました。
 
古事記を読み進めていくと、日本の神さまは西欧の「全知全能の唯一神(ゴッド)」ではないのが良くわかります。日本の神々は、道徳や理想の価値観を示す存在ではなく、この世の現象をありのまま示し、そこから新たなことが生まれ、結ばれ、多様化していく働きを、擬人化して伝えているのではないでしょうか。喜びだけでなく、怒り、苦しみ、悲しみのときにも神が産まれたのですね。
このあと逃げ帰った伊邪那岐が海で禊をすると、お祓いの神(住吉三神)が生まれました。
 
この続きはまた次に 「ふることに伝う」。

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