来た道行く道通りゃんせ/風にのって花ひとひら

のんびりしたブログですがよろしくお願いいたします。

木村徳太郎

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 動物の謡15編  【私のユートピヤ】
絵本の企画として岡本ノート出版部へ提出せるものなり。図書はドウブツノウタ。(6歳〜8歳向)

(9) ヤギ(山羊)   木村徳太郎
 
       ウラノマキバノ

       コヤギサン

       カワイイ コエデ

       ナキマスル。 

       コヤギカワイト

       チカヨレバ

       オヤヤギツノヲ

       フッテクル。

       オコルオヤヤギ

       カミヤレバ

       ケロリ ケロリン

       スグナレル。

       コヤギヲツレテ

       ノニユケバ

       ハナガ ウレシユテ

       ハネマワル。
 

    こやぎさん お花のリボン 嬉しいね


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

狐の裁判(7) 昭和二十四年三月発行
 人形劇の脚本「猫の踊り」
 
 登場人物 / 猫・鼠A、B・太郎さん・お父さん・お母さん
 時と場所 / 太郎さんの部屋


  下手より鼠A、B逃げてくる。猫、追っかけて現れ、舞台の中央。

A 「許してください。許してください。もう決して悪いことは致しません」
B 「猫さんどうか見逃してください。お願いです」
猫 「駄目、駄目、折角捕まえたのに、どうして許せますか」
B 「そうおっしゃらずに、どうか助けて下さい。お願いします」
A 「食べ物なら、私たちが台所から沢山持ってきますから。どうか許して下さい」
B 「そうです。そうです。食べ物なら、台所にいくらでもあります」
猫 「いやいや、台所の物はうまくない。お前たちのそのまるまると太った体のほうがうまいのじゃ」
A 「そうですか。駄目ですか」
猫 「うん。いくら言っても駄目じゃ。あっさりこのわしに喰われてしまえ」
B 「ええ、仕方がありません。では、あっさり食べられてしまいましょう」
A 「食われる前に、猫さん一つだけ願いを聞いて下さいませんか」
猫 「なんじゃ。願いとは」
A 「はい、どうせ噛み殺されるのなら心残りのないように、死に際に一度おもいっきり騒いで見たいとおもうのです。どうかその間だけみのがして下さい」
猫 「うん。そのぐらいなら良いだろう。心残りの無いように、思いっきりやれ」
A 「はい。ありがとうございます。心残りなく騒がせていただきましょう」

   猫、少し後ろに下がり、見物する。

A 「さあさ、死出の土産、思い切り騒ぎましょう」
B 「そうとも、そうとも。思い切り騒ぎましょう。太郎さんのおもちゃ箱から、ハーモニカを借りてきましょう」
A 「私は笛を借りましょう」

   鼠A、B太郎さんのハーモニカと笛を持ち出し吹きながら踊りだす。

猫 「こりゃ面白いわい」

   猫思わず手を叩いて喜ぶ

猫 「もっとやれ。もっとやれ」

   音楽が急調子になって鼠の踊りも、急調子になっていく。

猫 「やぁやぁ面白い。面白い。うん、そうじゃわしも仲間に入ろう」

   部屋にかけてある太郎さんの着物を被って踊りだす。鼠A、B踊りをやめて伴奏する。

猫 「山寺の和尚さんは、まりは蹴りたしまりはなし。猫をかん袋にとじこめて……」

  猫の踊りのころあいを見計って太郎、上手より顔を出す。

太郎「誰だい。そうぞうしいのは。あれ、猫が踊っている。これは面白いぞ」

  鼠、太郎に気づく。

A 「おい、おい、太郎さんが来たぞ。こっそり逃げよう」
B 「うん。猫の気づかぬまに逃げよう」

  鼠逃げる。太郎入れ替わってハーモニカを吹く。猫踊っている。

猫 「ああ疲れた。もうやめだ。それにしても腹が減ってきたなぁ」

  踊りを止めて鼠の方を振り返る。

猫 「あっ」

  びっくりして逃げようとするが、太郎につかまる。

太郎「逃げなくってもいいよ。タマ、お前なかなか踊りが上手いね。僕、感心したよ」
猫 「からかっちゃ困りますよ」
太郎「からかってはいないよ。もう一度踊ってくれないか。その代わりご馳走を沢山持ってきてやるよ」
猫 「ご馳走は鼠を二匹獲ったのですよ。踊っているまに逃げられてしまいました」
太郎「おやそうかい。僕が来た時、鼠が伴奏でお前が踊っていたものだから、演奏会でもやっているのかと思っていたのだよ」
猫 「そうじゃないのです。鼠は食われる前に最後の願いを聞いてくれと言って、踊りだしたのですがね、あまり面白いものだから自分も飛び入りしてしまって、我を忘れて踊っていたのですよ」
太郎「そうかい。それは残念な事をしたね。じやぁ、僕が鼠の代わりにご馳走を持ってきてやろう。だから、もう一度踊って見せてくれないか」
猫 「つまらないことになってしまったものだな。でも、せっかくの太郎さんの言いつけだ。じやぁもう一度踊りましょう」
太郎「そうかい、踊ってくれるかい。では、お父さんもお母さんも呼んであげよう」

   太郎、下手に向って呼ぶ。

太郎「お父さん、お母さん一寸こちらへいらっしゃい。面白い物が見られますよ」

   お父さん、お母さん現れる。

母 「太郎さんどうしたのですか。大きな声を出したりなんどして」
太郎「お父さん、おかあさん、タマがね。踊りを見せてやろうというのですよ」
父 「おや、それは面白い。タマ、さあ早く踊って見せておくれ」
太郎「お母さん、そのかわりタマに沢山ご馳走を作ってやって下さいね」
母 「はいはい、承知しましたよ」
太郎「僕、伴奏やります」

 太郎、伴奏をする。猫、鉢巻を締めて踊りだす。

猫 「こりゃこりゃ、山寺の和尚さんが、まりを蹴りたしまりはなし……」
母 「面白いわ。タマに沢山ご馳走をしなくってはいけませんね」

  お母さん、独り言を言って上手に入る。そしてご馳走を持って来る。

母 「タマや、タマや、さあ、ご馳走を持ってきたから一休みしておあがりなさいな」

  猫、踊りを止める。太郎も伴奏をやめる。

太郎「タマや。遠慮しないで沢山おあがりよ」

  猫、ご馳走食べかける。その時、鼠A、B下手より顔だけ見せる。

猫 「おや、逃げた鼠だな。うん、こんなにご馳走をもらったから、もうお前たちは食わないから安心しろよ」
鼠 「はい、はい、それは安心しましたよ」

  猫、ご馳走を食べはじめる。鼠A、B舞台の中央へ出てくる。

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 動物の謡15編  【私のユートピヤ】
絵本の企画として岡本ノート出版部へ提出せるものなり。図書はドウブツノウタ。(6歳〜8歳向)

(8) クロショウジョ(黒猩猩) 木村徳太郎
 
       イチダン ニダンノ

       五ダンノ タケウマ

       トツテモタカイ。

       タカイタケウマ 

       ジョウズニ ノッテ

       オシリヲカイタ。

       カイテ ソラミテ

       オクチヲ アケテ

       キャツキャツト ワラフ。

       ドウブツエンノ

       クロショウジョハ

       ヒトマネジョウズ。
 


    クロショウジョ 恥かしげに お尻掻く


     ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

狐の裁判(6) 昭和二十四年三月発行
 人形劇の脚本「狐の裁判」(2)
 
 登場人物 / 熊・百姓・牛・狐
 時と場所 / 森の中・夕方。


  熊の方へ首を突き出す。この時、下手より狐出場。

百姓「や、狐さんが来た。ね、熊さん、あきらめていますが、こんなつまらぬことで死ぬのは嫌だから、もう一度、狐さんに聞いてくれませんか。そのうえで、どちらになっても喰われてしまいましょう」
熊 「うるさい奴だな。まあよい。それでは聞いてみろ」
百姓「狐さん、狐さん」

   狐、百姓の呼び声で熊のところに来る。

百姓「狐さん。聞いてください。熊さんが穴の中に落ちて困っていたのを、私が助けてやったのですよ。それだのに、熊さんは私を喰おうというのです」
狐 「それで、どうしたというのかね」
百姓「こんな不都合な理屈にあわない事を、一言、狐さんから言ってもらいたいのです」
狐 「いや、よく分かった。しかし話だけでは裁判もつきかねるから、とにかく現場を見せてもらってから、よく考えてみよう」
熊 「うん、それがよかろう」
百姓「見なくっても、話で分かるのだがなぁ」

   熊、百姓、狐、穴のところへ行く。

狐 「いったい初めはどんな具合だったのか、一寸演って見せてもらいたいものだ」
熊 「お安い御用だ。僕がこんな風に、穴にはまっていたのだ」

   熊、穴の中に飛び込む。狐、百姓の方へふりかえって、

狐 「百姓さん。あなたは相手を見ないで、人助けをするものだから、喰われそうになったのですよ。さあ、今のうちに逃げよう」

   百姓と狐、いそいで逃げる。

   姿の見えぬ熊の声。

熊 「うわぁ。助けてくれ〜〜」
      
               __幕__
 

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 動物の謡15編  【私のユートピヤ】
絵本の企画として岡本ノート出版部へ提出せるものなり。図書はドウブツノウタ。(6歳〜8歳向)

(7) アザラシ(海豹)  木村徳太郎
 
       ヤナギガ ユレル ドウブツエン

       アザラシ ウォート ホエマシタ。

       ダレカ オサカナ ナゲタカラ

       ポイト カホダシ マタモグル。

       プールニ デキタ イワノウエ

       オサカナ タベリヤ ハイアガル。

       アザラシ アザラシ シロイヒゲ

       ナツノ ヒデリニ ヒカッテル。
 

    柳ゆれ水ゆれアザラシひげ光る


     ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

狐の裁判(5) 昭和二十四年三月発行
 人形劇の脚本「狐の裁判」(1)
 
 登場人物 / 熊・百姓・牛・狐
 時と場所 / 森の中・夕方。

下手より百姓出る。

百姓「やれやれ、今日も無事で畑仕事が終った。1寸ここらでひとやすみしよう」

   木の根ッコの腰をおろす。その時声あり。

熊 「お助けください。お助けください」
百姓「おや、誰だね。いま助けてくれと言ったのは」
熊 「は、はい。私です。熊です」
百姓「えっ、熊だと。くわばら、くわばら」

   百姓立ち上がって、ぶるぶるふるえる。

熊 「百姓さん、百姓さん。そう怖がらなくともよいでしょう。私は穴に落ちてからというものどなたかがお出になれば、助けていただこうと思って、毎日待っていたのです」
百姓「何っ、穴の中だと。どれどれ」

    百姓前に進んで、穴の中をのぞく。

百姓「ほんとうに、なんと大きな熊だろう。まるで牛のようじゃ」
熊 「百姓さん。じょうだんをおっしゃらないでお助けください。お願いします」
百姓「いやいや助けてやってもよいが、助けてやると今度は自分が危ないというものじゃ」
熊 「それはまたどうしてですか」
百姓「どうしても、こうしてもあるものか。助けてやればお前はきっと、このわしを喰うだろう。折角助けてやっても、それではなんにもならぬ。まあ、関わり合わぬほうがよいというものじゃ」

   百姓すすみかける。

熊「ま、まって下さい。まって下さい。そのような薄情な事をおっしゃらずにどうか助けて下さい。助けてくださった恩人を、どうして喰べる事が出来ましょう。私はそこまで恩知らずではありません。ね、百姓さん、助けて下さい。それにね、助けて下さったならば、そのお礼に私が大切にしている蜂蜜を沢山あげましょう」

  百姓立ち上がり、後をふりかえり

百姓「うん、それほど言うなら助けてやらないこともないが、どうだ、助けてはやるが私を喰わないと約束するかい」
熊 「ええ、約束しますとも。どのような事がありましても、きっと貴方を喰べません。それに必ず甘い蜂蜜も沢山さしあげましょう」
百姓「そうかい。それじゃ、助けてやらないこともない」

   百姓穴をのぞいて手を出す。

熊 「お願いします。お願いします」

   百姓穴から熊を引っ張りあげて助ける。

百姓「うん。なかなか重い。しっかりつかまっていなされ」

   熊、穴の中から現れる。

熊「ああ、やっと助かった。やれ、やれ、穴の中に三日もいると、腹はへるし、頭はがんがん鳴るしひどい目にあったものだ」

  熊、体のほこりを掃う。

百姓「これにこりて、これからは気をつけるのだね」
熊 「なあに、この位の事ではこりんよ。そんな肝っ玉の小さい俺さまじゃないさ」
百姓「おやおや、助けてもらったとたんに、そんなことを言っていたなら、駄目じゃないか」
熊 「よけいなお世話だよ」
百姓「まあまあいいわ。助かったのだから、それじゃ約束の蜂蜜をもらおう」
熊 「なに、約束の蜂蜜? 馬鹿にするない。三日も喰わぬと腹がぺこぺこじゃ。約束どころか、これからお前さんを喰おうと思うのじゃ」

   百姓ぶるぶるふるえて後すざり

百姓「それは恩知らずというものじゃ」
熊 「いや、喰ってみせる」
百姓「それじゃ約束が違う」
熊 「恩なんてものは人間の言うことじゃ」

   牛が現れる。

牛 「モオゥ、いったいお前さんたち、何を喧嘩しているのだ。待て、待て」

   熊、百姓あらそいをやめて、

百姓「牛さん、このような馬鹿な事があるものですか。まあまあ、聞いてください。向こうの穴に落ちていた熊さんを私が穴から出してやったのに、熊さんは私を喰おうというのです。こんな不都合な事があるものですかね。そうでしょう」
牛 「うん。それはお前さんが悪いよ」
百姓「えっ、それはどうしてですか」
牛 「考えても見るが良い、一体人間と言う奴はけしからん。我々、動物に重い荷物を負わせたり、鞭でひっぱたたいたり、さんざんいじめぬいて、おまけに肉まで喰ってしまおうというのだから、お前さんが今度はあべこべに喰われるのがあたりまえだよ」
百姓「牛さん、それはあんまりひどい」
牛 「ひどい事なんどあるものか。わしはそう思っている。ちょうど、こんなときに仕返ししてもらわなくては、仕返ししてもらえる時がない」

   牛、熊の方を向いて

牛 「どうか熊さん、早く復讐して下さい」

牛、熊にすすめる。

熊 「牛さんの言うことがもっともだ。さあ、喰われてしまえ」
百姓「まあまあ、待って下さい。こんなわけのわからない事がある物ですか」
牛 「世の中と言うものはこんなものだ。熊さん、どうか、常日頃の仕返しを充分にして下さい。これで、私も、常からむしゃくしゃしていた気持がさっぱりする。喰われるところを見ていたいが、いそがねばならん用事があるものだから、では、これで失敬しょう」

   牛、上手に退場。百姓、ぶるぶるふるえ、

百姓「もう仕方がありません。あきらめましたよ」

   熊の方へ首を突き出す。この時、下手より狐出場。

 
(字数オーバーのため投稿が反映されませんので、2回に分けて投稿いたしますことをお許し下さい)

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 動物の謡15編  【私のユートピヤ】
絵本の企画として岡本ノート出版部へ提出せるものなり。図書はドウブツノウタ。(6歳〜8歳向)

(6) ゾウ(象)  木村徳太郎
 
       ゾウガ ミズアビ

       シテイルヨ


       オハナデ ミズヲ

       フキアゲリヤ


       ミズダマキレイナ

       ニジミタイ


       オオキナ ミミニ

       カカリマス


       ゾウハ オメカシ

       シテルノネ


      水浴びて象にイヤリング春の虹


     ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

狐の裁判(4) 昭和二十四年三月発行
 
藤井君と、小山君は今日の人形劇の面白さと、ギニヨール座のおじさんから聞いた、人形の作り方だとか、やり方を姉さんに話した。
 夕餉がすむと、藤井君は小山君ももう来るだろうかと思いながら、何度も家の外に出て、お母さんに笑われた。でもいつもなら本でも読むのだが、今日はもうじっとしていられない。六度目に家の外へ出たとき、小山君もにこにこと笑いながら、いっさんに走ってきた。二人は藤井君の部屋で、ギニヨール座のおじさんから聞いて書いたノートと見比べて、熱心に人形をつくった。
 姉さんも手伝って下さった。手伝いながら姉さんは、会社にも人形劇を上手にやる人がいるので、明日、稽古する時の参考にと言って、セリフや舞台のことなどを聞いてくれる事になった。
 人形が三つも出来たころには、ラジオがもう九時を報じた。それで、明日稽古をする事に決めて、姉さんは小山君を家まで送って行った。
 藤井君は、一人になると人形劇の稽古のことを思って、なかなか寝られない。早く明日が来ればよいと思った。
明日もよいお天気だろう。窓から月の光がさして、枕元の人形をいきもののように照らしていた。
 その翌日、小山君は学校の帰りに藤井君の家に寄った。もうお父さんに言って許しをいただいてあったのだ。藤井君と小山君が、昨日ギニヨール座で見たような舞台を部屋の中で、あれこれと考えて準備をすっかりすませた頃、姉さんがいつもより早く、会社から帰ってきた。
「今日、会社の仙波さんから教えてもらったこと書いてきたけれども、あんた達にはちよっと難しいから、人形劇をやりながら研究しましょうね」と、言って姉さんは便箋に書いてきたものを見せた。それには、人形劇のセリフと舞台と書いて、こんな事が書いてあった。

 セリフと舞台
(セリフ)
 セリフは人形を使う人が言うのが、動きと言葉がぴったりあうからよい。セリフと人形を使う人が、べつべつにやると、練習も楽です。例えば女の人形を男の人がつかっていても、セリフを女の人が言えば、本物みたいに人形が見えるからです。それに、共同してすると、もっと愉快で一つの芝居も、めいめいが研究できて大変勉強になります。
(舞台)
 人形だけをみせて、使う人や、セリフを言う人を隠すために、衝立、戸板、襖、黒板、机などを利用すればよい。(図1)
 特別に舞台をつくるとなお良いが、窓を利用して部屋の外から、または内から、人形劇をやってもよい。だが人形の登場や退場が分かり難いので、舞台の右と左に柱のようなものをつくると、下から人形がとびだして姿を見せなくてもよいし、天井をつくると、まるで本物の劇場のようになります。(図2)
 次に、背景や道具はなるべく作るようにする。枯れた木の枝に、色紙をちぎって貼り付けると立派な木が出来るし、家を厚紙でくりぬいてつくって、絵を描けば家も出来る。そして、音楽や照明を考えれば、いっそうひきたつ。幕を開けるとき、ハーモニカなどを吹くと、人形劇にふさわしい。(図3)

 演出の注意
(1)肩、腕を使うために疲れが出てきて、人形に気を取られすぎ、つい腕が下がる。高さに気をつけないと、人形が座っているのか、立っているのか、寝ているのか、倒れかけているのか分からなくなる。相手の人形と、いつも同じような高さで頭と顔に注意すること。
(2)長いセリフになると、動きやら、人形の様子がわからないから飽きる。
(3)舞台が小さいから、いく人も一度に出るような劇はいけない。交替でやれる劇の筋に注意する事。

 これを読んでも、一度には頭に入らないので、藤井君と小山君は人形をつかいながら、姉さんに教えてもらうことに決めて、隣りの部屋で新聞を読んでおられたお父さんと、縫い物をしておられたお母さんを呼び、藤井君と小山君と、姉さんの三人で稽古するところを見てもらった。
台所から姉やも来た。夕方の電気がぱっとついて、藤井君も小山君も、はりきって稽古を初めた。筋は「三つの願い」と言う樵(きこり)の劇だ。藤井君が樵、小山君がその妻、セリフは姉さんが言っている。
お父さんとお母さんと、姉やはにこにこ笑って見ていた。


        
        

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 動物の謡15編  【私のユートピヤ】
絵本の企画として岡本ノート出版部へ提出せるものなり。図書はドウブツノウタ。(6歳〜8歳向)

(5) キリン(ジラフ)  木村徳太郎
           
        キリンノクビニ

        テフテフガトマル。


        キリンハオシャレ

        ネクタイツケテ


        ダアレモコナイ

        ツユアルヨアケ


        サクノワカメヲ

        コツソリタベタ。


        タベテ キリンハ

        メメヲホソメテ


        ニゲタテフテフヲ

        スマシテミテル。


  (訪問有難う御座います。ダアレモコナイ/ ツユアルヨアケ/ サクノワカメヲ/コツソリタベタ/このワカメは若布ではなく若芽で早春の露の残る朝、柵に芽生えていた若芽のことだと思います。きっと今頃の季節で、蝶々も若芽も仲間でキリンは嬉しかったのではないでしょうか(花ひとひらの解釈です)

   若芽のび蝶追ふまなざし首も伸び


     ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

狐の裁判(3) 昭和二十四年三月発行
 
 古ハガキを手にとって「たてにぐるぐると、人差し指の太さに巻いて、端を糊で止めます。これが頭の芯です(図一)
それが出来たらまら3分の2ぐらいに、糊をつけて下さい。ちり紙ぐらいに切った新聞紙を、なるべくしわをよせたままかぶせます。(図二)
次はこれと同じように、半分ぶらいにきった新聞紙をよくもんで、丸めながらその上に被せて下さい。(図三)
 芯のハガキがつぶれないよう、指を突っ込んでいるか錐の柄でも突っ込んでおけばいいですね。そして、かぶせた新聞紙は手を離すと取れますから、糸か紙紐の細いのでとめるように結んで下さい。(図四)
その糸をとめるとき、つくろうと思う人形のかたちにきゅうっとしめると、ほらいろんな形になるでしょう。これはサルの顔です。(図五)
ちよっと、工夫すれば、紐のくくり方でどんな格好にもなりますね。これで土台の形が出来ました。こんどはデコボコをつけます。
一番出ているところは鼻ですね。新聞紙を小さくまるめて、糊のついた紙で鼻のようにバンソウコでちよっと貼り付けます。こんな格好になりますねと言って、おじさんは土台の首をくるくると回して見せた。(図六)
「人間でも、動物でも、鼻と耳で特徴が出ます。人間の子供なら、鼻も耳も小さくついているところは、顔の下の方です。こうして、すっかり土台が出来たならば、面倒でも、初めは半紙を細かく千切って、ぼちぼちと貼り付けて顔の皺を無くして行きます。(図7)
そして、皺がなくなれば少し大きな半紙で、仕上げをするのです。その時は皺の出来ないように貼って下さいね。でないと折角苦心して作った顔が、皺だらけになって面白くありません。「ついでに、動物の耳は三角に切った古ハガキを貼り付けるのですが、ちよっとやっておきましょう」と、おじさんは動物の耳をつけて人形の土台を作って見せてくれた(図八、九、十)
 こうして、すっかり出来たならば、今度は絵の具で顔を塗るのです。これは、いまここに、絵の具を持ってきていないので、君たちの家で作ってから塗りなさい。その顔を塗る時の注意ですが、初めは鉛筆で、目や頭の毛のところをはっきり書いておいて塗ることです。そうでないと、おかしな顔が出来て、何度も白く塗りなおさななければならなく成りますからね。
 「顔はそれ、漫画の本や、絵本にいろいろあるでしょう。あれを手本にして描けばいいでしょう」おじさんは、人形の首の作り方を細かく教えてくれると、次は手の作り方を教えてあげようと言って、ポケットから煙草を出すと、一服だと言って、紫色の煙をふっと吐いて休んだ、
 藤井君と小山君は、おじさんに教えてもらって、ノートに書いたのを、もう一度繰返して読んでいた。おじさんは煙草を吸い終わると「さあ、今度は手の作り方だが、手は簡単に出来るよ」と言って、話をしながら材料を手に持って作りはじめた。

 手のつくり方
薄い板をこんなふうに(図一、二)小刀で削り、手の形を作る。そして、ハガキを首のときのように丸く巻いたものに、3センチほど突っ込んで、糊と糸でしっかり留めます。始めに開けた穴は、とめる時に使うのです。そして、顔と同じように色を塗るのですが人間なら人間らしく、動物なら動物らしく塗って下さいね。
 首と手のつくり方をすっかり覚えた藤井君と小山君はもう立派な人形作りになったような気持になって、「なんだおじさん、簡単に作れるものだなあ」と言った。するとおじさんは「あはっはっはっ」と大きな声で笑って、「そうだよ。簡単に作くれるから自分で作って、自分でやれるのさ。子供会やら、学校の自由研究にやればいいね。人形劇はそれだから、君たちに好かれるのだよ」と言った。そして、今度は最後の着物の作り方を教えてくれた。

 着物のつくり方
 「どんな小さな布でも大切だから、端ぎれを利用するようにして下さいね」とおじさんは注意すると、「継いである方が、かえって人形の着物として、おもしろいものが出来ます。上と下が違うとき下の割合を長くした方が良い格好になって、とても素晴らしい人形が出来るよ」と言った。
藤井君と小山君は、ノートにしっかり書き込んだ。だいたいこのように切って、(図一)二枚重ねて点線のところを縫い合わせればよいのです。その上にチヨッキとか、セータの上衣とか羽織とか、いろいろ工夫して着せればぐっと引立ちます。着物はこのように(図二)手をつけ、頭をつけるのです。手は錐であけた穴に針を通して糸でぐるぐると巻きつけ、頭はまっすぐにしておいて、着物の襟と人形の首を三個所か四箇所はずれないように縫い付け、糸でぐるぐる巻きにします。出来れば初め仮縫いしてみて、一度表に引っくり返して着物の裾を持って、ぶらさげると首の曲がっているのと、その悪いところがよく分かりますから、これは必ず直して下さいね。ほら、これで人形の着物が出来たので、もうすっかり舞台に出てきた狐の人形と同じでしょう」と言って、おじさんは人形を藤井君と小山君に渡した。
着物は姉さんに端布をもらったならば出来ると、どちらも思った。
 おじさんに礼を言って、藤井君と小山君は会場から出た。
熱心にノートへ書いていたので、時間の経つのを忘れていたが、表に出るともうすっかり日暮で、夕餉の用意が出来たのに帰ってこない藤井君を心配して、子供会に探しに来ていた姉さんと、辻の角でぱったりと会った。


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