来た道行く道通りゃんせ/風にのって花ひとひら

のんびりしたブログですがよろしくお願いいたします。

木村徳太郎

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木村徳太郎

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伝書バト物語(33)マウスを画像上に乗せてください。拡大します。

      ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
       七月の空       木村徳太郎  

          七月 闇空
          銀の河
          幅は米東西
          二十光年。

          一夜の逢瀬に
          一往来(ゆきき)
          星の話の

          牽牛(ひこ)星よりも

          早く突つきる
          翔けて行く
          ロケツトみたいな
          飛行機 標識燈(あかり)。

          僕は見てます
          遠眼鏡
          七月 星合
          涼みの庭よ。

       蛍       木村徳太郎  

          軒につるした
          ほ、ほ、ほたる。
          籠のお家に 日が暮れた。

          軒につるした
          ほ、ほ、ほたる
          明るいランプ つけました。

          軒につるした
          ほ、ほ、ほたる
          ラヂオのスイツチ つけました。

          軒につるした
          ほ、ほ、ほたる
          籠のお家は 一間です。


       夕焼け       木村徳太郎  

         ガソリンの海に
         火がついた。

         火焔がぼうぼう
         あがつてた。

         いまにも頭へ
         落ちそうで。

         こはくてこはくて
         目を閉じた。


       前の日の夢       木村徳太郎  

        心はみんな 起きてゐる
        心はみんな 駈けてゐる

        <君、飴チヨコと 取替つこ
        してくれないか その花と。
        うゝん雌蕊が きれいもん
        栞にするんだ だから嫌>

        みんなの心に 花がある
        みんなの心に 鳥がある。

        <あの鳥なんだか 知ってゐる
        ほうれ魚を とつただろ。
        あれは鴎だ 海の鳥
        羽根がとつても 強いんだ>

        心はみんな 駈けてゐる。
        心はみんな 起きてゐる。

木村徳太郎

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わたくしと子供の手帳 木村徳太郎
日本児童文化 昭和三十一年四月一日発行 日本児童文化社

楽しむ心  こゝは村のなか村のなか村名なしの、イサむすめ、としは十六、名はおせん、おせんおともだち、四十九ねん、四十九ねんのともだちは、今朝の寒さで、奥山へ、仏のしんじん、菊のはな・・・・・・一分のたばこ、二分たばこ、3分のたばこに、火をつけて、これをおせんに、さしだせば、おせんはいややとかぶりふり、たばこのけぶりや、ひいや、ふや、みやよや、
いつつや・・・・・・。(・・・は音のため意味不可解なり、後日調査せん)

 縄とびをしている、この短音階のうたは、古揺の縄とびうたから転化したものであろうか。
近時新しく自然発生したものであろうかという事のせんさくは、後程調べるとして、とぶ子供の心うちは、縄につまずくまい、入れ替わるまでとび続けようという事でいっぱいであろう事は、昔も今も変わりない。生理的、衛生的にはともあれ、一応子供の心理に適応したこの遊び方が、近頃の町や村にひろまっていたるところに見うけられる。
 晩年の森鴎外博士は「なんでもない事が楽しいようにならなければいけない」とよく言われていたが、大人から見ればこの単調な縄とびも、子供にとっては、仲々なか習練を経なければならぬ事であろうことは、私にはよくわかる。
 子供のこの単調な縄とびも楽しそうに行なわれているが、実を言えば、縄をくゞつて、一度か二度でつまずく頃は、楽しむ心よりも苦しさが多く伴なっているものだ。だが、この苦しさをこらえてこそ初めて縄とびのたのしみが解かり、楽しむ心になれるのであろう。
 子供の単調な遊戯の中にも、このように人間生活を楽しむであろうための心の修行がくりかえされて行なわれるという事は、子供を寝てもさめても思っている私には素直に感知され、また人にも伝えたい。
 子供の縄とびに耽るのを叱っている了間の狭い親をよく町や村で見うけるが、叱られているその子供が、実はやがて、なんでもない日常を楽しむ有能な主婦になるのではなかろうか。

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お掃除と和子ちゃん 木村徳太郎作
「高瀬有職商報」 昭和三十一年度 高瀬装束店発行
 
 和子ちゃんは五年生。お宮のお庭をはいています。三年のときから初めて、もう二年もつづきます。
 体の弱かった和子ちゃんは、お家から五百米ばかりはなれたお宮に、毎日学校に行くまえにきちんとお掃除に行くようになつてから、たいへん体が丈夫になりました。
 今日も、朝のすがすがしいお日さまのひかりを、からだいつぱいにあびて、お掃除をしていると、和子ちゃんの元気な朗らかなようすに、小鳥もつい朗らかになるのでしょう。
「ちっ、ちっ、ちっ」と、楽しそうに、和子ちゃんのお掃除をながめながら鳴いています。
 和子ちゃんも、小鳥の鳴声を聞きながら、いつそう心がはずんでくるのでしょうか、もっているほうきが、ひとりでに「ちっ、ちっ、ちっ」とうごくようです。
 「あら、和子ちゃん。いつもえらいのね」
 おばさんがお詣りにきたのでしょう。いそがしそうにそのように言いながら、せかせかと歩いて、拝殿に行くと鈴を「ちゃらんちゃらん」と、ならし、拍手を「ぱんぱん」とうつと、すぐお詣りをすませてもどってきました。そして、
 「ね、和子ちゃんにくらべたなら、うちの澄子はさっぱり駄目ね。体が弱くって病気ばかりして、朝寝坊するものだから、少しも勉強ができやしない」
と、ひとりでかってにぺらぺらしゃべるとまたつづけて
「だって、まだお腹いたで、寝ているんだもの。早くよくなるように神さまにお願いにきたのよ」
と言って、おばさんは、和子ちゃんに話しかけているのか、そのどちらかわからないほど、せかせかとしゃべって、かえって行きました。
 和子ちゃんは、おばさんがかえると、おかしくつてひとりでに笑えてきました。
 澄子さんのおばさんが、ひとりでかつてに、ぺらぺらとしゃべつて、神さまにかつてなお願いをしてさつさとかえつてしまつたことが、おかしくてならなかつたのです。
 神さまも、わらつていらつしゃるように、和子ちゃんには思えました。
その時
 「えらい嬉しそうだね」
と、和子ちゃんが、ひとりでわらつていた顔を、やはり嬉しそうに、にこにことみつめながら、越出のおじいさんが、お詣りにきました。
 越出のおじいさんは、八十三、村でもゆうふくなお家のおじいさんで、びょうきの人やこまつた人があると、親切に世話をしてあげると言う、心のやさしいおじいさんで、体も丈夫で、歯は一本もぬけていない、朝も早くからいまだに畠の草をとりに行くと言う、けんこうのもちぬしでもありました。
 そのようなおじいさんですから、村の人みんなから、たいへんなつかしがられておりました。和子ちゃんも、越出のおじいさんをみるとなんとなくおちついた心がうつります。
「お早うございます。おじいさん」
と、あいさつをしました。
 越出のおじいさんは、和子ちゃんのあいさつを聞くと、
「ほう、心も美しいがあいさつもじょうずだね。よしよしほうびにこれをあげよう」
と、言って、ふところから帳面を一冊とり出すと、和子ちゃんに下さいました。学校で使う国語の帳面です。和子ちゃんはどんなに嬉しいと思ったか知れません。越出のおじいさんはきつと、朝早くからお宮の掃除をしている和子ちゃんのために、持ってきて下さつたものにちがいがありません。
 越出のおじいさんは、和子ちゃんに帳面を渡しおわると、
 「ね、なにがそんなに愉快なの。おじいさんにも教えてよ」
と、さつき和子ちゃんが、ひとりで「くすっ」と笑つていた顔を思い出したのでしょう。
おじいさんは、そんなことをたずねました。
 「だつて、おかしいもの」
 と、和子ちゃんは答えずに、また「くすっ」と笑いました。
 その笑顔に、おじいさんは、いつそう心がひかれたのでしょう。
「ね、おじいさんに教えてよ」
 と、越出のおじいさんは、和子ちゃんのそばに近よつて、和子ちゃんのおつむをなでながらやさしい声で、ふたたびたずねました。
 それで和子ちゃんは、さつき、澄子さんのおばさんが、お詣りにきて、ひとりでぺらぺらとしゃべつて、ひとりでかつてなことを神さまにお願いして、さつさとかえつてしまつた、そのようすのおかしかつたことを、越出のおじいさんに話しました。
 越出のおじいさんは、それを聞くと、
「ふうん。なるほど、そりゃかつてなことだ。和子ちゃんも、元気なのはこうして毎日きつちりと、神さまのお掃除をするから、おじいさんも、このようにながく生きられたのは、神さまのおいいつけを、よくまもつて体を大切にしてきたから。朝寝坊はする、行儀が悪い。それでいて病気になつたとき、神さまにお願いするなんて、そりやかつてなことでおかしいね。あっはっはっ」
と、おじいさんは、白いきれいな歯をのぞかせて、大きな声で笑いました。その笑い声にびつくりしたのでしょう。明るい声で鳴いていた小鳥が、ぱつとにげとびたちました。
 和子ちゃんも、おじいさんのあまり大きな笑い声に、つい
「そうだわ、わたしだつて朝早くお宮のお掃除をするから、夜は早く寝て、そして体をたいせつにするから丈夫なんだわ。お掃除をすることは、誰のためでもなかつたのよ。けつきょく自分のためになることだつたんだわ」
と、越出のおじいさんの言葉に、和子ちゃんは、弱かったころのことを思い出して、いまのように丈夫になれたことが、たいへん有りがたく思えて、そのようなことをおじいさんに話してしまいました。
それを聞くと、越出のおじいさんは
「そうとも、そうとも、人によろこばれる良いことをしてほめられて、そして自分が良くなる。こんな有り難いことはない。これがきつと神さまのお教えだろう。どれどれ、おじいさんも神さまに、今日一日けんこうに過ごさせていただく、ごあいさつをして、畠の草とりでもしましょうや」
 と、にこにこ笑いながら拝殿で、神さまにごあいさつを終わり、元気なあしどりでかえつて行きました。
小鳥がまた来ました。明るいたのしそうな声で鳴いています。お日さまのすがすがしいひかりが、お宮の森いつぱいにひろがつて、心がしぜんと、ひきしまるような、朝のお宮でこのように元気にお掃除のできることを、和子ちゃんはどんなにか幸福に思いました。おもはず、ほうきをそつとおくと、小さい手を合わせて、
「神さま、ありがとうございます」
と、口のなかで、大きく大きくつぶやきました。それといつしょに
 「そうだわ、澄子ちゃんにもいつしょにお掃除をして、体をたいせつにすることを教えてあげよう」
と、心のうちで思いました。
神さまが、素直なかしこい和子ちゃんに、澄子さんが、げんきになれることを、教えてあげるようにおっしゃつたのにちがいがありません。(筆者・児童文学者協会員)

神社宗教強化運動の一助として協力申上度、木村徳太郎先生に特に童話の執筆を御願ひ致しました故、各御神社の社等にて子供さんに御講演下されば幸いと存じます。 

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郷土の民話
日本読売新聞昭和33年11月24日(月曜日)    木村徳太郎
 
松茸と十円札(奈良) 
 村にサク婆さんと言う、産婆さんがいた。ある夕方、サクさんを迎えにきて「私は伊那佐村との間に住んでいるものだが、妻が難産で苦しんでいる。とりあげに来てくれないか」と、腰をひくくさげて。言う
 サクさんは、村であまり見かけないようすの人だったが、もちまえの親切心から、気軽にその男について出かけた。村をはずれて、伊那佐村にぬける林道にきた。この付近に家があったのかと、サクさんは変に思ったが黙ってついて行った。
 一軒の農家があって、門口で松根油をたいて、数人のものがサクさんを出迎えて待っていた。サクさんはてきぱきと指図をして難産で苦しんでいた、年のころ、二十四,五の女の苦しみをやわらげて、玉のような可愛い男の子を無事にとりあげた。親戚のものや、家人の喜びようはたいへんなものであった。
 ひとやすみして、また家人におくられて、サクさんはつつがなく家に帰って寝た
昨夜の疲れで、今朝は、少し遅く起きたサクさんが、井戸端に出ようとすると家の入り口で松茸の匂いがする。みると、松茸の包みと、祝儀袋がおいてあった。あけてみると、十円札が一枚入っている。
「こりゃ、昨夜の家のものが、とりあげの礼に朝早くから届けたのだろう。が、寝ていたのでおいて行ったものとみえる」サクさんはひとりごとのようにつぶやくと、松茸を台所へ。祝儀袋を神棚へのせた。
 そんあことがあって、二日ほどたった。隣垣内の達産辰さんの娘が、嫁入りのためにもらった、祝いの金包みがどうしても一つたりない。どろぼう事のない、平和な村だけに、「誰がぬすんだのだろうか」としきりに噂が人の口にのぼった。
 その噂に、サクさんは、神棚ら祝儀袋をとって、辰さんの家にでかけた。みせると無学の宇兵衛さんは、祝儀袋のおもて書をしたことがない。が、宇兵衛さんが用いた祝儀袋にちがいがなかった。
サクさんは、先日のとりあげのようすを話して、事情を語った。
 聞いていた村人の一人が、「そりゃ、サク婆さん。きつねがうみよる子をとりあげたんじゃ」と、したり顔に言う。
 伊那佐山へぬける林道へ、サク婆を先頭に、二、三の村人がとりあげに行った家をさがしに出かけてみたが、やはり見つからなかった。まさしくサク婆さんは、きつねの難産をとりあげてやったのにちがいがない。
 その礼に、きつねが、辰さんの家から祝儀袋をぬすんで、サクさんの家に届けたのだろうと、村人の間でうなづき合ったという事だ。 (筆者きむら・とくたろう氏は民話の会々員)
(備考・大門みつゑ、八二歳談。なお、伊那佐村にもおなじような話が伝わっている)

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新イソップ物語
奈良日日新聞昭和25年10月28日    木村徳太郎
 原書の原意を変えずに読みやすく、子供にも大人にも楽しめるもので、本社ではきょうから、連載致します
風と太陽 
 風と太陽が、どちらが強いかと争って、そこへ通りかゝった旅人の着物を、早く脱がした方が勝ちときめて、勝負を争う事にしました。
 初め、風はわけもなく脱がすつもりで、力いっぱい吹きましたが、旅人は、風が強く吹くほどに、着物をしっかりおさえて脱がすことが出来ませんでした。そこで、風は「家でも吹き倒す力がある自分が、旅人の着物を脱がすことが出来ない以上、君にはどうすることも出来やしないだろう」
と、今度は太陽にすゝめました。
 そこで、太陽は、温かい光を旅人の上に静かに照らしはじめました。すると、旅人は、急に暖かくなってきましたから、上着を脱ぎ、下着を脱ぎ、終いには裸になってしまいました。

☆誘導は、暴力より優っているものです。
木村徳太郎著


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