|
♪ 星たちは花になりました
風が語る星と花の物語
〜星たちは地上に降りて花になりました〜
夜空の星は、野の花のよう。
星のお話が風にゆれて流れて行きます
夜空に輝く星は、夜明け前に妖精になって 地上に降りてきます。
そして、星のドラマの主人公たちが
野山に、季節の花となって咲きこぼれます。
ペガサス座 センニンソウ
センニンソウは、赤味をおびた堅い茎を持ち、無数の純白の花をつけます。 花びらが散ると、長い穂が天へ舞い上がります。
王子ペルセウスが、怪女メドゥサの首を切りとり、その血が岩にしみこみ、
中から踊り出たのが天馬ペガサスです。
メドゥサの首をもち、王子はペガサスにうちまたがり、大空高く飛び上がりました。
今でも、その雄姿を、夜空に見る事ができます。
センニンソウの白い花が、今年は良く目につきます。照り返しの強い緑葉に、暑さを労ってか、まるでこんもり雪が乗ったみたいです。
花後の雌しべの花柱が長く伸び、羽毛状になって遠くへ飛んで行きます。その羽毛状を仙人の髭に見立てて、センニンソウ(仙人草)の名前がついたようです。良く似た花に、ボタンズルがあります。少し花が大きく牡丹のような葉を持ち、やはり白い花で鶴の群れのようです。
綺麗な花なのですが、どうしてか私はこの花の匂いに、いつも頭痛がします。誰もそんな事を言いません。それがとても気になっていました。今回この花のことを調べてみると、有毒成分を含み、茎や葉の乳汁が皮膚につくとかぶれる事が有るらしいです。馬も食べないので別名「馬食わず」とも言うらしいです。花言葉は「美しいこころ」「安全」「無事」。キンポウゲ科で有毒植物、そして「安全」「無事」の花言葉を持ち「美しい心」????????? やはり頭痛がしそうです。
エッセイ 恒例の畳干し
畳干しの情景を、いつのごろから見なくなっただろう。昔はどの家も畳を天日に干したものだ。大人達がタオルをバンダナ風に結び,畳を外へ運び出す。子供たちは、畳の下の少し湿った古新聞に読みふける。所々にDDT(殺虫剤)だったか、乾燥剤だったか白い粉が付いていて、それが余計に新聞紙を輝かせた。読める字も年々増えて行く誇らしも加わり、夢中になって読んだものだ。そして畳は太陽の匂いを吸うと「パンパン」と叩かれる。乾いた音が埃と一緒に空へ吸い込まれて行く、心弾む恒例行事だった。
最近は誰も、もうそんなことはしないだろう。ところがところが、やっているのだ。家が建て込んで行くのと、高齢が比例し「パンパン」の音は小さくなっているが、我が家は畳干しをやっている。
子供たちをまじえ、新居を構えた時からやっている。(愛犬も尻尾を振り、少しは畳叩きを手伝っていた。)夫が交通事故で寝込んだり、引き取った義母の寝床が敷きっぱなしだったり、巣立った子供たちの要らなくなった本の置き場となったり、畳は日々の重荷を背負うばかりの数年もあったが、復活して続いている。
秋陽を感じ始めたころにやるのだが、今年はいつまでも暑い。やろうと思う気力のあるときにやってしまわないと、若い時のようにいつでも出来るわけでもない。酷暑の中で思い切って干した。二階の畳を階下まで運ぶ体力はもう無い。畳の下にジュース缶を入れ、風を通すだけにした。階下の畳は江戸間で標準の畳より大きく重たい。その重たい畳を運びながら私は毎年同じ事を言う。
「一人で、この畳を運んだ時も有る」と。でも誰も本当にしてくれない。現在のヨタヨタとジグザグによろけながら夫と畳を運び出す姿を見ては、本当にすることが出来ないのも当然だろう。私にも力のある若い時もあったのだ。畳干しには我が家の歴史が、イグサと共に編みこまれているようだ。
夫と口論になり、「腹がたつやろ、ホイ!」と蒲団たたきと箒を私に投げ、夫は一人でコヒーを飲みに行ってしまった。私はますます腹が立つ。動かした家具や諸々で居場所も無い。夫を畳と思い、おもいきり「パンパン」と叩く。腹立ち紛れに叩く畳から埃が出て行った。汗が流れ出る。そのうち叩く小気味良い音に腹立ちが薄れて行った。私はまんまと夫の策略にかかったわけだ。それ以後、畳を叩くのは私の役目になっている。
偶然長男が帰国していた年があった。畳を運こぶ私たちの姿を見かねたのか「どけ」と一言。そして簡単に一人で畳を運んでしまった。その若い体力に感心し、世代交代を自覚する年であった。
「今年が干せる最後かな」と言いながらも干し続けている。
十年程前に荒床をスギ板に変えた。もう新聞紙を敷くこともないし、毎年畳を干さなくとも良いようにも思う。しかし、子供のころ別々に新聞を読んでいた二人が何かの縁でつながり、今一緒に畳を干しているわけだ。続けるのも良いだろう。
畳が一枚も無い家も多いらしい。老夫婦の畳干しは奇異に映るかもしれない。しかし埃を舞い上げ、あとのホカホカに乾いた畳の上で、大の字になりながら行く末を案じるのもまた楽しい。猛暑だった陽も畳目が短くなってきた。「来年も畳干しが出来ますように」そう思う。
泣いている雷さま 木村徳太郎
七色染め粉の でっかい壷を
粗忽なされて 踏んづけられた。
壷は潰れて 高野へかけて
紀ノ川よりも 長い虹がでた、
背との葛城 連なる山々
まだ泣いている 雷さまが。
|