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のんびりしたブログですがよろしくお願いいたします。

星たちは花になりました

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 たちになりました(一月)
 
〜星たちは地上に降りて花になりました〜
 夜空の星は、野の花のよう。
夜空に輝く星は、夜明け前に妖精になって 地上に降りてきます。


オリオン座  フクジュソウ
 福寿草は黄金の光沢の花びらと髯もじゃの葉をもち、雪原に咲いています。
まるで海原を陸のように自由に歩けたオリオンが、頭だけ波の上に出して歩いているようです。

 オリオンはいつものように波間から顔を出し金色の光を浴びながら楽しんでいました。が、オリオンを愛する女神アルテミスは兄の策略にかかり、彼を亡くします。
嘆き悲しんだアルテミスは大神にお願いして、いつでも会えるようにオリオンを星座にしてもらいました。

福寿草=別名、ガンジツソウ(元日草)。花言葉は永久の幸福、思い出、幸福を招く

 明けまして
おめでとう ございます

昨年はご指導かつ、ブログ友としてのご厚情有り難う御座いました。お礼を申し上げます。今年もよろしくお願い致します。平成二十三年一月

    ≪日々新たに!≫


年頭まず自ら意気を新たにす
年頭古き悔恨を棄てる
年頭決然と帯事を一掃す
年頭新たに一善事を発願す
年頭新たに一佳書を読む 


(これはいろいろとお教え戴く(世界遺産南朝皇居 吉水神社  佐藤 素心宮司さま)に昨年いただいた年頭のお言葉です。)

孫たちをはじめ、帰郷してくれた家族も自分たちの生活の場に戻りました。静かになった新年を新雪を眺めながら、昨年のこの言葉をいくつ守れただろうかと振り返っています。
今年も健康に留意してこうありたいと思っています。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

国はほろびず木村徳太郎

* 国はほろびず*
天子さまおわしますれば政治屋のわるき世なれど国ほろびず

吟詠新風S.58.2.15

* 直正しく*
大君あふくこころ脈々老いさきも直く正しく明るく生きて

吟詠新風S.59.2.15

* 現世に逢えず*
現世(うつし)に逢えずなりしも文もちて行ききしおりしこころのともよ

人生隋順S.59.6.1

* 現世に逢えず*
つぎつぎと少なくなりゆくみちの師のみだれゆく世をいかに過さむ

人生隋順S.59.6.1

* ゆくみちは*
ゆくみちは大君をいだくみちひとつとしはかはれどひたすらあゆむ

萱津神社献詠S.59.8.15

* み国の新春*
手つくりの薯を焼き喰う陽だまりの安らけき幸のみ国の新春(はる)

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 たちになりました

 風が語る星と花の物語


〜星たちは地上に降りて花になりました〜

 夜空の星は、野の花のよう。

星のお話が風にゆれて流れて行きます

夜空に輝く星は、夜明け前に妖精になって 地上に降りてきます。

そして、星のドラマの主人公たちが 

野山に、季節の花となって咲きこぼれます。


 牝羊座 ススキ
 
 金色に輝くススキは、風に追われて「速く速く」とかけていくようです。
フリクソスとヘレの兄妹は、意地の悪い継母に殺されそうになりました。
 その時、
遠く離れている実の母親が神様にお願いして助けに送ってくれたのが、金色に輝く羊でした。
 羊は殺されようとしている兄妹を乗せ、空高く逃げました。
この羊が、ススキの風になり、星座になりました。


 (鬼の霍乱? 風邪を引き、寝床に入ると咳き込み睡眠不足。声はガラガラ(とてもハスキーです)風邪の原因は下のエッセイかもしれません。手にも足にも真っ赤なマニキュァ、そのままで咳きこむ数日、なんだか惨めでした。そこへ、突然豹変ガタンと寒くなり、氷雨の京都へドタキャンが嫌で、オカリナを吹いてきました。鼻が詰まっての吹くオカリナの苦しい事。でも約束が守れて一安心。それで熱が出てしまいました。老いを感じます。
 やっとなんとか快復。その間の励ましのお言葉や、皆さまのブログに元気をいただきました。有り難いことです。有り難う御座いました。

これからは老いも考え、のんびりと歩んで行きたいと思います。宜しくお願い致します。
とても元気の出ススキの高原がありましたので転載でお借りしました。
牡羊座のススキです。)

  地方新聞「読者欄 」十一月二日に掲載。
「そうだ風引きのもとはこれだった」と思いあたりました。

 エッセイ  ヘルパー仕事
  十五年余、在宅ヘルパーをしていて、この4月で定年になった。ヘルパーの資格をいかして、デイサービスに常勤ではないがパートで時々勤務をさせてもらっている。個人の在宅介護とは違い、集団での介護はまたそれなりに楽しい。先日は運動会で、若い職員さんに混ざり年がいもなく真っ赤なマニュキュァ、口紅を塗り、脇の開いたパンツで「山本ヘンダ」(山本リンダの狙い撃ち)を余興でやった。またAKB48の真似をして応援合戦をする。私はそれまでAKB48を知らなかった。綱引きは利用者さんと椅子に腰掛けてやる。綱をもてない人と、手を繫ぎ片手で綱を引く。手の繋がりに温もりが伝わってくる。どの人も笑って笑顔が溢れる。在宅介護、通所介護、どちらも大切だとつくづく思った。私自身、若いスタッフに体力的にも足手まといになることも多いが、履いた事もない脇開きパンツを穿かせてもらえたり、とても若返った気分だ。利用者さんと年が近いせいか共通の話で盛り上がる。また体が思うように動かない利用者さんや、認知症が出ておられる方には「行く道、通る道」と思う。高齢期を迎えても、こうしてみんなで楽しく日々を過ごせたらと思う。 



東大寺―八角銅燈籠―  木村徳太郎  
        
      今朝は 秋虹
      透けて、扉
      泣いて 見えます
      菩薩さま。

     ―衣に 爽風
     柔(やわ)い、頬つぺ
     微笑(わら)つて 笛を
     吹きなさる。

     參道 砂利道
     八角銅燈籠
     彫つてあります
     菩薩さま。

     ―母さんみたい
     優しい、お目目
     微笑つて さゝやき
     してなさる。
 

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 たちになりました

 風が語る星と花の物語


〜星たちは地上に降りて花になりました〜

 夜空の星は、野の花のよう。

星のお話が風にゆれて流れて行きます

夜空に輝く星は、夜明け前に妖精になって 地上に降りてきます。

そして、星のドラマの主人公たちが 

野山に、季節の花となって咲きこぼれます。


 魚座 ツリフネソウ
 
  水しぶきのかかる、清流の岩陰にツリフネソウが揺れています。
まるで軽やかに水の中を泳いでいる魚のようです。

 美の神アフロディテと息子のエロスが川岸を散歩していると恐ろしい怪物ティフオンに出会いました
 二人は、とてもかなわないので、大急ぎで魚に変身して逃げました。
この姿が魚座になったのです。

ツリフネソウはホウセンカと同じ仲間で、熟した果実にちょっと触れるだけで、種を勢いよくはじき飛ばします。水辺に群がって生えていることが多いです。花の色が黄色のもの、桃色や白の混ざったもの、それに青いものもあるそうです。まるで熱帯魚のようです。山道を歩いていてこの花を見かけると、「ああ、もう夏が終わって秋になるんだ」と、しみじみした気持になります。あの暑さと水が恋しくもなりますね。
花言葉は<安楽。私にさわらないで。人を慕う。期待。詩的な愛。心を休める>だそうです。魚座はどの言葉が好きでしょう。


平城京遷都 千三百年祭行って来た  
 
 奈良が大好きだ。高校生まで奈良に住んでいた。
高齢の日本史の女先生がおられた。日当たりの良い縁側で昔話を語るように、悠久の時を浪漫を語るような教え方だった。そしていつも口癖のように「あなた達は、この歴史の宝庫の中で授業を受けられた日々が、きっと後に大きな財産になりますよ」と言われていた。
 同級生たちは、明日香や吉野や桜井や奈良市内から通学してきていた。あの時はそれほどにも思わなかったが、今に思えばみんな歴史の中の空気をくぐって通学をしていたのだ。
 卑弥呼の遺跡が出た。多量の桃の種が出た。石舞台に彼岸花が咲きそろった。そんなニュースを聞く度に、私の胸は躍った。纒向(マキムク)遺跡は私の通学路だった。
しかしあのころは「歴史は覚える事」であり、歴史は過去の知らないことでしかなかった。

「平城京遷都千三百年祭」に誘ってもらった。
こうしたお祭イベントは、あまり好きではなかったが、奈良である。
 お婆ちゃん先生の声が甦る。
そして、先生のあの言葉を噛み締めながら会場を回ってきた。

 会場は遷都年に合わせたイベントだとばかり思っていた。案内の人や警備員さんはどの人も親切で、よく勉強をしておられる。いろんなことを教えて下さる。「ここは国営公園で、完成までにあと二十年はかかるだろう」と言われた。イベントだとばかり思っていた私は驚いた。ただの出来合いのイベントではなかったのだ。千三百年前の平城京をそのまま復元すること。それは美しい日本の始まりを知ることであり、そこに現在があり、未来があることを教えてくれる場所となるのだ。
 3D映像や復元された(模型ではない)建築物に、国造りにかけた古人の苦労と気概が伝わって来る。遣唐使が唐へ渡った船は随分小さいものだった。嵐に遭い大変な苦労だったとはお婆ちゃん先生に聞いていた。しかし、会場でその復元された実物に乗船した時、こみ上げてくるものがあった。
 大好きな古事記が登場する。日本が「日ノ本」と名づけられた時である。日本書紀、万葉集などの現存最古の史書・文学が登場する。天平文化が華開いていた。試行錯誤しながら国つくりに掛けられたエネルギーが伝わってきた。
 中国をお手本にしながらも、中国の都城と比しても類例のない素晴らしい国が出来たのだ。
ふと、現在の日中関係に思いが行った。

 私は始まりを知ること、歴史を知る事、自国の歴史を知ることは、感動であると思った。
お婆ちゃん先生が歴史は文学であり浪漫だと言っていた。
 私は浪漫の中を歩き、お婆ちゃん先生はこの感動が、財産となることを教えてくれていたのだと気がついた。
 悠久に流れている同じ空気を吸っている事が、どれほど素晴らしい財産かということを教えてくれていたのだろう。

 私は日本人であることに誇りを持つ。素晴らしい歴史を持つ国だ。改めてそう思った。
会場の中をJRが走っている、当時の広大な地所の上に当時を復元して公園は作られる。二十一世紀にそこにJRが走っていても仕方がないだろう。踏み切りの「カンカン」という音も、悠久の昔へ誘うようだった。

 しかし、どれにもゆるキャラと言われるセント君マークがあり、セント君一色なのは疑問だった。「可愛くないわ」と、セント君の頭をイタヅラ心で叩くと泣かれてしまった。「スイマセン」。縫いぐるみ中の人は暑いのに、精一杯仕事をしているのだ。私は強く反省をした。
 古(いにしえ)に浸り、現在を考える時間だった。

 奈良公園や春日大社にも周った。高校時代と少しも変っていない。奈良公園へは、絵が好きで休日のたびに写生に行っていた。懐かしさがこみ上げてくる。そんな私を見て、運転する知人が「彼岸花が一番似合うのは奈良盆地」と黄金に広がる田と彼岸花の群落へ足を伸ばしてくれた。

「あ〜私の原風景」・・・・

 息子が大学時代に奈良へ研修旅行に行き、帰るなり「お母さんが奈良育ちと言うのが納得できたわ。」と言った。私は、奈良で青春時代を送れたことに感謝し感動する。あのお婆ちゃん先生がいわれたことは、本当だったのだ。

「平城京遷都千三百年祭」に誘ってもらって「ありがとう」。私の財産がまた増えた。 

木沓  木村徳太郎  
 
       檽子格子に 秋の日の 透いて こぼれて 
       石畳 
       __昔 昔の 木沓です
       二十と二足 ありました。


仁王  _東大寺編_ 木村徳太郎  
 
       やさしく やさしく 
       ちる もみじ
       仁王の うでに
       ちる もみじ

    ___ぼくも もちたい
       ちる こころ
       あかい かはい
       あのような

       りりしい りりしい
       ちからこぶ
       仁王の うでの
       ちからこぶ

    ___ぼくも もちたい
       ちからこぶ
       ぐっとしまった
       あのような 

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 たちになりました

 風が語る星と花の物語


〜星たちは地上に降りて花になりました〜

 夜空の星は、野の花のよう。

星のお話が風にゆれて流れて行きます

夜空に輝く星は、夜明け前に妖精になって 地上に降りてきます。

そして、星のドラマの主人公たちが 

野山に、季節の花となって咲きこぼれます。


 ペガサス座 センニンソウ
 
 センニンソウは、赤味をおびた堅い茎を持ち、無数の純白の花をつけます。 花びらが散ると、長い穂が天へ舞い上がります。

 王子ペルセウスが、怪女メドゥサの首を切りとり、その血が岩にしみこみ、
 中から踊り出たのが天馬ペガサスです。
 メドゥサの首をもち、王子はペガサスにうちまたがり、大空高く飛び上がりました。
 今でも、その雄姿を、夜空に見る事ができます。

センニンソウの白い花が、今年は良く目につきます。照り返しの強い緑葉に、暑さを労ってか、まるでこんもり雪が乗ったみたいです。
花後の雌しべの花柱が長く伸び、羽毛状になって遠くへ飛んで行きます。その羽毛状を仙人の髭に見立てて、センニンソウ(仙人草)の名前がついたようです。良く似た花に、ボタンズルがあります。少し花が大きく牡丹のような葉を持ち、やはり白い花で鶴の群れのようです。 
 綺麗な花なのですが、どうしてか私はこの花の匂いに、いつも頭痛がします。誰もそんな事を言いません。それがとても気になっていました。今回この花のことを調べてみると、有毒成分を含み、茎や葉の乳汁が皮膚につくとかぶれる事が有るらしいです。馬も食べないので別名「馬食わず」とも言うらしいです。花言葉は「美しいこころ」「安全」「無事」。キンポウゲ科で有毒植物、そして「安全」「無事」の花言葉を持ち「美しい心」?????????  やはり頭痛がしそうです。 

エッセイ  恒例畳干し  
 
 畳干しの情景を、いつのごろから見なくなっただろう。昔はどの家も畳を天日に干したものだ。大人達がタオルをバンダナ風に結び,畳を外へ運び出す。子供たちは、畳の下の少し湿った古新聞に読みふける。所々にDDT(殺虫剤)だったか、乾燥剤だったか白い粉が付いていて、それが余計に新聞紙を輝かせた。読める字も年々増えて行く誇らしも加わり、夢中になって読んだものだ。そして畳は太陽の匂いを吸うと「パンパン」と叩かれる。乾いた音が埃と一緒に空へ吸い込まれて行く、心弾む恒例行事だった。
 最近は誰も、もうそんなことはしないだろう。ところがところが、やっているのだ。家が建て込んで行くのと、高齢が比例し「パンパン」の音は小さくなっているが、我が家は畳干しをやっている。
 子供たちをまじえ、新居を構えた時からやっている。(愛犬も尻尾を振り、少しは畳叩きを手伝っていた。)夫が交通事故で寝込んだり、引き取った義母の寝床が敷きっぱなしだったり、巣立った子供たちの要らなくなった本の置き場となったり、畳は日々の重荷を背負うばかりの数年もあったが、復活して続いている。
 秋陽を感じ始めたころにやるのだが、今年はいつまでも暑い。やろうと思う気力のあるときにやってしまわないと、若い時のようにいつでも出来るわけでもない。酷暑の中で思い切って干した。二階の畳を階下まで運ぶ体力はもう無い。畳の下にジュース缶を入れ、風を通すだけにした。階下の畳は江戸間で標準の畳より大きく重たい。その重たい畳を運びながら私は毎年同じ事を言う。
「一人で、この畳を運んだ時も有る」と。でも誰も本当にしてくれない。現在のヨタヨタとジグザグによろけながら夫と畳を運び出す姿を見ては、本当にすることが出来ないのも当然だろう。私にも力のある若い時もあったのだ。畳干しには我が家の歴史が、イグサと共に編みこまれているようだ。
 夫と口論になり、「腹がたつやろ、ホイ!」と蒲団たたきと箒を私に投げ、夫は一人でコヒーを飲みに行ってしまった。私はますます腹が立つ。動かした家具や諸々で居場所も無い。夫を畳と思い、おもいきり「パンパン」と叩く。腹立ち紛れに叩く畳から埃が出て行った。汗が流れ出る。そのうち叩く小気味良い音に腹立ちが薄れて行った。私はまんまと夫の策略にかかったわけだ。それ以後、畳を叩くのは私の役目になっている。
 偶然長男が帰国していた年があった。畳を運こぶ私たちの姿を見かねたのか「どけ」と一言。そして簡単に一人で畳を運んでしまった。その若い体力に感心し、世代交代を自覚する年であった。
「今年が干せる最後かな」と言いながらも干し続けている。
 十年程前に荒床をスギ板に変えた。もう新聞紙を敷くこともないし、毎年畳を干さなくとも良いようにも思う。しかし、子供のころ別々に新聞を読んでいた二人が何かの縁でつながり、今一緒に畳を干しているわけだ。続けるのも良いだろう。
 畳が一枚も無い家も多いらしい。老夫婦の畳干しは奇異に映るかもしれない。しかし埃を舞い上げ、あとのホカホカに乾いた畳の上で、大の字になりながら行く末を案じるのもまた楽しい。猛暑だった陽も畳目が短くなってきた。「来年も畳干しが出来ますように」そう思う。

泣いている雷さま  木村徳太郎  
 
       七色染め粉の でっかい壷を 
       粗忽なされて 踏んづけられた。

       壷は潰れて 高野へかけて 
       紀ノ川よりも 長い虹がでた、

       背との葛城 連なる山々
       まだ泣いている 雷さまが。 

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 たちになりました

 風が語る星と花の物語


〜星たちは地上に降りて花になりました〜

 夜空の星は、野の花のよう。

星のお話が風にゆれて流れて行きます

夜空に輝く星は、夜明け前に妖精になって 地上に降りてきます。

そして、星のドラマの主人公たちが 

野山に、季節の花となって咲きこぼれます。


 矢座 ミズヒキソウ
 
 細く長く伸びたミズヒキソウは、遠くまで飛んでいく矢のようです。
キンミズヒキソウは黄金の矢で、赤、白、金の矢が野山に降ってきます。
 エロスは、愛の天使でいつも矢筒と弓を持っていました。
黄金の矢を射ると、神様さえ恋に落ちました。
 矢座の矢で射られたつもりで星空をながめていると
誰でも恋に落ちると言われています。

エッセイ 蝉しぐれ  
 私の中学生一年の夏休みは、まだ受験勉強も始まっていなかった。小学生のころのように、友達が頻繁に遊びに来ることもなく山と川だけに囲まれた田舎は、何の娯楽性もなく退屈な夏休みだった。
 神社の境内(家が神社だった)を掃除するのが、私の夏休みの役目だ。境内には、一人で抱えきれない大きな山桜の木があり、油蝉が木肌と同化するほどに止まっていた。私は掃除をしながら、その山桜の幹を蹴ってみる。蝉が一斉に飛沫を掛け飛び去る。そして、誘い合わせたように戻ってくる。そして所定の位置にまた止まる。「ジジィジジ〜」と私を嘲るように蝉しぐれが起こる。私はまたも、スカートをひるがえし、思いきり桜の木を蹴る。蝉は逃げる。戻ってくる。蹴る。飽きずに一人でそんなことを繰返し遊んでいた。

 宮司の父が、K大学の教授と親しくしていた。その関係で、K大学の学生四名が、森に囲まれた涼しい神社で夏休みを過ごそうとやってきた。私はその日も、山桜を蹴っていた。(山桜の下に椅子を持ち出し蝉の鳴き声をBGMに流れる雲を見上げ、糸を引きながら私の読んでいる本を興味深く覗きに来る毛虫を地面に下ろし、それはおしとやかに読書をすることもあったのに・・・。)
 ここぞと大きな飛び蹴りをした時、突然四人の男子学生が現れたのだ。私は驚き顔を赤くしてうつむくしかなかった。蝉のように飛び去れない私をからかうように、蝉しぐれが大きく降り注いできた。
 それからだ。私は毎夏の休みを、その四人の学生たちの後を兄のように慕って追うようになった。父と四人が繰り広げる難しい議論の末席に加わり、分かったふりをして頷いたり微笑んだりする。
そしてその四人の中の一人に、こっそり「おにぎりさん」のニツクネームをつけた。
おにぎりさんは、面白いことを言っては私を笑らわせる。女でのない我が家はお茶の接待は私の役目だ。お茶を出す手が震えこぼれそうになる湯飲みに、おにぎりさんが素速くそれを受けて私の手を包む。私は火のように真っ赤になっていた。
 そして、私はいつしかその四人が気になり、父の手紙を盗み読みすることを覚えたのだ。
父に届く手紙で彼らの訪問日を知り指折り数えて待つ。山桜が満開になり幹に油蝉が騒ぐ。葉が赤から茶色に染まり裸木となる。そして雪の中で静かに眠る・・・。そんな季節の移り変わりを何度も繰り返した。
 おにぎりさんは、社会人になってからも父を訪れ親しく一献を交わしていた。私も社会人になっていた。そして父の手紙を盗み読みすることは続いていた。ある日、勤めから帰ってくると、父がなんとなく元気がない。早々と布団を敷いて寝ている。木枯の吹く冬が其処まで来ていた。窓を開けると神社の大銀杏の葉が舞い込む。一枚の黄葉が机に乗った。その先におにぎりさんからの手紙が無造作に置かれてあった。私は父が布団を被っているのを確め、それをこっそり読み始めた。
「お話は嬉しく思いますが、『私は、嫁を取るのは同郷の女性だと思っています。男は最後は、妻の故郷に戻ることだ』と、思っています」とあった。

 私は泣いた。父も泣いたのだろう。しかし、私は腹も立った。なんの相談もなく私の意見を聞くこともなく父はおにぎりさんに「娘を貰って欲しい」と手紙を出していたのだ。私は確かに、話が成立していれば異存なく顔を赤らめ、「こっくり」と頷いただろう。しかしその前に私に何も聞かないで、自分の一存でやる父がとても厭だった。
 父は全てそうだった。そして、大人になるにつれ、そういう父の態度が許せなくどんどん父との距離は遠くなっていった。

「赤い糸」はあるのだろうか。私は奇しくもおにぎりさんと同郷の男性と結婚をした。そこで夫に聞いてみた。「男の人は妻の故郷に帰る」と言うけれど、「私には故郷がない」・・・。
 夫は言った。「故郷は二人で作ったらええやないか」「きっとそれは、尊敬するお父さんから『娘を貰ってくれ』と言われ『そんな大切なお嬢さんを貰うことは出来ない』と、思ったんと違うか」。
私は言う。「それは男のエゴや」・・・。
夫は「そんなことはない。ええ思い出やないか」と、言った。
 私はすっかり悲恋劇の女王になったつもりだったのに、なんだか力が抜けてしまった。

 なんでも後で聞くと、おにぎりさんに行きつけの饂飩屋があり、そこの店主が「妻を娶るなら同郷の女性にかぎる。男は妻の故郷に戻るもんだから」と、饂飩を薦めながら言ったのが、「天の声」となったらしい。
 なんのことはない「赤い糸」より「饂飩」のほうが「強かった!」と言うわけだ。
私の悲恋話は「太い饂飩」に負けた。代わりに「細い赤い糸」の夫と結ばれた。

 歳月が流れると、饂飩も細い糸も素晴らしい巡り会いだったと思う。
おにぎりさんにもいろいろ苦難の道があったらしい。父はそれを優しく見守っていたようだ。父は夫も慈しんでくれた。父の思い出を共有できる人が、多くいることに私は幸せを感じる。勝手な父だと思っていたが、歳を重ねると沢山の素晴らしいものを残してくれたことに気が付く。間違いなく、父はあの世から饂飩も赤い糸も幸せになることを願っているだろう。

 誰(だあれ)も見えない  木村徳太郎  
 
       落陽(いりび)の色した 
       砂日記

       貝殻ちらした 
       浜日記

       誰れも見えない
       春四月

       小波がこっそり
       記(つ)けてゐた

       明日は晴れだよ
       鴎が啼く。  



 

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