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明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお付き合いをお願いいたします。
2012年1月 花ひとひら
手作りの正月飾り :リースを正月用に飾り直しました。施設で一人一人、ミニ門松を作りました。折り鶴と亀をを折って下さいました。孫と竜の風船凧を作りました。(材料はビニール袋、紙コップ。ストロー)
谷内六郎画伯のカレンダー:今年も谷内六郎画伯が大好きな私に、こうま地蔵 http://blogs.yahoo.co.jp/kouma_p/64798347.htmlさまがカレンダーを送ってくださいました。有難うございます。カマドの火がとっても良いですね。
週1〜2回しか勤務しないデイサービス施設だが、とても楽しい。スタッフも利用者さんも家族のような気がする。(そう思っている)
同じ屋根に集まって体の不自由な人や認知の人や笑顔を絶やさない健常者(スタッフ)が一緒に時を過ごす。食事つくりやおやつ作りはスタッフが交代で作る。材料の買出しにはみんなで行く。調理はスタッフシェフの指示で野菜を切ったり、ゴマを摺ったり利用者さんに手伝ってもらう。(見守りに大きなエネルギーが要り、リスクは大きいが生活機能訓練になるのだ)
12月30日から1月4日までは施設も休みになる。家族と同居の人が多いが、ショートステイ(短期入所生活介護・宿泊施設)に行く人もある。施設の休みが寂しいと手を握ってくる人もいる。
29日の調理当番は私だった。忘年会をすることにした。
「そうなるとやっぱり鍋!」
調理当番になったスタッフの中には炊事をやったことがないという若い人もいる。そんなときは鍋料理になる。今までにいろんな鍋料理が出た。寄せ鍋水炊き ちゃんこ鍋 すき焼き かにすき おでん きりたんぽ鍋 鴨鍋 石狩鍋・・・・
市販にいろんな鍋のスープも売られている。ゴマ豆乳鍋、トマトスープ鍋、ラーメンスープ鍋・・・これも美味しかった。糖尿病など食事制限されている人には出汁を薄くする。施設周辺の野菜畑の人たちが「食べ助けをして」と野菜を一輪車に積んで持ってきて下さる。「地域密着型施設」だ。
大きな大きな鍋、湯気の立ち上る鍋、暖かい心の新鮮野菜、それは楽しい食事になる。
しかし鍋ばかり続くとあきもくる。
忘年会にふさわしい鍋はないものかと思案した。
ふっと子供のころに聞いたことのある「飛鳥鍋」が浮かんだ。しかし食べたことがない。ほんとうにあの鍋は有ったのだろか。そこでネットで検索してみた。あった! 有った!
(調理当番が回ってくるようになって私はネットでレシピを検索したり、国民的ベストセラーと言われた「タニタのレシピ本」を購入したりと、調理に興味を持ち出した。いままでにもっと調理にエネルギーを注いでいたら「食育」に貢献できたのではないかと、今になって子供達になじられ反省の味も加わっている。)
【飛鳥鍋】
飛鳥とは奈良の明日香のことであろう。父は万葉鍋とも言っていた。
あれは確か私が五、六歳、父は三十代だった。終戦後満州から引き上げてきて、橿原神宮に奉職していた。今のように食べ物があふれている時代ではなかった。
ある日、「宮司さんに【飛鳥鍋】を食べさせてもろた。」と顔を輝かせ帰って来た。「目玉が飛び出るほど美味しかったぞ。もう〜〜牛負けた」と嬉々として言う。そして未熟児で生まれ、欠食児童のように軽い軽い私を抱きあげ言ったのだ。「和子にもいつか、あんな美味しいもの食べさせてやる」と・・・。
そして父は説明してくれた。「昔、昔の、大化の改新のころ、帰化人が牛乳を持って帰り「蘇」て言うて飲まれてたんや。蘇はそのころ禁じられていた肉に代わる栄養のある食品やった。それがそのうち雉肉や野菜と一緒に炊いて食べるようになったのが「飛鳥鍋」の始まりで、和子の大好きな神話や伝説に出てくる人たちも食べてたかもしれんで」と言う。
私はそのころから絵本の「古事記」などが大好きだった。また橿原の地が『紀元のはじまり』であるというのも好きだった。私の中に「飛鳥鍋」「橿原」「古事記」がすんなり繋がった。
父の宿直の日、姉と私は父の夕食の弁当を橿原神宮の社務所に届ける。電車を乗るのが嬉しかった。橿原神宮駅を降りると神宮までの道沿いに土産物屋さんがたくさん並んでいた。店番のおばちゃんたちが「おりこうさんやね」と手を振ってくれた。ところどころに「飛鳥鍋」という看板がかかっていた。
「お姉ちゃん飛鳥鍋ってどんな鍋なんやろ。食べてみたいなぁ〜」が、私の口癖だった。
しばらくして私達は奈良の山奥の神社に引っ越した。私はいつしか「飛鳥鍋」はすっかり忘れていた。そのごろの我が家の冬の一番のご馳走は水菜と鯨の炊いたもの。水菜は泥つきで、冷たい水に手がかじかみ、手がちぎれそうになりながらも息を吹きかけ、カンテキ(コンロ)の上の鍋から上げる湯気が楽しみで嬉しかった。鯨のない時は揚げと水菜だけであったが、家族みんなでつつく鍋は、それだけでご馳走で、飛鳥鍋は忘れていた。
あれから何年経つだろう。今は山海の珍味が鍋に入る。野菜も泥などついていない。お湯で洗うことも出来る。出汁もいろいろとある。庭にはユズやカボス、スダチも実っている。それをしぼって食べると余計美味しい。「飛鳥鍋」など思いだしようもなかった。
飛鳥鍋を検索してみるとレシピもちゃんとあった。飛鳥鍋など誰も知らなかったが作ってみることにした。鶏がらスープと牛乳と生姜汁が混ざり合ったスープを作り味見をすると、美味しいかった。そこで、スープを多い目に増やし具を少しだけ入れて、まずスープだけを飲んでもらった。そしてご飯に「大根と人参なます」で、箸をすすめ始めてもらい鍋に具を加え蓋をする。みんなスープの美味しさに目を丸くし、鍋が待ち遠しいと大好評だ。私は鼻高々だった。「奈良の郷土料理で、高貴な人しか食べられへん鍋なんやで」と付け加えてみんなをじらせたりする。誰もが「飛鳥鍋」を待ち焦がれ、目がいきいきしてくるのだ。蓋をとると白いスープは湯気となり歓声が起こる。その美味しかったこと。ノンアルコールの飲料も出され、忘年会は大成功だった。施設が休みの間も、元気にしていてもらえるパワーが満ち溢れた。
正月に帰郷した家族にも、おせちと飛鳥鍋で新年を祝った。飛鳥鍋を作るのは二回目になる。二回目になると分量は目分量になる。施設では予算もあり低脂肪牛乳を使ったが、家では奮発して濃厚牛乳した。同じようにまずスープだけを飲む。ところがなんだか苦いのだ。お嫁さんが「お母さん生姜が多いのと違いますか」「いいや、レシピで一人当たり生姜大匙四杯や」「「レシピ残っていたら見せ下さい。」「あるで〜〜」「お母さん、二人に対して生姜は大匙一杯になってますよ」「?????」
施設で生姜のすりおろしを利用者さんにやってもらったとき、「こんなようけ生姜するの疲れた」とみなさんおっしゃった。それが頭に残っていた。施設では緊張しながら、レシピ通りの分量を測ってやったが、家用になると緊張が解けている。「生姜はとにかくものすごく多かった」とインプットされ、丼一杯のすりおろし生姜になっていたのだ。
「笑う門には福来る」、笑い転げる初笑いになった。優しいお嫁さんが野菜をどんどん入れてくれる。スープがだんだん薄まり美味しくなってきた。「飛鳥鍋ておいしいね」みんなに、大好評の鍋になった。
なんだか今年もまたドジな私の始まりだ。でも優しい家族に包まれ、助けてもらう感謝の今年が始まった。
飛鳥鍋(生姜で体はポカポカになります)
飛鳥鍋レシピ
(材料) 4人分
鳥むね肉...2〜3枚。小芋...8個。白菜...1/8〜1/4株。白ネギ...2本。菊菜...1束。生シイタケ...4枚。ニンジン...1/2本。エノキ...1袋。焼き豆腐...1丁。結びコンニャク...1パック。 (スープ) 固形チキンスープの素...1〜2個。水...400〜600m (調味料)
西京みそ大さじ3。牛乳800〜1000ml。ショウガ汁大さじ2。 薄口しょうゆ小さじ1。塩小さじ1/2。
(作り方)
1)鶏むね肉は、ひとくち大に切る。小芋は皮をむき、塩(分量外)少々を加えゆでザルに上げ、水洗いする。白菜は軸は削ぎ切りにし、葉はザク切りにして水洗いする。白ネギは1cm幅の斜め切りにする。菊菜は茎の硬い部分を切り落とし、4cm位に切る。2).生シイタケは石づきを切り落とし、汚れを拭き取る。軸と笠に切り分け、軸は半分に裂き、笠に飾り切りをする。3)人参は5mm幅の輪切りにし、花型にする。エノキは袋ごと根元を切り落とし、袋に水(分量外)れて、袋の上からもむように洗い、食べやすい大きさにさばく。焼き豆腐は8等分に切る。結びコンニャクは熱湯(分量外)に通し、ザルに上げ冷ます。4).鍋に<スープ>材料を入れ、中火にかける。温まったら、みそを溶き入れ、他の<調味料>も加える。5).煮立つ直前に具を入れ、火が通ったものから、各自の取り鉢に取り分け、<スープ>と一緒に頂く。 * *牛乳は濃厚なものでないほうがよい。煮立つと表面に膜ができるので普通の牛乳を追加しながら食べたほうが良い。また最後はおじゃにしないで、饂飩のほうが合うような気がする。
2012年1月5日
目覚めると銀世界。薄日が照り返しそれは明るく清清しい朝だった。
1月5日の誕生花は、「ウラジロ」 花言葉は、「無限」(今日は私の誕生日) 父は橿原神宮へ出かけていくことがあれば「飛鳥鍋」を食べていたのではないだろうか。食べ物の恨みは恐ろしいとも言うが、「いつか食べさせてやる」と言いながらその機会のなかったことを決して私は恨んではいない。それより誰も知らなかった飛鳥鍋を、作れる機会を残しておいてくれた父に感謝する。そして大和が大好きな心を残してくれた父に感謝する。 どうか皆さまお風邪などを召されず、今年も元気に行きましょう。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 初詣 木村徳太郎 こんもりわた雪 雪のみち
八幡さまへ初詣 柏手うつて 心から
お祈りすれば 目にうかぶ。
__水浸く山川 進まれる
兵隊さんの ご苦労が__。
お祈り終つて 顔あげりや
鳩飛ぶ神苑(には)の 静けさよ。
〆縄飾つた 大鳥居
朱紅の初陽 いまのぼる。
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一月の献立
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