花まる玖珠の里山だより

心地よい関係をつくっていきたい***

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私が小学生の頃に大ヒットした国民的歌謡「お富さん」、
いつでもどこでも流れていて、大人も子どもも歌っていた。
「お富さん」1954(昭和29)年〜  春日八郎(かすがはちろう)歌

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小学校低学年だった私は、この歌を完全に理解していて、誰かが歌いだすと
大人に交じって大声を張り上げていたものだ。
   
  いきな黒べえ みこしの松に あだな姿の 荒い神
  死んだはずだよ お富さん 
  生きていたとは おしゃかさまでも 知らぬ仏の お富さん 
  エ−サホ− エンヤラナ〜

   粋な黒兵衛さんが、まつりのお神輿(みこし)をかついでるよ。
   そのお神輿の松飾りには、あだな(語感から すごい・荒々しいと理解)姿の
   荒神さま(かまどの神様)がまつられている。
   死んだと思われてたお富さんが生きていたから、よかったよかった。おまつりだ)
   エ−サホ− エンヤラナ〜(神輿をはやすかけ声)

というふうにクッキリしたイメージが浮かび、この歌を完全に理解していると
・・・思っていた。



ところが高校生になって、「日本史」で以下を教わりびっくり仰天してしまった。

与話情浮名横櫛【よわなさけうきなのよこぐし】

歌舞伎狂言。世話物。9幕。3世瀬川如皐作。1853年(嘉永6)3月江戸中村座初演
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歌謡曲「お富さん」はこの有名な歌舞伎をベースにした珍しい歌なのだ。
この芝居で最大の見せ場が「源氏店」の場で「お富さん」の歌になった場面。
正確な歌詞は
  粋(いき)な黒塀(くろべい) 見越(みこ)しの松に
  婀娜(あだ)な姿の 洗い髪(がみ)
  死んだはずだよ お富さん 生きていたとは お釈迦様でも
知らぬ仏の お富さん エ−サォ− 玄冶店(げんやだな)


他人の妾であったお富さんと
許されざる恋に落ちた与三郎は相手の男にばれてメッタ切りにあい、お富さんは
海に落ちた。
九死に一生を得た与三郎は三年後、松の木が見える黒塗りの塀の家で死んだはずの
お富さんと出会うというシーン。

見越しの松とは、塀ぎわにあって外から見えるようにした松の木。
その松ごしに与三郎は見た!洗ったばかりの髪を乾かしている妖艶な姿のお富さんを。
玄治店とは地名だが、ココでは妾宅というニュアンスで使われているようだ。


名歌謡「お富さん」の歌詞は以下のように続く

 過ぎた昔を恨むじゃないが 風もしみるよ傷の痕(あと)
 久しぶりだな お富さん  今じゃ異名(よびな)も切られの与三(よさ)よ
 これで一分じゃ お富さん エーサオー すまされめえ
 
 かけちゃいけない他人の花に 情けかけたが 身の運命(さだめ)
 愚痴はよそうぜ お富さん  せめて今夜は さしつさされつ
 飲んで明かそよ お富さん  エーサオー  茶わん酒

 逢えばなつかし 語るも夢さ 誰が弾くやら明けがらす
 ついて来る気か お富さん  いのち短く 渡る浮き世は
 雨もつらいぜ お富さん   エーサオー  地獄雨

               (作詞:山崎正  作曲:渡久地政信)



昔の歌詞は、唱歌でも歌謡曲でもなかなかに 味が濃い。

先日、仕事から帰るときのバスの運転手さん、
アナウンスの抑揚のつけ方が印象に残った。

「車内で携帯電話のご使用他のお客様のご迷惑に
なりますのでおひかえくだ〜さい
「バスが完全にストップしてからお降りくだ〜さい

のでからなどをやけに大きく言い、
さいの前で歌うように伸ばして「さい」そのものは小さく言うのだ。


逆に子どもを叱る母親だと
「早く宿題やってしまいなさい!」と 
さいが どでかくなり、おまけに感嘆符が付くところ。

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運転手さんの抑揚は、(多分無意識だと思うけど)メリハリが効いてて
強調したい思いが伝わってくるし、語尾のさいを歌うように小さく言うことで
命令的でないやわらかなお願いがこもっているように感じられた。

いまではもう当り前になって、多くの人が無意識にやってることだが、
ちょっと前までは、女子中高生の
「わたしがぁ、学校にぃ行くときぃ〜」と語尾を揚げる話し方が
お行儀が悪い、言葉が乱れていると 言われていたことがあった。

私は
急速に多様化し重層化する圧倒的な現実に、いままでの言葉体系が
ついていけなくなっている、しゃべってもしゃべっても表現できない
思いが、語尾や助詞に噴出するんだなぁ・・・と思っていた。

お行儀が悪かろうと良かろうと言葉は生きている、そうしてだんだんに
異端が当り前になり、より現実を表現できるものへと変遷していくんだ
とも、思っていた。




昔、吉本隆明(評論家 詩人)の『言語にとって美とはなにか』
を読んで、ものすごいカルチャーショックを受けた”覚え”がある。
覚えがある程度で、内容は悲しいことに 殆どが忘却の彼方へと旅立ってしまった。

   本を取り出して再読しようにも、6〜7年前に宿敵に
   貸したままになっているから、かなわない。
   「もういいや」という気になっているのは、宿敵との
   因縁が切れたせいもあるし、私が少し俯瞰できるよう
   になったせいもあるだろう。

その中で唯一鮮明に残っているのは、吉本隆明が、言語には
「指示表出」(何を意味するか)という度合と
「自己表出」(なにを表現するか)という度合がある
と言ったことだ。
前者は言葉が伝達の道具としてある方向を示し、後者は自己表現の発露としてある
方向を示している(よね?)

そして、驚いたのは
すべての言語(品詞)を「指示表出」と「自己表出」の間に配置してしまったことだ。
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ネットで検索したらあるブログにその図が出ていたので拝借。


「名詞」が最も指示表出度が高く、動詞、形容詞〜助動詞、助詞,感嘆詞と
自己表出度が高くなる。

私は、若い頃はこの図がよく理解できなかったのだけど、
10年20年と経つうちにだんだん「なるほどな」と思うようになった。


今日さっそく買ってきて読んでみた。
玖珠町出身の口演(こうえん)童話作家 久留島武彦(1874~1960)の絵本。

玖珠町が企画して出版した 
 くるしま童話名作選① 「ともがき」(1,300+税)
 くるしま童話名作選② 「子ぐものいのり」(1,300+税)

じわ〜っと感動するお話だ。くり返し読むとまた味が出てくる。
地元住民だから推薦するわけではなくて、多くの人にぜひ味わってほしい質を持っている。

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「ともがき」は、力を合わせて危機を乗り越える「ブレーメンの音楽隊」みたいな話。
   森のきらわれものカラスは、親切なネズミと友だちになりたくてたまらない。
   困ったネズミはカメに相談に。
   ほら、このカラスがどうしても友だちになりたいっていうんだよ」
   「へえ、それはおもしろい。私は池の底に住んでいるから深い話は知ってるよ。
    ネズミさんは野原を駆けまわるから、広い話を知っている。
    これでカラスが仲間になれば、ずーっと高い空からの話を聞けるじゃないか」

   と言った具合に、助詞=「てにをは」が生きている文体だ。

「子ぐものいのり」
   クリスマスツリーに,誤って糸を張り巡らしてしまったクモの親子。
   「はやくなんとかしなくちゃ」外そうとするけど、もう間に合わない。
   「ねえ、母さん。神様はぼくのような虫けらの祈りでも聞いてくれるかな」
    すると母ぐもは しばらく考えて   
   「聞いてくださるのではないかしら」

   祈りの力を描いた、クリスマスにぴったりのお話だ。

「日本のアンデルセン」と呼ばれた久留島武彦は、口演童話作家として60年間に
わたり、全国の6,000以上の幼稚園・小学校を訪れた。
ユーモアあふれる巧みな話術に、たくさんの子どもたちが魅了されたという。


●2冊の本は全国の書店で販売しています。
●アマゾンでも取り扱っています。
●玖珠町の方は 町内の本屋さん、道の駅くすにて販売しています。


私は孫たち(小学生&幼稚園生)へのクリスマスプレゼントにしようと思う。


12/13付けの「西日本新聞」に以下のような記事が載りました。
  
玖珠町出身の童話作家久留島武彦くるしまたけひこ)の童話絵本シリーズ
「くるしま童話名作選」の2巻目が発刊された。

  「子ぐものいのり」  幻冬舍ルネッサンス刊 1,365円
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クリスマスツリーをクモの巣で汚してしまい、反省するクモの親子に
     救いの手がさしのべられる話。
     敬虔なキリスト教メソジスト派の信者だった久留島らしい、心温まる
     物語で、クリスマスツリーに金銀の装飾を施すようになったいきさつを
     やさしい絵と語りで表現している。 


玖珠町が企画した絵本で、町は東日本大震災の被災地へ450冊を送る予定。
町は被災地に今春発行の1巻目「ともがき」も送っている。
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朝倉浩平町長は
「物質的、金銭的ケアだけでなく、子どもたちの精神的ケアも必要。
 絵本は心の栄養。今後も継続していければ」と話している。

3巻目の「ゆめうりふくろう」の発刊準備も進んでいて、
来春には全国の書店に並びそうだ。

〜〜〜〜〜〜以上、「西日本新聞」からの引用でした。〜〜〜〜〜〜〜〜



知る人ぞ知る、わが町玖珠の童話作家久留島武彦(1874~1960)
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彼の童話は、声に出して語ってみると面白さが倍増する、講談的というか、
話言葉が生き生きと踊り出す、聴覚的な文体です。
私はたくさん読んだわけではないけど、お話の内容も勧善懲悪やメルヘン
というより、どこか合理的またはシュールな感じがします。

そして、古内ヨシの絵がいい。古内氏ってこんな人。
入手するのが、ちょっと楽しみです。
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