旅は道づれ風吹くままに

ロングハイキングと地図と写真が好きなシニアです。

伊能図を歩く−甲州道中−

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秋の夕日はつるべ落とし。東京の日没が5時台をきった。第2回甲州道中の旅は初め、第一日目に台ヶ原まで(約23km)行き翌日韮崎まで歩く予定であったが、日没がこのところ一週間に10分づつ早くなり、明るい内に台ヶ原に到達するのが困難と分かった。
そこで、計画を練り直し蔦木宿までとし、ここには温泉施設があることが分かったので入浴してから最寄駅のJR小淵沢に向かうことにした。なお、蔦木宿から小淵沢までは5kmくらい離れているのでタクシーを利用し特急に間に合うように考えた。

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JR青柳駅に9:57降り立つ。(10/22)
駅から国道20号を経由して、前回終了した金沢宿に戻り、ここからスタートする。
駅前から国道に出る途中、古びた商店の軒下に ニッカウ井スキーの看板 を発見。時代を感じる。


道に迷って得をする 
金沢宿本陣跡から国道を500mくらい行くと旧道へ入る道がある。何の疑いも無く火の見やぐらのあるところから右折する。
やがて展望が開け八ヶ岳が見えてくる。気持ちよい。稲刈りを終えた田圃で農婦が稲藁(わら)をまいている。

農婦に 「旧道は眺めがいいですね」 と話しかける。ところが 旧甲州街道はもっと下のほうだという。あわててGPSで現在地を確認すると、旧道から離れて、旭ヶ丘団地のほうへ登って来ていることが分かった。

しかし、八ヶ岳のパノラマが素晴らしい。 こういうのを損して得するというのだ。
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八ヶ岳パノラマ

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旧道ウオーカー と ゆるぎ石(ビニールの覆いの辺りの岩)
迷い道の国道分岐にもどり、数十メートルいった先で正しい旧道に入る。近くの住人に念のため旧道を確認する。道祖神などが出てきて旧道の雰囲気が出てくる。

やがて右側にエプソンの寮が出てきた辺りで、前方から中高年の女性二人連れハイカーとすれ違う。
旧道ウオーカーで甲州道中を歩いているという。今日は信濃境駅から茅野まで歩くという。お互いに周辺情報とエールを交換して別れる。

ゆすり石
中高年ハイカーと別れたあと、自転車を押している初老の男性に会釈すると、「揺すり石」を案内すると話しかけてくる。
左側に稲刈りの終った田園と遠くに八ヶ岳の見えるところで、斜面に不安定な大きな岩を指差して八ヶ岳噴火のときに飛んできて、さらに遠い尾根の送電線の鉄塔あたりにも大きな岩があって毎年逢引(あいびき)すると、七夕のような話をしだした。
そして最後にこんな大きな岩が飛んでくるはずは無いと自分から笑う。

大昔八ヶ岳は富士山よりも高いと如来さまが判定した。これを不満に思った富士山が、八ヶ岳を太い棒で叩き、今の姿になったという民話を思い出して、そのとき飛んできた岩かもしれないと可笑しくなった。

御射山神戸(みさやまごうど)の一里塚
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いままでこのような見事な一里塚を見たことがなかった。

両側の塚にケヤキと榎木が植えられ、特にケヤキは幹廻り6.9メートル、樹高25メートル、樹齢380年と見事というほかない。樹勢は今なお盛んで大きく枝を広げている。真夏には素晴らしい木蔭を作ることであろう。
巨木を眺めながら、ここで昼食(栗ご飯のおにぎりと秋刀魚の煮物。カミサンに感謝)
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御射山神戸(みさやまごうど)の北外れの一里塚を別れ一度国道に合流して集落の南の端から旧道は国道と離れる。
この分岐は富士見パノラマスキー場への分岐と近年出来た道と旧道が同じポイントにあり、地図を注意して旧道をハンティングする必要がある。(実は今日2度目の迷い道であった)

やがて、カゴメの工場の右側の尾根に富士見パノラマスキー場が見えてくる。路傍には念仏供養の石柱に道しらべが彫られ、佇まいが良い。

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甲州道中最高点(富士見)
ここは原の茶屋。この付近が甲州道中の最高点だ。
近くには明治天皇の御膳水などもあり、往時の雰囲気がただよう。沿道には富士見公園があり文人墨客(赤彦、左千夫などアララギ派)が南アルプスと八ヶ岳を遠望する高原のこの地を自然の公園として愛したのも分かる。

この先で今日3度目の迷い道に入る。手持ちの地図には無い道がある。この迷い道は東京方面から来る場合は間違いはないと思われる。
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イメージ 15とちの木集落
この字は難解である。「とちのき」と読む。パソコンの漢字変換でも出てこない。伊能図には「○(草かんむりに子)之木」と出てくる。
集落の北に旧道に直交して赤松の美林がでてくる。これは防風林で寛政年間(1789−1800)に高島藩に願い出て仕立てたというから、伊能忠敬がここを測量して通過した頃には既にあったわけだ。
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富士見の町名を納得するような富士山が山の端に出てきた。
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秋桜(コスモス)が咲く「とちの木」の集落を通過する。
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しらかば学園の入口を左にみて坂を下っていくと瀬沢の集落に出た。
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魅力的な街道風景である。

特に坂道に沿って 追分道しるべ(左すわ 右山浦)、古びた家屋、諏訪神社、道祖神など、私が好ましいと思うモチーフがすべてある。
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瀬沢の集落を出て国道に合流してすぐ立場川にかかる瀬沢大橋をわたり100メートル先で国道と別れ「机」の集落に登っていく。
「机」とは変った名称だ。旧甲州道中は机集落を過ぎると下りまた国道に合流する。

釜無川に沿った道はやがて蔦木宿に入っていく。今回の終点である。
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蔦木宿
宿中央の本陣跡(大阪屋)に到着する。(16:20)今は表門が残っているのみ。

伊能測量日記には金沢宿から蔦木宿までの様子をつぎのように記している。

四月二十日 朝曇、段々晴。六ツ後諏訪郡高島領金沢宿出立。同所より初、御射山神戸村、木ノ間村、とち之木村、大平新田村、若宮新田村入会、瀬沢村、机村、平岡村、神代村、蔦木宿本陣前迄測る。三里五町十間、駅道三里四町。本陣有賀源右衛門、脇宿油屋佐吉、四ツ半頃に着。此夜晴天測る。深夜雨あり。

とあり、ここに出てくる村名は現代の地図にもそのまま残っていてうれしい。

また、日記には本陣と脇宿とあるから一行は本陣と脇本陣に分宿したのだろう。

第一次の測量当時は幕府から測量の許可は得られたが、経費はすべて伊能忠敬が持ったため測量チームは忠敬の身内を中心として6名と少なかった。しかし、その成果が認められ第7次測量のこの頃は全額幕府持ちとなって測量チームも17人と大所帯となっている。

しかし実際には蔦木宿に止宿したのは伊能忠敬のいる本隊で、伊奈部から天竜川を遡り上諏訪をへた後続の坂部隊は金沢宿から台ヶ原宿に直行している。

イメージ 27道の駅(信州蔦木)の温泉
事前の調べで蔦木の道の駅に温泉施設があることが分かっていた。
入浴前にタクシー会社に電話して、特急に間に合うようにタクシーを予約しゆっくり湯に浸る。

今回の歩行距離は地図上の距離で14キロ、実歩行距離は迷い道も含めてGPSログで25キロであった。

青柳から蔦木までの旧道はお勧めのハイキングコースだ。

一番の見どころは、やはり御射山神戸の一里塚である。ただただ畏敬の念を抱かせた巨木であった。眺めているだけで浮世の世事を忘れさせてくれる。

今回もよい旅であった。

旅のメモ

ハイキングシューズのチェンジ
とうとう長い間お世話になったハイキングシューズが破れて交換した。特にかかとのほころびがマメを作る要因となっていた。旧中山道(日本橋−京都)から房総半島一周までよくがんばってくれた。

更新したシューズは上面メッシュにゴアテックスを使用し、靴底はビブラムである。重量は前よりも100グラム増えて430グラム(片足)となった。
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ついに出ましたね、パノラマスキー場(マイホームベース)と御射山神戸(みさやまごうど)、私はこの付近を冬はうろうろしてます。
青柳からの道も楽しそう。楽しみ。

2009/10/24(土) 午後 9:33 kan*y*ma58*8

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金さんがパノラマスキー場の写真をブログで紹介しているのを思い出しながら歩いていました。見上げると結構傾斜がありますね。この位置ですと八ヶ岳の展望台ですね。もう二ヶ月もすると金さんの出番です。

2009/10/24(土) 午後 11:04 [ senior style ]

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奥様の手の込んだ秋らしいお弁当にポチン♪すごく美味しそう(^^)
ご夫婦の仲の良さが伝わってきます。
こちらはメロン君にパワーを費やしていて、主人には手抜き料理です・・・反省。

2009/10/26(月) 午後 11:37 [ sobakasu_meron ]

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ええ、栗ご飯大好きです。秋になると里の方から沢山栗をもらい、皮を剥いて冷凍しておいて少しずつ使っています。サンマも安いときに多めに佃煮にしています。これも大好物です。
メロン君も元気に離乳食に進みましたね。毎回見ていますよ。

2009/10/27(火) 午前 7:39 [ senior style ]


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