旅は道づれ風吹くままに

ロングハイキングと地図と写真が好きなシニアです。

伊能図を歩く−甲州道中−

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今回の伊能図を歩く旅は先週に続いてJR笹子駅から鳥沢駅までを歩きました。(4/13)

今朝のJR中央線は人身事故や強風による徐行運転などでダイヤが大分みだれていました。
特急あずさ号も遅れはしましたが大月駅の乗り継ぎ時間で、それも吸収され予定通り笹子駅に到着です。
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前回の到達点笹子駅前から歩き出します。今朝は昨日とはうって変わって暖かく気持ちよい街道歩きです。
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滝子山登山口分岐 
歩き始めて1.2キロ行った左手に滝子山の入口を示す看板が出てきます。旧道は国道とわかれ左折してJR線のガードをくぐって吉久保・原集落に入っていきます。

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旧道の良い雰囲気にひたりながら歩いていくと左に稲荷神社がでてきます。
境内に入ると合体道祖神と説明がある石造物がありました。五穀豊穣を願った道祖神で勝沼宿についで二度目です。

イメージ 5子(ね)神社
このあたり旧道は国道については離れて緩いカーブを描いて続きます。JRのガードをくぐって国道に合流すると左手に、本殿を立派な屋根で覆った子(ね)神社があらわれます。

本殿の割には不釣合いな大屋根に、近くの住民に訊ねますと「あれは中央高速の建設時に本殿を曳家(ひきや)してこの地に移動したときに覆った」とのこと。「あのときは、おお事だったよ」と指さしながら曳家の様子を話してくれました。

雨降って地かたまる。神様も転んでもただでは起きないようです。
鉄道敷設で寺社の参道が分断された様子を房総海岸歩きで多くみてきましたが、高速道路の建設でも同じようなことが起っていたのですね。

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船石橋から滝子山
この山は空気が澄んでいると千葉からも東京湾越しに見えることがあります。そのことを地元の人に話しても、にわかには信じてもらえません。

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歩道橋から初狩の家並み

初狩駅手前で、寄り道してリニア実験線を見に行きました。(南に700メートル)
今回の旅の事前調べで、この近くにリニア実験線があることが分かりました。ぜひ訪れて見たいと思っていたのです。このときの写真は[http://blogs.yahoo.co.jp/hanamipark/32825317.html]にアップしています。覗いてみてください。

旧甲州街道は初狩宿東で国道と分かれ、緩く登りながらやがて踏み切りを越えるようになります。
踏み切り手前に今回の旅でぜひ確認したいと思っていた聖護院道興歌碑が出てきました。この歌碑は伊能測量日記に出てくるのです。
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文化8年(1808)5月2日の日記には
往古は初雁ともいえしが、聖護院大僧正道興の歌に文明九年きさらぎの初かた、初雁の里という所を通り抜ける折から帰る雁を聞て、「今はとて霞を分て帰るざに、おぼつかなしや初雁の里」と刻める碑あり。
と記されています。
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帰雁を詠んだこの歌に、忠敬は二年の長きにわたって九州地方の測量を終え江戸に帰るわが身を重ねて感慨にふけったことでしょう。


JR中央線の踏み切りを越えると、右手山肌を大規模に崩した大きな砕石場(甲州砕石)がでてきます。旧道はこの中を通じているらしいのですがダンプカーが土煙をあげて往来しているので右手の広い道を迂回することにしました。

すると登りきった先で後からクラクションの音がします。軽トラックが追いついきてて「ここは会社の敷地内なので車で出口まで案内します、乗ってください」と慇懃無礼に摘み出されてしまいました。笹子川に架かる橋のたもとまで送ってもらい国道に戻ります。

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初月橋で真木(まぎ)川を渡ります。
もう30年以上前、この真木川を遡ったところの大峠から雁ケ腹摺山(1874m)に友人と登ったことがあります。

その頂上から眺めた富士山が秀麗で五百円札の裏面の図柄に採用されました。そのことを知ってその撮影ポイントに立ちたいと思ったわけです。撮影者は大月市の名取久作氏。昭和17年11月3日。午前7時15分です。

同時刻に五百円札をかざして富士山を見比べた思い出が今も鮮明に残っています。
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五百円札の裏面と当時の写真

下花咲宿(本陣跡)
中央高速大月インターチェンジの下をくぐって下花咲宿に入ります。左手に重要文化財の星野家住宅が出てきます。江戸後期のこの地方の大規模民家です。これぞ大黒柱という欅の太い柱は見ごたえがありました。時期は過ぎていますが当家に伝わる雛人形がたくさん展示されていました。
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笹子峠に源を発し、今まで街道によりそってきた笹子川も大月宿手前で桂川に合流します。
往還は今は鉄橋で対岸に容易に渡ることができますが、往時は崖を下り登り返して富士山道追分に通じていました。
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笹子川の桂川合流点

明治日本旅行案内(アーネスト・サトウ)では、ここの様子を
大月で道は右に折れ急な崖を下降し桂川を越え、引続きいくつかの村を抜けながら花咲渓谷を登る。・・・
とあります。現在は桂川に下降する道はないので、橋を越えた先で直角に折れ富士急行線の陸橋を越えて行きます。

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富士山道追分(道しるべ)

左ふしみち(富士道) 右甲州道中 と刻まれています。


富士山道追分から東に大月駅前を通過してJR中央線の跨線橋(高月橋)南を右折して国道20号に合流します。振り返ると岩殿山が眼前にどっしりと広がり、中腹には桜が見えました。
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岩殿山
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桜吹雪の駒橋の旧道を下っていきます。左手に神社があらわれ花びらが境内一面を埋めつくしています。しばし足を留めて見とれてしまいました。
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イメージ 21イメージ 22駒橋発電所
旧道は一旦国道に合流したのち、すぐ離れて狭い踏切を越え下っていきます。導水管を右にみて左に東京電力駒橋発電所がでてきます。
東京電力の前身東京電燈株式会社が桂川の水力を利用し5万5千ボルトの高圧で東京に送電を開始したといいます。1908年に完成しました。敷地内には駒橋発電所で使用されているのと同型式のフランシス水車が屋外展示され旧道から見下ろせます。

駒橋の旧道を過ぎ国道に合流し、しばらく行くと左手に百蔵山と扇山が気持ちよく見えるようになります。
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百蔵山(左) と 扇山(右)

名勝猿橋に到着です。(15:48)
旧道に架かる猿橋には橋の手前で国道から分かれて進みます。現在は上流に隣接して鉄橋があり旧道の猿橋は人の通行だけですが、往時は橋の上を甲州道中が通じていたわけです。
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この橋についてアーネスト・サトウは大分興味を持った様子で、明治日本旅行案内に詳しく紹介しています。

当所では垂直にそそりたつ絶壁が、狭く深くそして濃いエメラルドグリーンの流れを威圧的に見下ろしている。橋の造りは技術面で興味深い。岩を覆う両岸の土中に深く埋め込んだ何本かの横梁がそれぞれ対岸に向って突き出されその中央部に橋が置かれているかたちだ。横梁は層をなしており上になる梁ほど前に突き出て、各梁の間に直角に交わるように置かれている。・・・

伊能日記にも記されていますが
 猿橋あり。長十七間、奇功。と簡単です。

橋のたもとの大黒屋でざるそばを注文して休憩です。。
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猿橋を出た先でふたたび国道に合流し今日の終着鳥沢駅に向かいます。

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鳥沢宿の街道風景

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長かった一日も終わりJR鳥沢駅に17:12に到着。
中央線は新たなトラブルが発生して混乱は夜まで続いていました。

今回の歩行距離は寄り道も含めGPSログで27kmでした。

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いよいよ鳥沢まで来ましたね、ゴール近し。
雁ケ腹摺山からの富士山記事はクリーンヒットです、私には知ってはいたものの写真と、実物での記事に嬉しい限りです.大ポッチン。

2010/4/19(月) 午後 6:34 kan*y*ma58*8

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金さん、大ポッチンとはごうせいな。
あの頃にブログが出現していたら、五百円をかざした富士の写真をアップしていたでしょうね。

2010/4/19(月) 午後 7:10 [ senior style ]


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