|
木更津の房総往還がその南の端で大きく右に折れ曲がる角に八剣八幡神社がある。 ここは大神輿(1.5トン 関東三大神輿の一つ)と狩野派の絵師が描いた天井絵で有名である。 社会保険事務所に用事があって姉ヶ崎からきたという老婦人と立ち話をした。 木更津のさびれかたに驚いた様子であった。たしかにシャッターを下ろしている店舗が多い。ここまで東京湾沿岸の街道を歩いてきたが、往時の栄華を極めた宿場や湊町もシャッター通りと化している。鉄道、道路など交通手段の変容、海岸の埋立て、大型店舗の出現、コンビニエンスストアなど社会を大きく変えている。 伊能図では丁度この付近から富士を狙った方位線が伸びている。 奇しくもこの付近の町名は富士見町。東京湾千葉沿岸に4ヶ所ある富士見の地名の一つである。(浦安市、千葉市中央区、木更津市、館山市) 3Dソフトで木更津から見た富士山を描いてみた。東京湾をへだてて西に秀麗な富士が望める。検見川浜からみた大山は富士の左裾にあったが、木更津では右裾に大きく移動している。それだけ南下したわけだ。 房総往還から外れて木更津港に出てみる。 木更津自慢の日本一の歩道橋(中の島大橋)を渡りたく行ってみた。 風が強い。地上25メートル。少しは風に揺れるかと思っていたがしっかりしている。 公園の中には木更津甚句記念碑があった。子供の頃はラジオから盛んに民謡が流れていたものだが今はすっかり聞けなくなった。 往還にもどる。貝渕(かいふち)を過ぎると桜井である。 往還はバス停桜井の先で三叉路になり内陸をとおって佐貫に至る道と海側をたどって佐貫で合流する道に分かれる。 直進する。崖が左に迫ってくる。(小浜付近) 畑沢に入って左側の山の上に浅間神社がある。往還から左の道に入る。 最初から急な階段。参道の石塔にも急な階段が表現されて面白い。 鬱蒼とした木立の中の急な階段を何本も登り、海抜40mの社殿に着く。 展望を期待してきたが望めない。裏手には住宅が迫って車なら簡単に登れる。 浅間神社のある畑沢を過ぎると君津市にはいる。 旧道をたどるべく野球場入口(坂田 さかだ)のところを左に登っていく。(これが正しいか不明) 左に学校を見ながら大和田に入る。旧道の雰囲気のある道を東に進む。途中クリーニング店で人見神社の登り口を尋ねる。 伊能忠敬の測量日記には 「六月二十四日 朝より晴れ….人見村、此村に妙見あり、登山所々測る。」 とある。妙見とは妙見堂のこと。妙見菩薩が祀られていた。 ここは小糸川河口近くにあり標高67.5mの小山。 急な階段が複数続き300段ちかくを登り頂上に着く。かなり足にこたえる。 ここには神馬(おめし)奉納の350年続く祭礼がある。 実際に信じられない急勾配の階段である。 ここを神馬が上がるという。ことしは7月22日が祭礼。 頂上に人見神社の社殿がある。 西に開けて眺望がよい。 頂上には二等三角点がある。(帰宅してから、この三角錐を拡大してみると菱形基線測点とプレートに刻まれていた。三角点は別にあるらしい。ことによるとマンホールの蓋のようなものがあったが、あの中にあったのかもしれない。*菱形基線測点とは地形のひずみなどを測量するための測点で房総ではこの他に鋸山、小糸、大坪山があり相互の距離の経年変化を調べ地震予知などに供されるとある) 富津岬が東京湾に突き出ているのが見える。 伊能忠敬はここまで測量してきた江戸湾の沿岸とこれから行く富津岬さらに江戸湾を隔てて既に測量を終わった三浦半島を俯瞰したに違いない。 どのような思いで周囲を見わたしたのであろうか。 ところで妙見とは北極星の仏教用語。北極星を観測しながら蝦夷まで歩き、正確な子午線一度の距離を測った。ここに妙見があり、国土地理院の二等三角点があるのも何か伊能忠敬との因縁を感じる。(少し思い入れすぎか) 人見神社上空から西の方角を Google Earth で描いたバードビューをご紹介する。 旧往還に戻り、房総線を地下道でくぐり小糸川を渡って川沿いに海岸通りに行く。 角に神明神社があり、その中に道しるべがあるというので探してみた。駐車場の隅にあった。 正面に地蔵の陽刻と三界万霊皆応供養 大堀邑 念仏講中とある。右面に「ふうつ 一り」、「きさらづ 二り」、「寛政十一年三月」(1799)と彫られている。左面には「中道 さぬき 二り」、「かのうさん」とある。 神明神社から600m行くと今日の終点JR青堀駅入口である。青堀という地名はこの付近にはない。不思議に思って地元の人に聞くと大堀とこの先の青木の地名をとって青堀駅としたとのこと。(納得) 駅の袴線橋から夕陽の中に人見神社が見える。 今日はかなり膝にきた。中の島歩道橋、浅間神社、人見神社の登りがきいた。 GPSログでは29.5キロであった。(次回は少しセーブしないとまずい) スタート(4/21)から現在までの軌跡を示す。 最初は散歩の延長で歩き始めてみたのだが...。 千葉県に住んでいて千葉を知らないことがあらためてわかる。 知らない街を歩き地元の人と会話するのは楽しい。 このまま房総半島南端の野島崎を目指してみようと思う。
|

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用





