旅は道づれ風吹くままに

ロングハイキングと地図と写真が好きなシニアです。

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・・・伊能測量隊は享和元年(1801)六月二十五日 低くたれこめた曇り空のなかを富津村を出立する。程なく雨。前夜は晴天で天測が出来ただけに少し意外な感じ受けながら江戸湾に突き出た富津岬に向けてもくもくと測量の足を伸ばす。前夜富津村の村役人から聞いていた地点まで測量し、その先に砂州が点々として沖に延びるのを確認してから踵をかえして川名村に向う。すでに測量が終った対岸の州崎村(三浦半島)の方角は煙って見えない。・・・

 以上は伊能測量日記と現地を歩いた体験からのわたしの創作である。

「測量日記を歩く」 伊能図と測量日記を読み、そして現地を歩く。想像力をかきたてられる旅だ。

伊能測量隊はこの後、篠部、大和田、岩瀬、小久保、大坪、八幡、笹毛の各村を経て湊村に到着し、五郎右衛門宅に止宿している。

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今回(9/24)は、前回終着としたJR大貫駅からJR竹岡まで歩いた。(地図上17キロ)

伊能図の測線はほぼ海岸線をなぞっているので私も海岸線を辿ることにする。今回のコースの難所は磯根崎である。前回地元の人に尋ねたときには通過できると言われた。念のために上総湊にいる友人に再度磯根崎の様子を聞いてみた。
どうも先端が崖になっていて磯づたいに行けるかどうか頭をかしげている。たしかにグーグルアースの衛星写真を拡大してみてもその周辺だけ砂浜が無いようにみえる。

そこで潮まわりを調べて引き潮のときに磯根崎を通過するように考えた。もっとも現地に行って無理であれば引き返して崖上を通過することも考えた。伊能測量日記にはこの辺の測量事情については記されていない。

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JR内房線と東京湾観音の後姿

8:17分JR大貫駅に着き、すぐ歩き出す。途中踏切から東京湾観音の姿が遠望できた。

大陸の移動性高気圧が進んできて今日は見通しが良い。

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磯根崎

前夜までは念のため磯根崎の崖上を迂回して山道をたどるルートについてインターネットで情報を集めていた。
しかし、実際に来てみると崖下の隠顕岩が現われている。だめであったら引返すつもりで様子を見にいった。

岬の先端の岩の上に打ちつける荒波をものともせずに海鵜(ウミウ)が羽を休めている。



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潮汐表

事前に海上保安庁のサイトにアクセスし久里浜の潮汐表をプリントアウトしておいた。
9時の潮高は44cmでこれからあげて来る。

急がなくてはならない!!

何とか無事先端を通過できた。(9:00)

たしかに満潮時は通過できないと思われる。切り立った崖が覆いかぶさるようにそそりたつ。
これから先は2.5キロにわたって砂浜が続く。


スズキ

遠くから砂浜を独りの釣り人が近づいてくる。釣果を尋ねると60センチの鱸(スズキ)をルアーで釣り上げたという。
写真に撮らせてくれと頼むと快くビニールの袋を広げて見せてくれた。すでに内蔵は取り出されていたが立派なスズキだ。
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誰もいない渚を波打ち際すれすれに歩く。硬く砂がしまって歩き易い。
潮騒がここちよい。三浦半島も手に取るように見える。

こんな日は伊能忠敬も楽しんで測量を続けたにちがいない。

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流木

真正面からの直射日光でだんだん暑くなってくる。
途中流木の上に座って休憩。サンオイルを塗る。

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東京湾観音

左の崖上から、ひょっこりと観音像が現われる。磯根崎から1.5キロの地点である。

足元の砂浜に大きな影が通過する。上空をトンビが旋回しているのだ。

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染川迂回

2.5キロ続いた砂浜歩きもいったん染川河口で中断する。
以前は下流に橋があったそうだが流失して、現在は上流を大きく迂回しなくてはならない。(1.7キロ迂回)

しかし、これはこれで集落の中の道をたどるのも楽しい。彼岸花が畔に咲いている。お年寄りから近道の迂回路を教えてもらう。

ここは富津市大坪。最寄り駅はJR佐貫で東京湾観音の登り口である。

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迂回路を廻ってまた浜にでる。(染川の河口左岸)

浜に沿って人家も多くなる。(富津市八幡)

リタイヤした夫婦の釣り人が沖に糸を延ばしている。釣果を尋ねるとゼロと返ってきたが、それでも楽しそうである。

新舞子海岸を進む。振り返ると東京湾観音の立ち姿も大分後方になった。
上総湊も近い。
新舞子海岸が終るころ崖が張り出してくる。


不二三十六景

広重の不二三十六景の中に上総天神山海岸がある。
しかし天神山とは上総国海良(かいら)村で湊川の南岸である。だから位置は違うと思うが崖の姿が似ている。

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友人の出迎え

このへんを写したものかと考えながら進むと前方から高校の友人が手を振って迎えに出て来てくれた。前の晩電話で連絡しておいたのだ。

彼は上総湊の住人。リタイヤ後は釣り三昧のシニアスタイル。

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上総湊漁港

彼が良く乗る釣り船や釣りのスポットなど漁港を案内してもらう。

昼食に美味しい魚の煮付けを食べたいというと湊川沿いの食堂(宮島)を教えてくれた。友人とは別れ湊川にかかる中橋を渡る。

今日の定食は金目の煮付けと豚の生姜焼と葡萄がついて945円。組合せはみょうであったが美味かった。

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薬王寺(やこうじ)

昼食後湊川沿いに河口にでる。この付近は地図によると十宮(とみや)という地名である。薬王寺といい十宮といい読みが面白い。

左手に薬王寺の紅いのぼりが見えてくる。ここには県の天然記念物に指定されているハツキイチョウがある。案内板の説明だけではどの様なものか分からない。

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ハツキイチョウ

枝には通常の銀杏がたわわについているもののハツキイチョウは見当たらない。

近所の年配者に尋ねてみると、住職さんを紹介してくれて実物を見ることができた。
住職は毎朝落ち葉掃除をしていると数は少ないが見つかるという。

六地蔵の足元においてあったハツキイチョウを持っていってもよいというので頂いたのがこの写真である。
すでに葉は変色してしまったが、銀杏の葉が双葉に分かれてその間に通常の銀杏よりもかなり小ぶりの実がついている。

親切にも住職を紹介してくれた人は、近くにある住吉神社とここ薬王寺の総代をつとめているとのことである。この寺は住吉神社の別当であった。

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水準点

親切な十宮の住人とわかれ旧道をたどって国道(127号)に合流する。合流する手前の住吉神社近くの路傍に水準点があった。(17.0メートル)

話は変わるが最近 NHKの趣味悠々という番組に「地形図片手に日帰り旅」が放映されている。

国土地理院のプロが解説していて地形図の見方など大変参考になる。

前回は桜田門近くの憲政記念館内にある日本水準原点について紹介していた。それを見た直後であったので水準点の出現に思わず写真を撮ってしまった。


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怪人

右の崖下に磯に打ちつける波を見ながら真西に国道をたどる。
陽をまともに受けて暑い。

十柵のバス停から400メートルくらい行ったところにボートを押す怪人が現われる。疲れた身体を和ませてくれる光景だ。

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城山

計画では竹岡漁港の西から流れ出る白狐川を渡って城山を越して矢坪に降りる予定でいた。朱塗りの橋の手前で住民に登山口を尋ねてみると今は手入れが無く登れないという。

登り口だけでも確認してみようと行ってみるが、確かに踏み後も定かで無く、篠竹や潅木で薄暗い。あげくの果てに黄色スズメバチがこちらの気配を感じて飛んでくる。

あえなく退却、国道を辿ることにする。
この城山は昔は造海(つくろみ)城、その後百首(ひゃくしゅ)城といって重要な海城であったところ。今はこのような地名も無い。

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造海(つくろみ)

ところが城山トンネル手前国道沿いに造海(つくろみ)興業という企業名があったのには嬉しくなった。

伊能図に記されている百首(ひゃくしゅ)村とは竹岡のこと。明治初期の地図では竹ヶ岡村になっている。百首のまえは造海(つくろみ)といった。

この古い地名を企業名に冠したのはよほど思い入れがある社長さんにちがいない。

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城山トンネル

国道127号を城山トンネルで抜ける。

歩道専用の側道がありがたい。

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JR竹岡駅

今日の終着竹岡に到着する。(15.:40)
秋分の日もすぎ三時過ぎだというのに影が長い。

今回の歩行距離はGPSログで23キロであった。

内房線もこのへんにくると上りは早朝を除いて一時間に一本となる。
早朝5時が3本と一番多い。(千葉方面への通勤か) 事前に時刻表をチェックしておくことが大切である。

15:50分発の千葉行きに乗車する。

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