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(第2日目) 昨日の 到達地点 (平砂浦)まで館山駅からJRバスで行く。 バス停から畑の中の小径を辿って海岸に出た。 まだ12月半ばだというのに、ここではもう サヤエンドウの花 が咲いて実もたくさんつけている。 打ち寄せる波によって出来た砂の紋様が美しい。 今朝は風がややあり白波がたっている。 晴れてはいるが雲に隠されて伊豆大島は見えない。 ここは 平砂浦、4.5キロにわたって長い砂浜が続く。 所々このような流れが海に注いでいる。 靴を濡らさないように歩くのに結構苦労する。 飛び越せないときは流木や流れ着いた竹を使って渡る。どうしてもダメなときは上流の橋を迂回することになる。 流れを越せないので浜に平行して走るフラワーラインに出る。(南房パラダイス) これから新年を迎えると花のシーズンで、ここも賑わいをみせることだろう。 いまは 山茶花 が満開となっている。 相浜で会った年寄りの話は面白かった。 少し長くなるがこうである。 相浜漁港で、自転車で通りかかった老人に 相浜(あいのはま) の読み方について尋ねた。 自転車に竿やタモ網など釣り道具一式をのせている。 相浜の地名の読みを確認したあと、老人はこちらに興味を持ったのか、この先の布良(めら)という地名をあげて日本民族のルーツは南方系と北方系があると話し出した。 「めら」の地名は 伊豆半島(妻良)や紀州(女良)にもあるらしい。伊豆の伊東(いとう)にしても房州にも伊戸(いと)があり海の道をへて移住してきた人々がつけた名であるという。 言葉の中に時々英語なども混じる。東南アジアなど先の戦争で回ってきたらしい。 そして 私は 加藤隼戦闘隊(かとう はやぶさ せんとうたい)の生き残りで今年90歳になるとも言った。 山登りもだいぶやったらしく日本アルプスの山名がポンポン飛び出す。 老人はかなり難聴で耳元で大声をだしての会話は、ところどころ斑(まだら)ではあったが「日本百名山」の話になったところで、戦友が華中で不時着し中国人に助けられた話をしたときには驚いた。 通常 敵国の将兵が捕まると 高い褒賞がでるのだが、その中国人はそれに反して助けた。 それはその母親が日本の薬で命拾いしたことがあり、機会があったら 日本人に恩返し してくれと日頃言っていたらしい。 中国人は捕虜(友人)を日本軍の最前線に連れて行くと、なんとその守備隊長は深田久弥中尉であったというのである。 「日本百名山」で知る人ぞ知る 深田久弥 氏である。 そんなことをその九十翁は随筆に書いたというので、是非その本が購入したいと話を向けると、在庫があるか調べてから連絡するから、住所をメモしてくれという。 老人はひとしきり話が終ると、婆さんが昼飯を作って待っているからと自転車に乗って去っていった。 駒ヶ崎神社の裾を廻って海岸に出る。 青い海苔に覆われた 庭園のような磯 を歩く。 空を反射した 潮溜まり に目を奪われる。滑らないように慎重に通過する。 海岸近くの食堂(牧水亭)に入って「さざえラーメン」を注文した。 スープの味は今ひとつであったが、さざえの具は信じられないくらいたっぷり多かった。(750円) 店主になぜ「牧水亭」なのか尋ねると海岸に牧水の碑があるからという。 「白鳥はかなしからすや 空の青 海のあをにも 染ますただよふ・・・」 で始まる若山牧水の碑があった。 ここ 根本海岸は牧水ゆかりの地。 彼はここを二度訪れて沢山の歌を詠んでいる。 一度目は恋人園田小夜子と熱愛の時期、二度目はその小夜子との別離の後であった。 そしてこの歌を詠んだ。 根本海岸の先の岩礁(御神根島)にたくさんのウミウが羽を休めていた。 根本の海岸をまわると今回の旅のゴール野島崎灯台が目に入ってきた。 津波を体験したことはないが、元禄地震の再来想定津波高 を見ると、海全面が盛り上がってこの高さで襲来する恐ろしさを実感した。 記憶に新しい東南アジアを襲った大津波もこのように海全体が押し寄せたのだろう。 もの凄いエネルギーだ。 斜陽に照らされた 野島崎灯台 を遂にまじかに捉える所まで来た。(15:25) 自然に足も速くなる。 見学しめ切りぎりぎりに灯台に入る。 案内によると 慶応2年(1866)江戸幕府とアメリカ等4カ国との間で結ばれた江戸条約において建設が定められ、明治2年(1869)に点灯されたとある。 伊能忠敬がこの地を測量した68年後のことである。 灯台はその後関東大震災で倒壊し大正14年(1925)に改築されたとあった。 灯台から南南西の海上に 三宅の島影 を微かに遠望することができた。 噴火のときは火映が見えたのであろうか。ここから96キロの距離である。 伊豆大島と利島の海峡に夕陽が落ちようとしている。 天候は下り坂、北から雲が移動してきている。良い時期を選んで歩くことができた。 これで今年のロングハイキングは御用納め。 来春はどんな出会いが待っているか。 それでは良いお年を !!
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2008年12月20日
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