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2009年の松も明けて、「伊能忠敬の足跡を辿るロングハイキング」も房総半島東岸に移り、いよいよスタートである。 今回(1/17)は野島崎灯台から歩き始めてJR千倉駅までのお花畑と太平洋を見ながらの旅である。(カミサン同行) 館山から、昨年12月に到達した野島崎灯台口までJRバスで行き、ここから歩き始めた。 当日は、このところ続いた強い冬型の気圧配置もゆるんで絶好のハイキング日和であった。 リゾートホテル群が立ち並ぶ白浜をすぎ、塩浦の集落に入ってくると沿道に花摘みの案内が出てくる。 ここ房総南端は 無霜地帯 で冬でも花の栽培が盛んだ。花摘みを誘う案内板が沢山出ていた。 左手の照葉樹に覆われた小山の上に小詞が目についた。 磯海苔(いそのり)を干している地元の人に尋ねると浅間神社だという。 「見晴らしが好いですよ」との勧めで登ることにした。急な階段を登って頂上の社に出ると野島崎灯台から白浜にかけての家並みと眼下に花畑が見渡せた。 房総南端は花と海を巡る「花海道」だ。 青い水平線にはポピーが良く似合う。 乙浜漁港を過ぎると進路は北向きにかわり、GPSの緯度表示も数値が増えてくるようになる。 房総半島南端から千倉にかけての海岸線は海岸段丘が発達していることで有名である。 ここ白間津(しらまず)漁港にかかる南房千倉大橋の上から、その特徴が見渡せた。 大地震などによる 地殻変動で 海底が隆起 してできたものだ。 左の山並みから右手に海に向かう平坦地が、かっての海底である。 国の重要無形文化財に指定されている「白間津(しらまず)踊り」が奉納される日枝神社に寄ってみた。 案内板には祭りは5年に一度の一漁村には珍しい華麗で豪壮、賑やかな大祭とある。 特に「ささら踊り」や「酒樽万燈」、海岸に向かって行う「大綱渡し」などは圧巻とある。 神様は海からやってくるのはいかにも房総らしい。 日枝神社を別れ、白間津漁港に戻る。大川、千田と小さな漁港が続く。 途中、道の駅(潮風王国)に立ち寄り昼食をとる。 ところで、大川は往年のハリウッドスター早川雪舟の故郷である。 なぜ網元の家に生まれた早川金太郎(雪舟)が国際的映画スターになったか。 それは明治39年、ここ七浦沖の 米国客船ダコタ号の座礁事件 にさかのぼる。 英語を独学していた金太郎が通訳として大活躍し、その機縁でシカゴに留学、数奇な運命をたどってスターになったという。 ダコタ号だけでなく安永9年の清国船(元順号)、明治44年のエンタープライズ・チャイナ号など幾度となく沿岸で海難事故が発生している。 この地方のふるさと写真集「朝夷(あさい)」の中には、上半身裸の海女と救助された米国人の焚き火風景が載っていて面白い。 房総半島の沿岸歩きでは、事前に地形図をチェックしてから歩いている。 ここ平磯(ひらいそ)付近の地形図で近接して二つの灯台記号があるのに気付いた。 一つは岩礁に他の一つは道路を挟んだ陸側にある。灯台が並んで二つあるのが不思議であった。 地元の人に尋ねると、灯台ではなく航路誘導灯であると教えてくれた。 二つの灯りが一つに見えるように航路をとると漁港に入れるらしい。岩礁や潮の流れを考慮して設置されているとのことであった。 また、海岸段丘についても、その人の父親の話として関東大震災に際して海底が隆起し、干上がって腐った海草が発生する臭いが、大変であったとも話してくれた。 そう言われて周囲のお花畑などを見わたすと、確かに海底であった岩が各所に露出している。 南房総の沿岸が地勢的に海岸段丘が特徴と文字では知っていたが、現地に来て地元の話を聞いたり露出した岩などを見ると、航路誘導灯や海難事故、花卉(かき)栽培地などバラバラの情報が「海底隆起」というキーワードで説明できるようで面白い。 平磯漁港近くの沿道に、関東大震災の海底隆起で、漁港の改修を余儀なくされた記念の碑もあり、当時の苦労が偲ばれるものであった。 千倉漁港南の忽戸(こっと)には「屏風岩」と言われる奇岩群が海岸から沖に向ってが続いている。 海面上に見える岩はほんの一部であるらしい。 千倉漁港の北の端から千倉海岸の先に夕陽に照らされた高塔が遠望される。KDD海底線中継所である。 ここから北米や東南アジアに向って光ケーブルが海底に向って延びている。 お世話になっている高速インターネット網もここを通過しているのだ。 ケーブルの海底への落ち口を見てみたいと近づいてみたが何処にも見当たらない。 高塔近くの海岸の松林が途切れていたが、たぶん、この地下にケーブルが埋設されて海に延びていると推測したが、どうであろうか。 陽もだいぶ傾いた。海岸から松林を越えて国道410号に出る。今回の到達点である。 国道を左折してJR千倉駅に向う。今日の歩行距離はGPSログで22キロであった。
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2009年01月20日
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