潜水服は蝶の夢を見る ジャン=ドミニック・ボービー/河野万里子訳 講談社 1998年3月5日初版 定価1600円+税 ISBN4-06-208867-3 C0098 \1600E 映画化された「潜水服は蝶の夢を見る」の方を先に見て、 原作を読みたいとすぐ図書館に予約を入れたのですが、システム上の不備から結局1ヶ月待ち やっと読み終えたところです。 わずか150頁余りの本ですが、一章、一行が心に迫ってきます。 あらすじは映画を見て知っているので、我慢できず「カーテン」から読み始めましたが、 時系列的には並んでいないので、どの章から読んでもかまわないと思います。 「左目のまばたき」と「記憶力」と「想像力」で紡ぎだしたエレガントな世界 脳血管発作によりロックトイン・シンドローム(LIS)という状態に陥ってしまった、有能で 魅力ある男性が、絶望の中からいかにして自分の置かれた状況を受け入れ、意志伝達手段を 使い、本を出版するに至ったか、というような話です。 映画の中でわからなかった謎が、原作を読むと次々と氷解しました。 この本は映画を観てから読んだ方がイメージがつかみやすいと思います。 二十万回のまばたきで書かれ、二十数カ国で翻訳され、「今世紀最高の作品の一つだ」とまで 絶賛されていますが、ドキュメンタリーの中に著者のユーモアとエスプリ、熱心な本好きの 横顔、子供たちや老父への愛情、全身麻痺の自分をケアしてくれる人達への率直な感謝、 想像の世界には「牧神の午後」のコスチュームをつけたニジンスキーが踊り、ディアギレフ やナポレオン三世の妃ウジェニーも登場、幻想的なシーンが展開されています。 人間は、自分がその立場に立たなければわからないので、ジャン=ドミニック・ボービーの 体に入り込んで、心を体に閉じ込められた擬似体験ができます。 昔、こんなことばを聞いたことがあります。 ドミニックほどひどい状況ではないにしても、自分の肉体に閉じ込められている人達を 見てますが、時に怒りや諦観や絶望や憎しみが伝わってくることがあります。 今は、意志伝達装置もあるし、まばたきで入力できるパソコンもあると聞きます。 もっとこういうドキュメンタリーが出てきてもいいんじゃないでしょうか。 どんな状況下でも、人は知的に前向きに楽しんで生きられるという勇者の冒険譚。
|
全体表示
[ リスト ]




映画も本も未だなんです。
映画が先か、本が先か?映画派の私は映画が先になりそうです。
2008/11/25(火) 午後 11:07 [ ひろちゃん2001 ]
いい本でしたし、いい映画でした。私も映画を見てから原作を読みました。自分の状況を受け入れ生きていく。本人次第のことですが、私が彼のような立場ならどうだったろう。ここまで前向きに生きていくことはできなかっただろうなと思いました。まさに「勇者の冒険譚」ですね☆
2008/11/25(火) 午後 11:46 [ あつし♪ ]
なんだかとても内容が気になる本ですね。
実話なのかしら?
ポチ☆
2008/11/26(水) 午前 8:25 [ - ]
ひろちゃん、この映画をみるとトリュフォーだけでなくフランス男性は足フェチになるだろうというくらい女性の足がきれいです。
キャスティングも映画の出来を左右しますが、同じフランス中流家庭で育ったマチュー・アマルリックだからこそ見事に華やかなパリをバックに主役を演じきっています。スピルバーク組の映画ですがなかなか見せます。ベイルート行きの飛行機から降りた意味は本を読まないとわかりませんでした。非常に大事なことなのに。
2008/11/27(木) 午前 5:25
あっちゃん、皮肉にもモンテ・クリスト伯を下書きにした小説を書きたいと出版エージェントと契約していたことが幸いしたのと、忍耐強く筆記をしてくれる編集者がたまたまその電話の場所にいたというラッキーが重なって本ができたことに不思議を感じます。しかも主人公は、同じように囚われの身、いくつもの偶然ができすぎなような気もしますが全部事実なんですね。購入しました。ずっと持っていたい本の一つになりました。
2008/11/27(木) 午前 5:30
ainさん、実話ですよ。実在したフランスのファッション誌ELLEの名編集長が脳梗塞で全身麻痺になり、唯一動く左目の瞬きでアルファベットを拾ってもらい書いた自伝をもとにしています。
彼をケアする医師、看護師、介護士、言語療法士や心理学者、その他の職種に対するケアを受ける側からの感想も興味深いです。英語版も日本語版も手に入りやすいと思います。読んでみませんか?
ポチ☆ありがとうございます。
2008/11/27(木) 午前 5:39
なぞめいていますね(笑)。まずは映画から見ることにします。足フェチになってしまうかも。
既にその傾向はあります(笑)。
2008/11/27(木) 午後 9:51 [ ひろちゃん2001 ]